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2018年12月10日付 2728号

改正貨物自動車運送事業法が参院本会議に上程 委員会は全会一致で可決

衆院本会議での採決

 ドライバーの待遇改善に向けて大きく前進―。全日本トラック協会(坂本克己会長)の悲願であり、日本経済・国民生活を今後も持続させていく上で不可欠ともいえる改正貨物自動車運送事業法案が、4日に衆議院を通過し、6日の参議院国土交通委員会で全会一致で可決された。参議院本会議に上程されたが、与野党対立などの影響で、7日午後6時現在、採決には至っていない。

 改正事業法案は、4日の衆議院国土交通委員会で審議が開始され、全会一致で可決。同日の衆議院本会議でも可決され、参議院に送られた。

 6日の参議院国土交通委員会でも全会一致で可決、本会議に上程された。

 6日に東京都港区の第一ホテル東京で開かれた第178回理事会の冒頭、全ト協の坂本会長は、1990年の物流2法の規制緩和から間もなく30年の節目を迎えることに触れ、「規制緩和の悪弊に一区切りつけるチャンス。事業法改正は、全国の皆さんの強い声を受け、議員立法という形で、国会に提出された。改正により、現場のドライバーの労働条件が他産業並みになるものと期待する」と述べるとともに、衆参両院の国土交通委員会における全会一致での可決は、全政党がトラックの重要性を認識している証であるとの考えを強調した。

 改正事業法案は①規制の適正化②事業者が遵守すべき事項の明確化③荷主対策の深度化④標準的な運賃に関する規定の新設―などからなっており、成立後に、具体的な施策の内容について省令や通達などで定めていく。

イオンベトナムとビジネスパートナーシップで覚書 強み生かし社会貢献  SGV

締結式の島崎代表(左)と西峠代表(右)

 SGホールディングスグループの海外事業統括会社、SGホールディングス・グローバル(佐野友紀社長)のベトナム現地法人「SG SAGAWA VIETNAM」(SGV、島﨑順二代表)は11月26日、ディエンビエンフー市の同社事務所で、イオンベトナム(西峠泰男代表)とビジネスパートナーシップに関する覚書の締結式を行った。両社それぞれの強みを生かし、安定的で信頼性の高い事業を相互に推進することや、社会貢献活動への取り組み・交流を促進していくことで、ベトナムに住む全ての人々の生活を豊かにすることを目的としたもの。覚書の内容は次の3点。

 ①SGVは、核事業である物流機能を中心に、可能な限りネットワークおよび知識・経験をイオンベトナムに対し、積極的かつ安定的に提供することに努める。

 ②イオンベトナムは、核事業である小売機能を中心に、可能な限りSGVに情報を共有することに努める。

 ③目的達成のために、適時ミーティングを開催し、情報交換・協議を行う。

 両社はこれまでも物流面で協業しており、14年1月からイオン店舗に「荷物取次窓口」を設置、SGVが個人宅向けのクールボックスを使った配送を展開している。また、18年6月からは、イオンが運営するECショップ向けの物流センター業務(保管・受注管理・個人宅への配送等)をスタートさせていた。

今週掲載トピック一覧

  • ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(114)『消費税増税はアベノミクス終焉の引き金に(その2)』
    ☆物流応援歌(9)『共同物流推進の必要性 改正物効法の今後』
    ☆ウォッチ(91) 『中国における「自由貿易試験区」の新展開』

  • ☆JIFFAが18年度上期国際複合輸送実績発表、輸出入とも過去最高
    ☆運輸労連がセミナー、事業法改正で全ト協関係者が労使一体の取り組みの成果と述べる
    ☆YGLがグローバル展開企業向けにトータル物流サービス提供、駐在型BPOで改善迅速化
    ☆全ト協・日貨協連、11月のWebKIT成約運賃指数は引き続き前年上回る
    ☆佐川急便、3社共同で配送伝票の入力業務をAIで自動化するシステム開発へ
    ☆通運連盟、鉄道コンテナお試しキャンペーンの追加施策として自然災害も対象に
    ☆国交省が「スワップボディコンテナ車両活用に向けた検討会」開催、標準化に関するガイドラインの対象はトラック輸送のみ
    ☆東ト協連がBCP策定に向けた説明会、ポケットガイドブック等で作成の入口紹介
    ☆物流連が環境大賞の募集開始、来年2月まで
    ☆高速各社が年末年始の渋滞予測、1月2~3日多発で最大40キロメートル見込む
    ☆国交省、大規模災害時の支援物資末端輸送の円滑化で自治体担当者向けのハンドブック作成へ
    ☆日貨協連が来年5月に「WebKIT2」にリニューアル、スマホへの対応やSNSとの融合など
    ☆第19回ヤマト福祉財団小倉昌男賞の贈呈式
    ☆SGHDが小学生絵画コンクール、各賞受賞者の表彰式
    ☆日通、第2四半期国際実績、国際航空は輸出40%以上の伸びで好調

今週のユソー編集室

  • ▼先週、貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案が、衆院で可決された。トラック協会と産別労組のタッグが大きな成果を上げたと言えるだろう。
    ▼悪質な事業者の排除、荷主対策の強化、標準運賃の制定など、業界の悲願ともいえる項目が盛り込まれており、不備ばかりが目についた働き方改革法を補完し、大きな力を発揮してくれるものと期待したい。
    ▼6日の参院国交委における審議では、質問者が相次いで、トラックドライバーの労働環境改善の重要性を指摘するとともに、実効性のある施策の継続的な展開を求めた。確かに法成立はスタートラインに過ぎない。「仏作って魂入れず」では終われない。

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