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2018年11月5日付 2723号

通期見通しの売上高、初の2兆円超えへ 竹津副社長が会見  日通

会見する竹津副社長

 日本通運(齋藤充社長)は10月31日、2019年3月期第2四半期連結決算を発表、前年度第2四半期の過去最高業績をさらに更新し、通期見通しでは初の売上高2兆円超えを見込んでいる。

 同日の発表会見で竹津久雄副社長は、売上高・営業利益・経常利益・四半期純利益ともに過去最高を確保するとともに、「第2四半期での売上高1兆円達成は初めてであり、通期での初の2兆円超えが現実的なものとなっている」と述べ、好調な業績の要因として、自然災害等の影響を受けつつも、復旧・復興へ向けた着実なサポートを実施できたこと、堅調に推移する荷動きを、総合力を発揮し確実に取り込むことができたことを挙げた。

 同社が連結売上高で1兆円を超えたのは1984年度決算、個別は88年度決算となる。

 経営計画の数値目標に対しては、売上高2兆1500億円には若干届かないものの、営業利益は750億円に対し770億円を見込み、十分達成可能であり、当期純利益は450億円に対し450億円と射程圏内に入っていると自信を見せた。

 自然災害で影響を受けた額は売上高が62億円、営業利益が20億円のマイナスを計上。燃油費上昇の影響額は軽油が18億3400万円。

 国際関連事業売上高比率は38.6%で1.5ポイント向上。運賃料金改定交渉の経過については、目標の80億円に対して55億円の交渉効果があったことを明らかにした。

◆ 売上高を上方に修正 4月公表の通期業績予想の売上高を300億円上方に修正。第2四半期末の1株当たり配当は昨年10月の株式併合換算で10円増配の70円、年間配当は25円増配の145円と予想。

 セグメント別業績はロジスティクスが売上高8223億2900万円の8.2%増、営業利益298億9100万円の11.8%増、警備輸送が売上高359億7900万円の0.1%減、営業利益2億9200万円の72.7%減、重量品建設が売上高248億6300万円の0.0%、営業利益20億8800万円の10.9%減、物流サポートが売上高2285億9200万円の11.9%増、営業利益57億6500万円の8.2%増。

宅急便単価の上昇などで予想上回る業績に、下半期は個数絞る 決算会見  ヤマトHD

 ヤマトホールディングス(山内雅喜社長)の芝﨑健一専務取締役財務戦略担当は10月31日、東京都千代田区の国土交通省で開いた決算会見で、2019年3月期第2四半期連結決算を説明した。

 上半期は、宅急便の取扱個数減少が予想を下回り、法人顧客のプライシング見直しや、基本運賃の改定などで単価が上昇したため、売上高・利益とも当初の予想を上回った。前年同期はデリバリー事業の構造改革に伴う人件費の上昇などで、営業利益・経常利益ともに120億円を超える赤字となっていた。第2四半期末の宅急便単価は、3月末と比較して60円増の657円。通期末は当初659円を予想していたが、これを3円程度上回る見通し。本年度の宅急便取扱個数は当初予想から変更なく17億9600万個とし、上半期で約300万個予想を上回ったが、業務負担の軽減などを考慮し、下半期でやや絞る考えとした。

 ヤマトホームコンビニエンス(YHC)の不適切請求では、見積もり影響額31億400万円の計上に加え、引越の新規受注休止で約135億円の減収と、約80億円の減益を見込んでいる。

◆ 通期業績予想を上方修正 7月に発表した通期業績予想について、売上高・営業利益・経常利益を50億円、親会社株主に帰属する当期純利益を10億円、それぞれ上方修正した。宅急便の単価上昇などによるもの。当期純利益ではYHCの将来の収益性を見直し、減損損失を計上した。

 第2四半期末の1株当たり配当は1円増配の14円、年間では1円増配の28円を予定。

 セグメント別業績はデリバリー事業が売上高6231億3700万円の9.9%増、営業利益が149億8千万円の423億2千万円改善。BIZ-ロジ事業が売上高746億1900万円の8.2%増、営業利益18億3千万円の46.9%減。ホームコンビニエンス事業が売上高188億6200万円の15.0%減、営業損失44億2200万円の46億4300万円悪化。e-ビジネス事業が売上高126億9300万円の4.3%減、営業利益39億6100万円の5.9%増。フィナンシャル事業が売上高399億5600万円の2.2%減、営業利益34億1600万円の15.8%減。オートワークス事業が売上高128億7600万円の5.4%増、営業利益24億9600万円の4.6%増。

今週掲載トピック一覧

  • ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(112)『来年10月の消費税増税は粛々と実施されるのか(その8)』
    ☆ウォッチ(90) 『経済一体化を進めるASEANにおけるEC推進の状況』

  • ☆全ト協が第50回ドライバーコンテスト開催、内閣総理大臣賞は日本通運富山警送事業所の樋口選手に
    ☆日立物流中谷社長が決算説明会でSGHDとの協創プロジェクト年間200億円の目標達成に手応え、国際物流での協業に課題
    ☆日通が北京で開催の「日中第三国市場協力フォーラム」に参加し中国外運と業務提携
    ☆JR貨物が決算会見、自然災害で鉄道事業赤字も下期しっかり挽回へ
    ☆通運連盟が仙台で初のフォーラム開催、会員相互の連携促進へ
    ☆日倉協・日冷倉協、自民党倉庫議連で要望
    ☆センコーが中国の冷凍・冷蔵物流機能強化に向け「北京物流センター」稼働
    ☆物流連田村会長が石井国交大臣宛てに物流関連基盤インフラの防災機能強化の要望書を提出
    ☆東ト協連が7月の運賃動向調査公表、新約款届出は74%「交渉した」は4割弱
    ☆佐川急便が京都府笠置町で乗用タクシーによる貨客混載、集荷実施は全国初
    ☆国交省奥田自動車局長が定例会見、改正標準運送約款の届け出割合は施行から約1年で約半数
    ☆国交省が「自動車運送事業に係る交通事故対策検討会」でICTを活用した運行管理の促進に向けたマニュアル策定へ、長距離運行事業者向け
    ☆LEVOが低炭素型ディーゼルトラック普及加速化事業の申請台数を1事業者当たりの上限を5台に引き上げ
    ☆日通総研短観、トラック運賃は上昇圧力一段と
    ☆NTTロジスコが医療機器物流共同配送サービス「メディカルライナー」の都内ルート配送サービスの運用を開始
    ☆物流各社の第2四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼今年も残すところ2ヵ月を切り、トラック関係者は年末繁忙期に向けた計画や準備に動き始めているのではないだろうか。荷動きが活発になり、一般車や歩行者の増える年末年始はトラックによる交通事故も増える。
    ▼全日本トラック協会は16日から来年1月10日まで「正しい運転・明るい輸送運動」を展開し、交通・労働災害事故防止に向けた取り組みなどを会員に呼び掛ける。取り組み内容には、追突事故や過労運転の防止徹底などが挙げられている。
    ▼過労運転防止には、繁忙期だけでなく、疲労や睡眠不足を蓄積させないよう、拘束・運転時間などについて、今から中・長期的な視点での計画を組み立てる必要がある。

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