インタビュー (株)丸運 代表取締役社長 荒木 康次氏
"全員参加"がキーワード 改革の成果着実に 丸運イノベーション
長期ビジョンで年2%以上の成長を掲げ、各種のイノベーションを推し進める丸運。その現在位置と今後の展開を荒木康次社長に聞いた。聞き手 本紙編集委員・上原里智男
―丸運イノベーションの進捗状況は。
丸運イノベーションは、第2次中期経営計画がスタートした2017年度からの10年間で、売上高や経常利益、従業員や顧客満足度、労働生産性や年間総労働時間など、さまざまな指標において20%以上の成長を目指す長期ビジョンを支えるアプローチとして、17年度から取り組みを開始したもので、『ビジネス』『マインド』『コスト』『システム』の四つの分野でイノベーションを実現しようとするものです。
取り組み開始から2年が経過しましたが、それぞれの項目を着実に進めており、成果が出始めているものもあります。ただ、この取り組みは、成果が出たから終わりなのではなく、永遠に追求していくべき取り組みだと考えています。
ビジネスイノベーションでは、これまで拠点の再編成や静岡石油輸送の株式取得、運賃改定、鉄道利用運送(通運)事業の見直し、丸運青春応援便の本格展開など、今後もさまざまなことを行っていきます。
そしてビジネスイノベーション実現に欠かせない大きな要素の一つが、マインドイノベーションです。
それまでの当社は、既存のお客さまに誠実にサービスを提供する"防衛型営業"を得意とする反面、新規のお客さまを獲得する力は弱く問題でした。そこで意識を転換して"攻撃型営業"を行えるよう施策を講じてきました。ようやく今、その芽が出てきて、新しい物流を求めているお客さまに対して、提案営業ができるようにまで育ってきました。
例えば、大型の水道施設の建築や設備の製造・設置を行う企業に対して、当社の倉庫で資機材や部材を一括で保管・管理しながら、必要に応じて現場に供給するソリューションビジネスを開始し、通年でビジネスパートナーとしてニーズに応えていく形としました。
経営目標の作成についても、今までは積み上げ式で行っていましたが、そのやり方では成長曲線を維持できません。先に成長目標を設定して、目標を達成するために何をすべきか、個人レベルまで落とし込んで考えさせるようにしました。他社ではすでに実行していることでしょうが、目標設定から行動まで、それらをPDCAサイクルで確認・検証する流れについて、かなりできるようになってきたと思います。
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