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2018年11月19日付 2725号

トラックの景況感 10~12月見込み、燃料高騰で悪化へ  全ト協

 全日本トラック協会(坂本克己会長)は12日、7~9月のトラック景況感(速報)を公表。判断指標は、燃料価格上昇などによりマイナス14.8となり、労働力不足による人件費の上昇などで大幅悪化した前回(4~6月期)のマイナス14.7とほぼ同水準となった。今後の見通しについては燃料価格の高止まりが来期も継続し、判断指標は、今回より10ポイント悪化、マイナス24.8となる見込み。

 7~9月の実働率は、マイナス2.9と前回より0.1ポイント改善、実車率は2.5で4.5ポイント改善。採用状況は、マイナス7.7と1.3ポイント低下し、採用状況が悪化したことから、雇用状況(労働力の不足感)は92.9と4.0ポイント上昇し不足感が高まっている。

 「一般貨物」の営業利益に関する判断指標はマイナス27.6で前回に比べ5.6ポイント悪化。「宅配貨物」はマイナス3.0で前回より12.4ポイント上昇、「宅配以外の特積み貨物」も27.9で前回を4.0ポイント上回った。

 今後の見通しは、燃料価格上昇などが10~12月期も継続して影響し、経常損益は一段と悪化することが見込まれるため、景況感の判断指標は今回から10.0ポイント悪化し、マイナス24.8となる見込み。

 採用状況については、マイナス17.3で9.6ポイント低下し、雇用状況は102.5と9.6ポイント上昇して、不足感がさらに強まる見込みとしている。

適正運賃収受推進で利益過去最高 田口社長が会見  セイノーHD

 セイノーホールディングスの田口義隆社長は、16日に都内で開いた2019年3月期第2四半期決算説明会で、既存荷主への適正運賃収受の取り組みが着実に進んでいることを報告するとともに、今後は労働力不足への対応をさらに充実させていく考えを強調した。

 同社が9日に発表した19年3月期第2四半期決算は、営業利益が9期連続で増収となり、売上高・営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する四半期純利益とも過去最高を記録した。好調の要因について田口社長は、「適正運賃収受などの取り組みを粛々と進めてきた結果で、全体として予想通りの内容」と説明。今後については、倉庫内での軽作業・軽加工受託など、顧客の課題解決を通じて、利益率の向上を図っていくとの方向性を示した。

 運賃収受率については、9月末時点で61%と3月末時点と比べ2ポイント上昇。20年3月末時点で65%とする目標達成に向け、今後も取り組みを継続する。適正運賃収受によって向上した利益は、人件費など労働力不足対策に振り向けていく。

 田口社長は、さらなる利益率向上には物流センター運営など、ロジスティクス事業の拡大がカギになるとの考えを示す一方、同事業に関する経営資源やノウハウの蓄積が大きくないことから、当面は輸送事業での利益改善を進めるとの方針を重ねて強調した。

 労働力不足対策では、路線便の出発時間前倒しなどの働き方改革を推進するほか、今年に入り、岐阜県内の自動車学校を買収。乗務員の中・大型免許取得や安全指導などを円滑に行う仕組みを整えた。さらに、車両の大型化やモーダルシフト推進も継続する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、日本通運関東警送支店が警送年末防犯訓練大会開催
    ☆物流応援歌(8)『貿易手続き円滑化 保税搬入原則の撤廃』
    ☆日中ビジネスワンポイント(181)『地質奇観 恩施大峡谷の旅(前編)』

  • ☆トナミHDの綿貫社長が決算会見、運賃改定で増収増益を達成し中計初年度として順調
    ☆矢崎エナジーシステムなど3社、タイの物流生産性向上へ求荷求車サービスの提供開始
    ☆運輸労連の年末一時金妥結の状況、は大手組合で増額基調続く
    ☆YSD・日本ホテル、訪日外国人を対象に専用ウェブサイトを利用して免税を適用する日本初のサービスの実証実験開始
    ☆JR貨物の真貝社長が会見、年末繁忙期に輸送力確保し利益予想必達へ全力
    ☆J&J社が「ロボット倉庫」を本格稼働しメディア向け見学会、作業効率が1.5倍に
    ☆日本フルハーフがフィリピンの車両架装メーカーと合弁事業で覚書調印、冷凍冷蔵ボディ―生産へ
    ☆国交省、国際海上輸出コンテナの重量確定や情報伝達について有識者検討会での議論の取りまとめを公表しガイドライン改訂へ
    ☆物流連が来年1月に東京・渋谷で業界研究セミナー開催、会員46社が参加
    ☆東ト協が過労死・健康起因事故防止セミナ―開催、対応方策など学ぶ
    ☆鉄貨協が講演会と演奏会開く、最新の技術動向を学ぶ
    ☆埼玉ト協が交通安全・環境フェア開催し1万6千人が来場、絵画コンクール表彰式も
    ☆千葉運輸支局が安全性優良事業所表彰式開催、14事業所が受賞
    ☆物流各社の第2四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼出入国管理法改正案の審議が臨時国会で始まった。
    ▼実質的な審議入りの前には、政府から与野党に対し、2019年度から5年間の外国人労働者の受け入れ上限見込み数が業種別に示された。介護や外食、建設など、深刻な労働力不足に悩む14業種が並ぶが、トラック運送業は入っていない。
    ▼今回示された数字は、あくまで審議を前進させるための目安であるとの見方もあるが、足元の労働力不足は待ったなしだ。
    ▼トラック運送業、特にドライバーが敬遠される理由の一つに手待ちなどによる長い拘束時間がある。この部分にしっかりと賃金が伴う仕組みが構築されれば、今よりも魅力ある職場になるに違いない。

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