18年10~12月の景況感を公表 売上高増加が寄与し判断指標10ポイント改善、今後は悪化の見込み 全ト協
全日本トラック協会(坂本克己会長)は12日、2018年10~12月期のトラック運送業の景況感(速報)を公表。労働力の不足感が一段と強まったものの、働き方改革への対応や人材定着に関する意識向上を背景に、所定外労働時間が減少傾向となる一方、売上高の増加が寄与することで、営業利益・経常損益は改善し、景況感の判断指標はマイナス4.8で前回(7~9月期)から10.0ポイント改善している。なお、今後の見通しは、労働力不足による人件費上昇、燃料価格の高止まりなどが影響し、判断指標は今回から7.9ポイント悪化し、マイナス12.7となる見込み。
18年10~12月期は、「好転」とした事業者が22.9%、「悪化」が25.5%で判断指標はマイナス4.8となり、7~9月期から10.0ポイント改善。
実働率は、7.5で10.4ポイント改善、実車率は5.4で2.9ポイント改善し、前回と比較して輸送効率が改善している。
採用状況は、マイナス4.9と2.8ポイント上昇したが、雇用状況は96.4と3.5ポイント上昇し、不足感が強まっている。
所定外労働時間は、マイナス11.0で1.8ポイント減少し、貨物の再委託(下請け運送会社への委託割合)は0.8となり、3.8ポイント減少。
一般貨物の輸送数量は4.7で3.9ポイント改善、運賃・料金の水準は28.2で7.4ポイント改善したことから、売上高は12.7で10.5ポイント改善し、営業利益もマイナス14.4で13.2ポイント改善。
宅配貨物の輸送数量は、マイナス41.2で26.0ポイント悪化、運賃・料金の水準も35.3で31.4ポイントの大幅悪化。これにより、売上高はマイナス11.8で8.8ポイント悪化、営業利益もマイナス11.8で8.8ポイント悪化している。
宅配以外の特積み貨物は、輸送数量がマイナス10.4で38.3ポイント悪化、運賃・料金の水準は62.7で2.9ポイント悪化したことから、売上高は38.8で8.7ポイント悪化。一方で、実車率改善などにより、営業利益は35.8で7.9ポイント改善した。
今後の見通しは、景況感がマイナス12.7で7.9ポイント悪化の見込みであるほか、実働率についてもマイナス1.4で8.9ポイントの悪化が見込まれている。
採用状況についても、マイナス9.7となり、4.8ポイント悪化、雇用状況も108.0で11.6ポイントの上昇が見込まれることから、労働力の不足感は強まる。
一般貨物では、輸送数量がマイナス2.1で6.8ポイント悪化、運賃・料金の水準も22.6で5.6ポイント悪化すると見込まれることから、売上高は4.2で8.5ポイント悪化、営業利益はマイナス19.5で5.1ポイントの悪化と見通している。
宅配貨物は、運賃・料金の水準が29.4となり5.9ポイント悪化するものの、輸送数量がマイナス35.3で5.9ポイント改善することから、売上高・営業利益ともマイナス8.8となり、いずれも3.0ポイント改善する見込み。