「スマート物流」実現へ SIPプログラムの研究開発機関を公募、9月7日まで 国交省
国土交通省は3日、戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期で採択された「スマート物流サービス」について、研究開発機関の公募を開始した。公募期間は9月7日まで。
SIPは、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議が選定するプログラムで、第2期で採択された「スマート物流サービス」では、ヤマトホールディングスの田中従雅執行役員IT戦略担当をプログラムディレクター(PD)に、今後5年間にわたりIoT(モノのインターネット)やBD(ビッグデータ)、AI(人工知能)を活用して、物流・商流に関するオープン型データプラットフォームの構築などに向けた検討や開発、実証実験を進める。
現在公募を行っているのは①「物流・商流データプラットフォーム」の開発②「モノの動き」の見える化技術の確立③「商品情報」の見える化技術の確立―の研究・開発を行う研究機関。
「物流・商流データプラットフォーム」の開発については、小倉正弘日立物流IT戦略本部本部長をサブPDに、物流・商流に関するサプライチェーン全体の「モノ」「情報」「お金」の流れを標準化し、収集・活用可能な形に情報化。これらの情報を一元化することで、サプライチェーンの可視化や関連事業者への情報提供を行うととともに、情報の分析・加工による新たな創出を行う。また、情報を運用管理する基盤となる「物流・商流データプラットフォーム」と物流現場、商流に関わる情報の連携により、単一企業では難しい協調型の効果創出を目指す。
「モノの動き」の見える化技術確立では、谷口友彦SGホールディングスグループエグゼクティブをサブPDに、梱包貨物を対象とした輸送手段共有化技術や物流施設の自動化技術の開発などを行う。
「商品情報」の見える化技術の確立については、今井哲之大日本印刷IoSTプラットフォーム本部長をサブPDに、消費財のような単価の安い商品への電子タグ装着による商品情報取得を目指す。
10日に東京都千代田区の経済産業省本館で行われた公募説明会では、田中PDがスマート物流サービス全体の概要を解説した後、各サブPDらが公募テーマごとの研究開発項目、初年度の研究対象項目、ロードマップなどを説明。公募テーマごとにワーキンググループ(WG)を立ち上げ、全体戦略検討WG・業界横断的戦略検討WGとともに、連携を取りながら早期の社会実装を目指していく考えを示した。