ダブル連結トラックの実験結果を踏まえて、来年1月本格導入 12月中にパブコメ実施 国交省
社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会物流小員会は11月30日、東京都千代田区の国土交通省で第17回会合を開き、ダブル連結トラックの新東名高速での実験結果を報告するとともに、来年1月からの本格導入に向けて12月中に許可要件の改正案などについてパブリックコメントを募集することを決めた。
ダブル連結トラックは、2016年11月に新東名高速を中心とする区間で走行実験を開始し、全長21メートル車両3社9台、23メートル車両1社1台、25メートル車両3社4台で安全性の検証などを行ってきた。
カーブ区間での走行安全性については、左右加速度は大型トラックと同程度で、実験期間中21メートル超車両での急ブレーキは発生していない。
回転性能については、中間台車の「ドーリー」や、最後部車輪のステア機能などにより、最小半径が9.6~10.3メートルとセミトレーラーの11.3メートルより小さく、車両制限令の定める12メートルに問題なく収まることが確認された。
重量超過については、車載型自動軸重計測装置(OBW)などで確認した結果、軸重が10トン以内に収まり、総重量に関しても44トン以内だった。
本線合流部での交通流への影響については、道路構造令に定められた加速車線長が確保されていれば、21メートル超車両が本線を走行している場合でも他車両への影響は小さいが、21メートル超車両が2台連続して走行した場合には、他車両が合流する余地が少なくなることで車間が詰まり、急ブレーキ発生の確率が高まるとされた。
休憩施設については、一部サービスエリア内に25メートル車両用の専用駐車マスを用意したものの、他の車両が駐車していることが多く、約1割程度しか利用できなかった。
実験結果を踏まえ、来年1月からの本格導入では、要件に2台以上のダブル連結トラックの連続走行(連行)禁止などを新たに盛り込む。
車両安全技術については、実験と同様の16装備を求めるが、OBWについてはコスト面でのハードルが高いことを考慮し、当面は発着地での重量計による計測を認める。
運転者については、「大型自動車運転業務に直近3年以上従事、大型免許3年以上保有かつ牽引免許1年以上保有」の場合、12時間の実技訓練実績と3年間無事故無違反であることなどを証明できる書類を携行することを義務付ける。12時間の実技訓練では①車両特性・車両感覚の習得②右左折時の車両挙動・軌跡等の把握(各4時間)③被牽引車の荷重変動・ブレーキ体験(2時間)④後退時の動き・軌跡・フロントオーバーハングの把握(1時間)―などを行うよう求める。
第17回会合では、自動車運搬用車両について、最大車両長17メートルに対し、積載車両が1メートルはみ出した状態でも特殊車両通行許可の対象とする新たな規定を設定することが承認された。
いずれも12月中にパブリックコメントの募集を行い、ダブル連結トラックについては、来年1月からの本格導入を目指す。
第17回会合ではこのほか、来年3月の重要物流道路の第1次指定に向け、現在各地方での調整・検討が進められていることなどが報告された。
重要物流道路については、高規格幹線道路や直轄国道などの既存道路を来年3月までに第1次指定し、夏以降計画路線を追加する。