従業員数「5~9人」の企業の月間給与が上昇、規模間の賃金格差縮まる 全ト協が17年のデータ公表
全日本トラック協会(坂本克己会長)は17日、「トラック運送事業に関する賃金・労働時間データ集」を公表。2017年の従業員規模5~9人のトラック運送事業者における月間賃金は30万100円で、16年に比べて1万4400円増加し、16年には3万7900円下回っていた従業員10人以上の事業者との格差は2万3500円に縮まった。
データ集は、トラック運送事業に関する賃金・労働時間等を把握することを目的に、厚生労働省が毎年行っている「賃金構造基本統計調査」の中から、トラック運送事業に関する部分を抽出し、作成したもの。
調査実施期間は17年7月1日から7月31日で、調査結果における労働者数(常用労働者10人以上)は、道路貨物運送業で86万9780人と見込まれ、営業用大型貨物自動車運転者は30万8850人、営業用普通・小型貨物自動車運転者は27万9830人と推計されている。
17年の事業規模別賃金については、「きまって支給する現金給与(月間)」が、従業員数「5~9人」で30万100円(前年比1万4400円増)、「10人以上」で32万3600円(増減なし)となっている。
13年には「5~9人」が26万9500円(900円増)に対して「10人以上」では30万8500円(5千円増)で3万9千円の開きがあった。
14年には「5~9人」が27万4200円(4700円増)に対し、「10人以上」は30万7500円(千円減)で、差は3万3300円に縮まったが、15年は「5~9人」の28万1千円(6800円増)に対し、「10人以上」は31万8200万円(1万700円増)で、差が3万7200円に広がった。さらに、16年は「5~9人」が28万5700円(4700円増)に対し、「10人以上」では32万3600円(5400円増)で、差が3万7900円まで広がったものの、17年は「5~9人」が前年に比べ1万4400円増加したのに対し「10人以上」は前年と同額であったことから2万3500円まで差が縮まった。
17年の「年間賞与その他特別給与額」は、「5~9人」が12万5400円(1900円増)に対し、「10人以上」では36万7千円(2400円減)で、24万1600円の差があるものの、16年と比べ4300円差が縮まっている。
17年の月間所定内労働時間は、「5~9人」が181時間(10時間増)、「10人以上」が176時間(1時間増)となっている。