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2019年4月15日付 2744号

インタビュー 全日通労働組合 中央執行委員長 成田 幸隆氏
労使一体で働き方改革 社員区分統一・65歳定年など、新社員制度に移行

 社員制度を抜本的に見直し、この4月から労働力不足・労働関連法に対応する新制度に移行した日本通運(齋藤充社長)。足掛け3年にわたり労使協議に当たってきた全日通労働組合の成田幸隆中央執行委員長に制度改革の経過、組合のスタンス等について聞いた。 聞き手 本紙編集委員・牧野雄一郎

―協議を終えての感想を。
 協議に当たって主張してきました社員区分・賃金・労働条件の統一、65歳定年制・現給補償の実現、休暇制度の見直し、新たな社員区分である総合職・エリア職のユニオンショップ協定の締結、そして多くの有期雇用社員について正社員化を図れたことなど、社員制度の抜本的改革を目指してきた組合の思いが、結実した新制度ができたと思っています。

 今次春闘交渉の場でも「これから、この制度に魂を入れていきましょう」と申し上げましたが、働き方に休み方・帰り方を含め、社員のモチベーション向上につながる取り組みを労使で進めていきたいと考えています。

インタビューの続きは電子版かコンビニプリントサービスでお読みいただけます。

今後のビジネス構築に向け、長尾社長らが会見 経営資源を最適配置  ヤマトHD

 1日付で新社長に就任した、ヤマトホールディングスの長尾裕社長、ヤマト運輸の栗栖利蔵社長、ヤマトロジスティクスの小菅泰治社長は11日、東京都大田区のヤマトグループ羽田クロノゲートで専門紙誌記者団と会見し、就任の抱負等について語った。

 長尾社長は自身の役割について「これから構築していくビジネスに対し、経営資源を最適配置すること。顧客の立場に立ったサービスをどのように提供していくか、早く方向性を打ち出したい」とした上で「中期経営計画で働き方改革を中心に構造改革に取り組み、デリバリー事業では一定の進捗が見られる反面、積み残しの課題もある。本年度は中計の最終年度として、やるべきことにスピード感を持って取り組みながら、今後のヤマトグループのビジネス構築に向けて、第一歩を踏み出したい」と抱負を述べた。

 中核となる宅急便事業については、今後も持続的にサービスを提供できる体制の構築を主眼に、デジタル化による仕分の省力化に取り組む一方、増大するEC荷物を取り込むため、宅急便以外の方法で配達する仕組みの構築にも意欲を示した。

 成長領域と位置付ける法人顧客へのソリューション提供では、宅急便の値上げを受け入れた法人顧客に宅急便以外の分野でソリューションを提案し、事業領域を拡大させつつ値上げの影響を緩和させていく戦略を提示。対象顧客の絞り込みを急ぎ、事業の柱としていく方針とした。

 また、昨年9月に設置したグループガバナンス改革室による全社的なチェックが一段落し、大きな問題はなかったものの、今後も確認作業を継続していく方針を示すとともに、この4月からヤマト運輸で安全と従業員満足度をチェックする本社スタッフを全支社に配置したことに触れ、同様の取り組みについてグループ内での水平展開を促していくなど、本年度は基礎的なチェックから、実態の改善に深化させていく考えを強調した。

 このほか海外事業の拡大に向けて、アライアンスを中心とした方向性に転換していくこと、従来以上に物流事業者が労働力不足に危機感を持ち、差別化を図る領域以外の部分で“協創”していくことが重要であることなどを指摘した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流応援歌(13)『労働力不足は入管法改正で救えるか=物流業界の可能性を考える前に=』
    ☆日中ビジネスワンポイント(185)『東西文化の十字路トルコへの旅(2)』
    ☆ウォッチ(95) 『1万キロメートルを走破する中欧国際トラック輸送便「中央卡航」の運行開始』

  • ☆国交省松本物流審議官が会見、SIPスマート物流の応募少なく再公募
    ☆通運連盟が19年度事業計画決定、お試しキャンペーンの要件に品質改善輸送復活
    ☆セイノーHDがライフコーポレーションと業務提携契約を締結、食品などの宅配支援
    ☆国交省が内航海運での燃料サーチャージ導入に向けたガイドライン公表、燃料規制強化見据え
    ☆佐川急便がJR北海道と稚内~幌延間で貨客混載輸送、18日から稼働
    ☆SGムービングら3社が家具・家電などの輸送品質向上目指し実証実験開始、実験用家具で検証
    ☆JR貨物が19年度グループ社長会議開催、果実取りに行く年度に
    ☆物流博物館が「アメリカにおけるフルハーフ・トレーラの歴史」展開催、創業者の孫が講演
    ☆LEVOが連結トラック・スワップボディコンテナなどの導入に対する補助金の公募開始、5月14日まで

今週のユソー編集室

  • ▼先週は、季節外れの寒さが襲い、都内でも郊外では桜の花びらに雪が積もる光景が見られた。この時期は、浮ついた心を狙うように「寒の戻り」がやってきて、一度しまった冬物の再登板となる。
    ▼物流現場でも、一冬を共に過ごした作業用ジャンパーと、しばしの再会があったかもしれない。屋外での荷役や、倉庫での仕分作業などは、被服の良しあしが作業に当たる人々の健康と作業効率を左右する。
    ▼以前、大手運送事業者の労働組合の大会で「ジャンパーが全員に支給されず、困っている」との支部からの報告を耳にして驚いた。
    ▼今では改善されただろうが、服をケチっているようでは、いい人材の確保は望めない。

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