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2019年7月29日付 2757号

東京五輪まで1年 大規模な交通規制、荷捌時間変更で緩和措置も  東京都準備局

TDMの試行で閉鎖した首都高・外苑入り口

 2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催まであと1年に迫り、首都圏では「2020交通需要マネジメント(TDM)推進プロジェクト」の取り組みが進んでいる。

 東京都オリンピック・パラリンピック準備局は、大会期間中の大会関係者および旅客の円滑な輸送と、物流などの都市活動の安定を目的に、交通需要を抑制するTDMと、通行制限などで円滑な交通を維持する交通システムマネジメント(TSM)の両面で対策をとることとしており、7月22日~9月6日までを2019年夏の試行期間と定め、時差出勤などの施策と併せ、さまざまな輸送テストを実施している。

 このうちTDMについては、期間中の交通量について、一般道で10~30%、首都高速で30%の削減を目指している。

 準備局はこれを踏まえ19日、事業者に対してTDM推進に向けた協力要請文書を発出し、あらためて物流の効率化や配送ルートの変更などを行うよう求めた。また、大規模小売店舗立地法適用の事業所のうち、TDMへの協力要請に基づく荷捌時間帯の変更については、19年の施行期間と20年の6月1日~9月6日までの期間、同法で定められている都道府県知事への届出が不要になるなどの緩和措置がとられる点を周知した。

 TSMについては、24日と26日の2回にわたり、都内で大規模な交通規制を展開。

 このうち24日の規制では、首都高速の外苑(上下)と晴海、新都心の4ヵ所の入り口を終日閉鎖したほか、交通量を見極め最大で36ヵ所の入り口を一時閉鎖した。また、ほかの高速道路等と合わせ11ヵ所の本線料金所で、料金所手前の走行レーンをせばめるなどの対策がとられた。

 一般道においても、午前5時から正午にかけて、環状七号線の都心方向に向かう信号機の青信号の表示時間を短縮した。

 物流企業では佐川急便と日本郵便が、事前にホームページ上で関東地方発着の荷物の配達が遅れる可能性があると注意喚起した。

自動運転向けクラウド 物流支援ロボ活用の実証実験  NTTロジスコ

 NTTロジスコ(東明彦社長)は24日、物流支援ロボットを活用したソリューションの実証実験を開始した。

 ZMP、NTT東日本の3者で、自動運転向けクラウドサービスROBO―HIを物流支援ロボットCarriRo(キャリロ)と連携させ、Wi-Fi経由で運用状況の可視化を行うとともに、荷重計測のできるIoT重量計スマートマットを活用した物流倉庫内ネットワーク環境の提供、ソリューションの高機能化を目指し、実用性、導入効果を検証する。

 実証実験では廃段ボールや空きかごの回収等の業務を行い、将来的には、さまざまな自動搬送ロボットやIoT機器がROBO―HIを介して相互に接続し、IoT機器の発信する信号により自動走行する完全自動化等を目指す。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第2特集号
    ☆車両整備特集
     日通商事整備製作部
     SGモータース
    ☆臨海鉄道特集『鉄道事業の黒字化へ、輸出入海上貨物に狙い~神奈川臨海鉄道』

  • ☆国交省自動車局伊地知貨物課長が就任会見で抱負、トラック運送業界の活性化に取り組む
    ☆東ト協浅井会長が会見で五つの視点を強調、各支部の要望を反映
    ☆佐川急便がスマート納品導入顧客の荷受作業を効率化、本格運用を開始
    ☆JR貨物が8月に入居検討企業対象に東京レールゲートWESTの物件説明会
    ☆東京納品代行がファッション・アパレル配送に電気トラック2台導入、ルイ・ヴィトン協力で

今週のユソー編集室

  • ▼鉄道貨物協会は先日公表した報告書で、2028年度にはトラックドライバーが約28万人不足すると推計した。17年度の不足数の約2.7倍に当たる数字だ。
    ▼ドライバー不足が現状の3倍近くまで拡大するとなれば、おそらくその時、少なくとも物流の一部は崩壊しているだろう。推計どおりに推移した場合、物流崩壊がどの分野からやってくるのかを想像してしまう。
    ▼最初に危機にひんするのは、輸送の際に運転免許以外の資格が必要とされ、なおかつ手間のかかる輸送、すなわち小型のタンクローリーなどによる危険品の末端輸送あたりではないだろうか。いずれにせよ対策が急務であることは間違いない。

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