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2018年4月9日付 2697号

長時間労働是正など、アクションプランを石井国交大臣に提出 「働き方改革」実現へ  全ト協

石井大臣(左)にプランを手渡す坂本会長(右)

 全日本トラック協会(坂本克己会長)は3月30日、ドライバーの長時間労働是正や労働環境・条件の改善などを盛り込んだ「トラック運送業の働き方改革実現に向けたアクションプラン」を策定し、石井啓一国土交通大臣に提出した。

 アクションプランについては、昨年8月に政府がトラック・バス・タクシーの働き方改革に関する「直ちに取り組む施策」を策定したことを受け、自動車運送業界としての主体的な取り組みを促すため昨年9月に石井大臣から全ト協や日本バス協会などに対し策定要請が行われていた。

 全ト協が策定したアクションプランでは、2019年4月に労働基準法が改正され、24年4月から自動車運転業務に罰則付きの時間外労働に関する上限規制が適用されることを前提に①罰則付き時間外労働の上限規制に対応するため長時間労働を是正する②若年労働者を確保し優秀な人材を業界に呼び込むため、ドライバーの処遇、労働環境・条件の改善に努める③物流条件の調整やコスト負担などについての理解促進を図るため、国や荷主を含めた関係者と緊密なコミュニケーションを図る④場当たり的な対策ではなく、目標達成に向け途切れることなく取り組む⑤全ト協、地方ト協、適正化事業実施機関など、業界団体も一丸となって取り組む⑥社会に貢献するトラック輸送サービスを維持・強化するため、荷主や関連する業界とともに、ライフラインとしての責務を未来に向けて継続するための行動を速やかに起こす―ことを基本方針に掲げている。

ビール大手4社、関西発九州向け専用列車で共同モーダルシフト 9日から輸送開始

ビール4社の共同モーダルシフト

 キリンビール(布施孝之社長)、サッポロビール(髙島英也社長)、サントリービール(山田賢治社長)、アサヒビール(平野伸一社長)のビール大手4社はきょう9日、関西・中国~九州間における各社の社内輸送について、専用列車を用いた鉄道の共同モーダルシフトを開始する。物流部門の環境負荷の低減および長距離トラック輸送の削減によるドライバー不足への対応などが目的。

 4社は、昨年9月から北海道内の社内輸送で、JR12フィートコンテナに混載する形で共同モーダルシフトを行っている。

 今回は関西・中国発九州向けで毎週月曜日運転の専用列車を利用する大規模なもので、1列車には75~100個のコンテナを搭載する予定としており、コンテナへの混載は行わない。

 関西・中国から九州へ向かうビール4社の専用列車には、各社の物流拠点から最寄りのJR貨物のターミナルを経て、大阪貨タと岡山貨タに集められた酒類や飲料などの商品を積み込む。九州に到着した商品は、各社の最寄りにあるターミナルから、それぞれの物流拠点へ配送する。専用列車のダイヤは、大阪貨タ発午後0時半・岡山貨タ発4時33分、福岡貨タ着翌日午前1時14分。

 九州から関西・中国へ向けた輸送は、九州地区にある各社の製造・物流拠点から福岡貨タに集めた商品を、同区間の空きコンテナの輸送枠を毎日必要に応じて利用する予定。列車ダイヤは福岡貨タ発午後2時56分、岡山貨タ着翌日午前11時22分・大阪貨タ着同午後3時32分。

 この取り組みにより4社合計で、大型トラック2400台相当の長距離輸送能力を鉄道コンテナで確保し、年間のCO2排出量を約1500トン(従来比で約74%)削減できると試算している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流企業各社の入社式でのトップ訓示要旨
     日本通運・齋藤充社長 夢の実現を目指して
     ヤマトHD・山内雅喜社長 社会の期待に応える
     SGHD・栗和田榮一会長 斬新なアイデア期待
     西濃運輸・神谷正博社長 使命は「輸送立国」
     トナミ運輸・綿貫勝介社長 常に考えやり抜く
     日立物流・中谷康夫社長 現場への理解深めて
     第一貨物・武藤幸規社長 真面目にひたむきに
     JR貨物・田村修二社長 変革の原動力に
     SBSHD・鎌田正彦社長 夢と努力と責任を
     近鉄エクスプレス・鳥居伸年社長 「社会人基礎力」を
    ☆四文字 『新たな流れ「運送事業」』

  • ☆日通、中国・重慶とアジア各地結ぶ鉄道・海上複合一貫輸送サービス開始
    ☆西濃運輸、成田空港至近地に新たな拠点整備へ
    ☆日立物流が日立キャピタルと業務提携で基本合意、「金流×商流×物流×情流」の新たなイノベーション実現へ
    ☆JR貨物がグループ社長会議、17年度の鉄道事業部門は2年連続黒字達成の見込み
    ☆全ト協・日貨協連、3月のWebKIT成約運賃指数は10ヵ月連続で前年同期上回る
    ☆国交省、過労運転防止違反などの行政処分基準を強化
    ☆経団連が17年度規制改革穂要望、都市部でも貨客混載実現を
    ☆ヤマト運輸、関西ゲートウェイ内に開設した保育園と従業員枠の提携契約
    ☆センコー、海運部の事業を承継するセンコー汽船設立
    ☆センコーHD、ランテックを完全子会社化
    ☆佐川急便、強靭化大賞2018で国土保全・情報分野の最優秀賞を受賞
    ☆センコー、ベトナム北部で最大規模のフォーノイロジスティクスセンター稼働

今週のユソー編集室

  • ▼新年度が始まった先週は、各社とも新入社員の入社式が行われた。本号では例年どおり、4~5面で入社式における各社トップの訓示を掲載している。
    ▼訓示の内容は、大まかに言って二つの部分で構成されるケースが多い。社会環境や会社の取り組み内容に触れ、求める人材像を示す部分と、社会人としての心構えや行動基準などを示し、新入社員の今後の指針としてもらおうとする部分だ。
    ▼近年の訓示では「激変する社会環境への対応」が決まり文句のようになりつつある。だが、変化への対応には感性の若さが求められ、これは新入社員に限った話ではない。社会人◎年生の自身を振り返り、自戒の言葉としたい。

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