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2018年11月12日付 2724号

取引環境・労働時間改善、ガイドライン公表 取り組み事例集も  国交省・厚労省

 国土交通省と厚生労働省は6日、「荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン」と事例集を公表。「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」での2年間に及ぶ検討や、各地域でのパイロット事業から得られた労働時間改善に関する取り組み事例・課題への対応方策などを盛り込んでおり、荷主を含めた幅広い物流関係者への周知・普及が望まれる。

 ガイドラインについては、9月27日に開催された第9回トラック輸送における取引環境・労働時間改善中央協議会と第8回トラック運送業の生産性向上協議会の合同会議で最終案を審議した。このほど公表された確定版では、対応例などの一部を差し替えるなどの手直しを行った。

 改善に向けたステップについては、最終案と変わらず①荷主と運送事業者による検討の場の設置②労働時間、特に荷待ち時間の実態把握③長時間労働の原因の検討・把握④荷主と運送事業者による業務内容の見直し⑤荷主と運送事業者間での応分の費用負担の検討⑥改善の成果を測定するための指標の設定⑦指標の達成状況の確認・評価―の7項目を掲げている。

 対応例については、「予約受付システムの導入」「パレット等の活用」「荷主からの入出荷情報等の事前提供」「幹線輸送部分と集荷配送部分の分離」「集荷先や配送先の集約」「運転以外の作業部分の分離」など13例を示している。

 事例集では、品目や取り組み内容、都道府県別の地方協議会のパイロット事業の全事例についての事業概要や効果、結果に結びついたポイントなどを取りまとめている。

 製造業などの荷主を所管する経済産業省は、「本ガイドラインの周知等を通じ、トラック運送事業における取引環境・長時間労働の改善に向けた取り組みに協力していく」としている。

日立物流との協創は「非常に順調」、働き方改革でSD増員 SGHD決算会見

 SGホールディングス(町田公志社長)の中島俊一取締役財務・経理担当と嵯峨行介取締役経営企画担当は2日、東京都千代田区の国土交通省で決算会見を開き、2019年3月期第2四半期連結決算の内容を説明した。

 このうち、嵯峨取締役は、収入・利益ともに2桁増となった理由として、適正運賃収受の進展により、宅配便の期中平均単価が前年同期比79円増の607円に上昇し、働き方改革に伴う人件費・外注費の増加をカバーしたためと説明。

 日立物流との協創については、ネスレ日本と共同開発した新たな配送サービスなど、「日本国内では具体的な案件が出てきており、非常に順調」と評価し、今後は海外での成果創出にも力を入れていく姿勢を強調する反面、資本提携については「成果を見極めてから判断する」と語るにとどめた。

 働き方改革では、採用の強化に加え、報酬体系の見直し、時間外労働の短縮、多様な働き方への対応を実施した結果、入社人数の増加や定着率の向上が図られ、2017年3月期末と比較して、セールスドライバーが1300人増員されたことも明らかにした。

 また、今期から中間配当を開始したことについて、今後も財務バランスを見ながら、配当性向30%を目安に継続して行っていく考えを示した

 第2四半期末までの宅配便実績は、飛脚宅配便が6億3100万個の0.4%増、飛脚ラージサイズ宅配便などその他の商品が3000万個の0.4%減、合計した取扱個数が6億3100万個の0.4%増。宅配便のうち航空便は400万個の12.3%増、クール便は1700万個の8.6%減、e-コレクトは個数が4700万個の4.4%減、決済金額が5121億円の2.8%減となった。

 今後は、引き続き適正運賃収受活動を展開していくほか、働き方改革関連で集荷・配達関連のインフラ強化を図っていくとした。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、日本通運関西警送支店が警送年末防犯訓練大会開催
    ☆四文字 『お粗末な「指導体制」』

  • ☆物流連の「モーダルシフト優良事業者表彰」で大賞に東洋メビウスが選出、新開発コンテナで鉄道シフト
    ☆全ト協・日貨協連、10月のWebKIT成約運賃指数は3ヵ月連続130台
    ☆丸運の荒木社長が決算会見、山陽線不通の影響で貨物輸送が減収減益
    ☆SGムービングが第7回品質選手権開催、サービスのPRも
    ☆トナミ運輸が富山・石川・福井の食材をそろえた歳暮ギフト販売中
    ☆KWEの鳥居社長が決算会見、本年度の物量見込みは中計目標に迫る
    ☆国交省・経産省が「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」の議論を取りまとめ事例公表
    ☆JR貨物・全国通運・鉄貨協がコンテナ輸送品質向上キャンペーンのキックオフミーティング開催
    ☆カンダグループが第39回カンダ祭り開催、従業員ら1600人が参加
    ☆物流各社の第2四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼先日行われた米国の中間選挙では、野党民主党が下院の多数派を勝ち取るなど、トランプ大統領の政権運営に厳しい審判が下った。
    ▼「米国第一」の強烈なスローガンの下で推し進められてきた、数々の保護貿易主義的な政策が、今後どのように変化していくのか、予測は極めて難しくなった。
    ▼今回の選挙の結果が、大統領の掲げる、自国産業の保護や不法入国者の排斥など政策面を否定したものなのか、あるいは単純に大統領の人格を嫌ったものなのか、判断が難しい。
    ▼移民や不法入国・滞在者を敵視する世界的な風潮が、緩和されたとは考えにくい。日本が進める外国人材受け入れも、十分な議論が必要だ。

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