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2018年4月16日付 2698号

お試し輸送の要件変更しパレット化など追加 通運連盟の18年度事業計画

 全国通運連盟(渡邉健二会長)はこのほど、2018年度事業計画を決定したが、利用が旺盛な「鉄道コンテナお試し輸送キャンペーン」について、18年度は要件を一部変更して行うこととした。

 キャンペーンでは従来①新規荷主獲得に向けた試験輸送②既存荷主の輸送品質改善に向けた試験輸送③既存荷主の新規区間拡大に向けた試験輸送―の三つを助成対象としていたが、このうち②と③を削除し、新たに②パレット化の推進③ラウンドユースの推進―を追加したもの。

 パレット化は、1荷主同区間2個まで、かつ1駅4個までが対象で、パレットの種類やサイズは問わない。申請の際には、積付後と目的地到着後の荷物の画像データを添付する必要がある。

 ラウンドユースは、私有31フィートまたは私有20フィートコンテナで、復路もしくは往路輸送で4個までが対象。往路もしくは復路が新規の場合でも対象は4個までとなっている。

 予算枠は17年度と同額の5500万円。

 キャンペーンの17年度実績は、件数が614件の前年同期比97.8%、個数が703個の95.0%、申請金額が5414万円の98.0%となり、年明けの雪害の影響などから予算枠超過とはならなかったものの、それまでは4年連続で予算枠を超過するなど、需要は極めて旺盛な状況にある。通運連盟ではこれを踏まえ、パレット化やラウンドユースの推進など、連盟とJR貨物の方針により即した要件に変更することで、両施策の実現に弾みをつけたい狙いがある。

 このため通運連盟では、農林水産省がパレットやトラック予約受け付けシステムの導入を対象に実施する助成事業なども案内し、積極的な利用を呼び掛けていく考え。

 併せて18年度は、広報活動において、従来の鉄道コンテナ輸送の認知度向上に加え、鉄道利用運送(通運)事業そのものの認知度向上にも取り組んでいく。また、初の試みとして、10月下旬にも仙台地区で通運事業フォーラムを開催、会員間の連携強化を図っていく方針を盛り込んだ。このほか、大型高規格コンテナ導入への助成について、1事業者当たりの助成額上限を一部見直した上で継続実施し、障害時対応や品質向上にも引き続き取り組んでいく。

ロボネコヤマトPJ、ドライバーレスでの自動運転の実証実験  ヤマト運輸DeNA

実証実験の模様(イメージ)

 ヤマト運輸(長尾裕社長)は24日、ディー・エヌ・エー(守安功社長)などと共同して神奈川県藤沢市内で取り組んでいる、自動運転社会を見据えた次世代物流サービスの実現をめざすプロジェクト「ロボネコヤマト」について、「Fujisawaサスティナブル・スマートタウン(FSST)」内の一部公道を封鎖し、アイサンテクノロジー(加藤淳社長)の自動運転車両を活用した、ドライバーレスによる宅急便配送の実証実験を実施する。

 また、藤沢市内の宅急便の既存営業所からFSST内の公道約6キロメートルにおいて、ドライバーが着席した状態での自動運転走行を行うとともに、日本初の試みとして信号情報を携帯電話網を用いて自動運転車両でデータ受信する技術実証を、日本信号と共同で実施する予定としている。

 同プロジェクトは、新しい受け取り方を検証するロボネコデリバリーと、ロボネコストアの二つのサービスで構成されており、藤沢市内の約3万人・約1万2千世帯を対象に昨年4月から開始した。

 このうち今回の実験対象にもなっているロボネコデリバリーは、利用者が望む時間・場所で荷物を受け取ることができるクロネコメンバーズ会員向けのオンデマンド配送サービス。配送時間は10分刻みで選択が可能で、最寄駅や会社など対象エリア内であれば、自宅以外の場所でも受け取りが可能。

 指定場所に到着した荷物は、利用者自身が暗証番号をタッチパネルに入力するか、スマートフォンのQRコードをかざすことで、保管ボックスを開けて取り出す。不在の場合はそのまま持ち戻り、通常の形かロボネコデリバリーによる再配達を指定できる。

 実験では、社会受容性の検証や利用時の要望収集を行い、3月に完了。現在サービスを継続しつつ、検証を続けている。今回の実験では、実際に自動運転技術を導入した際の改善点を洗い出すことを目的としている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(83) 『改革開放40周年を迎える中国の貿易と物流』
    ☆日中ビジネスワンポイント(174) 『日本での感想』

  • ☆日通、5月1日付の新体制を決定
    ☆ランテックが国内最大級の冷凍立体自動倉庫を設備した大阪支店を開設
    ☆全ト協が17年の交通事故統計分析結果を公表、さらなる対策が急務に
    ☆全ト協の18年度安全対策事業、安全装置への導入補助拡充
    ☆国交省、フレキシタンクを用いる際に確認すべき内容の明確化など「国際海上コンテナの陸上における安全輸送マニュアル」を一部改訂
    ☆阪急阪神エクスプレス、成田カーゴターミナルを建設中の西濃運輸成田支店に移転へ
    ☆埼玉ト協が「経営課題と取組み2018」をまとめる、重要な課題に運転手高齢化5割 運転手不足・採用難6割
    ☆国交省が「地域交通グリーン化事業」の18年度事業内容公表、電気・ハイブリッド・CNGトラックについては9月3~28日に交付予定枠の申請受け付け
    ☆ランテックが福岡支店を増床、制震構造の冷凍立体自動車倉庫も完備

今週のユソー編集室

  • ▼ここ数年4月、10月などのタイミングで商品やサービスの値上げに関するニュースが報じられる。特にこの時期は、「値上げの春」のタイトルが新聞紙面やテレビ画面に躍り、見る者のため息を誘う。
    ▼値上げの主な要因には、原材料費や人件費の高騰が挙げられることが多かったが、最近は「物流費の高騰」も増えてきた。
    ▼消費者の「物流危機」への理解が進んだことで、適正な物流費負担の促進につながれば喜ばしいが、やり方を間違えると物流が悪者にされかねない。値上げ分が、物流への投資や労働分配に適正に振り向けられていることが消費者に「見える化」されれば、一定程度の理解と納得は得られるのではないだろうか。

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