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2019年7月22日付 2756号

モーダルシフト組み合わせた共同輸送で実車率99%を実現 物効法計画認定受ける  JPR・キユーピー・サンスター

 日本パレットレンタル(JPR、加納尚美社長)・キユーピー(長南収社長)・サンスター(吉岡貴司社長)の3社は18日、トラックと船舶を組み合わせた共同輸送を開始した。モーダルシフトによるCO2排出量削減のほか、キユーピーとサンスターの特性の異なる商品を混載することで積載効率の最大化を図るとともに、帰り荷にJPRのレンタルパレット輸送を組み合わせることで約99%の高い実車率を実現している。

 共同輸送を開始したのは関西~九州間で、一部を船舶に置き換え、関西発はキユーピーとサンスターの商品を混載して輸送、九州発はJPRの輸送用レンタルパレットを積載することで輸送効率を高めた。

 混載の対象商品は、マヨネーズやドレッシングなどの調味料とハミガキやハブラシなどのオーラルケア商品。これまで、マヨネーズやドレッシングなどの重量品を輸送する場合には最大積載量を満たしてもコンテナの空間が余る「重量勝ち」が多く発生する一方、オーラルケア商品のような軽量品はコンテナの容積最大限に積み込んでも最大積載量を満たさない「容積勝ち」になることが多かった。

 今回の取り組みでは、各社で手配していた10トン車を20トンの13メートルセミトレーラーに変更して重量品と軽量品を組み合わせて輸送することに加え、3社の物流拠点を効果的に回ることで約99%の実車率を確保。また、船舶へのモーダルシフトや輸送効率化により、個社単位での輸送と比較して、CO2排出量を65%低減している。

 さらに、長距離の陸送がなくなることで、ドライバーの年間稼働時間が2256時間削減できると想定され、労働環境の改善も期待できるとしている。

 輸送の手配は関光汽船が行い、海運については阪九フェリーが担う。

 なお、国土交通省は同日付で、関光汽船・キユーソー流通システム・JPRを実施主体として、この取り組みを物流効率化法の総合効率化計画に認定した。

福岡中央ロジスティクスセンターが竣工  日通

感謝状を贈る大槻執行役員(左)

 日本通運福岡支店(関根章好執行役員九州ブロック地域総括兼福岡支店長)は8日、福岡市博多区榎田の「福岡中央ロジスティクスセンター倉庫増築工事」竣工式を行った。

 鉄骨造4階建て、敷地面積1万359平方メートル、延べ床面積1万1233平方メートルの規模。福岡空港に至近で、保税蔵置場を構えることで、保管・通関・仕立ての一体運用を可能とした。さらに、非常用電源装置を完備し、災害発生時も適正な温度管理を行えるため、精密部品やメディカル関連機器などの高付加価値貨物にも対応できる施設となっている。

 設計監理は日通不動産、施工は前田・久保建設工事共同企業体。

 神事後の直会(なおらい)冒頭にあいさつした関根執行役員は、限られた工期の中、無事故・無災害で無事に竣工できたとして、工事関係者に謝辞を述べた上で、同拠点は『アジアのゲートウェイ』である福岡市の中心部に位置するアクセス環境に恵まれ、保税蔵置場、雨天時も十分に対応できる作業スペース、非常用電源装置を備えた同施設を最大限活用し「顧客の事業拡大をサポートしていきたい」と語った。

 日通不動産の舩木博文社長の発声で乾杯し祝宴に入り、大槻秀史執行役員兼グループCREマネジメント部担当兼経理部長から施工を担当した前田建設工業の尾付野誠九州支店長と久保工務店の村永正一社長に感謝状が贈呈され、尾付野支店長が謝辞を述べた。

 中締めは今村昌昭福岡航空支店長が博多一本締めを行った。関係者ら約40人が参加した。

今週掲載トピック一覧

  • 夏季第1特集号
    ☆グローバル版業界地図2019
     日本通運グループ
     ヤマトグループ
     SGグループ
     KWEグループ
     日立物流

  • ☆全ト協坂本会長が2期目の抱負、新しい時代を見据え「進化する業界」に
    ☆全日通が熊本で全国大会、休み方改革推進へ
    ☆全ト協の19年度のGマーク申請、受理事業所数が過去最高の9448事業所に
    ☆国交省が「自動車運送事業者における心臓疾患・大血管疾患対策ガイドライン」策定
    ☆日通が札幌支店の倉庫で夜間の出荷準備作業を無人化、自動走行フォークリフトやオートレーターの連携
    ☆JR貨物が11月30日に横浜羽沢駅をリニューアルオープン、30番目のE&S駅に
    ☆日通が倉庫向け協働型ピッキングソリューションの実証実験
    ☆日通東京輸送事業協同組合が働き方改革をテーマに経営研修会開く

今週のユソー編集室

  • ▼明けない梅雨に気が滅入る日々。ワイパー越しに周囲を確認しつつ、制動距離の伸びやスリップに気を使いながらの運転はマイカーでも疲れを覚えるが、トラックやトレーラーでは、さらなる負担がドライバーを襲う。
    ▼大雪や酷暑、そして長雨など季節や天候を選ばす、モノを運ぶ使命は日々粛々と遂行される。その陰には、トラック1台1台を、さまざまな状況に合わせて確実に目的地まで運行する、それぞれのドライバーのスキルと使命感がある。
    ▼自動運転車両に使命感を求めるつもりはないが、理論に基づく技術開発だけでなく、ドライバーによって蓄積された安全確保の経験則も開発に反映してほしい。

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