25メートルフルトレーラー、日本初後部解放後にセミトレーラー運行 国交省の実験に参加 西濃運輸


西濃運輸(神谷正博社長)は3月29日、25メートルフルトレーラーの運行実証実験を愛知県小牧市~静岡県藤枝市間約170キロメートルで開始した。国土交通省が公募している「ダブル連結トラック実験」に参加したもので、後部荷台を切り離した後にセミトレーラーとして運行することができる、日本初の25メートルフルトレーラーとなっている。
実験は、第一段階として4月末までの毎週木~土曜日に行われ、三重県四日市市の四日市支店と岐阜市の岐阜支店から各1台が木曜日の午後9時前後に出発。小牧市の小牧支店で連結した後、新東名高速などを走り、金曜日の午前3時ごろ静岡市の藤枝支店に到着して解放、四日市支店からの車両は静岡県富士市の富士支店経由で同県沼津市の沼津支店に向かい、岐阜支店の車両は直接沼津支店へ移動する。
復路は、金曜日の午後9時前後に沼津支店から2台が出発して、藤枝支店で連結、小牧支店まで走行して解放後、四日市支店と岐阜支店に土曜日の午前6時前後に戻るという往復3日間の運行形態となっている。
実験中は、連結走行区間で四日市支店と岐阜支店のドライバーが乗車するツーマン運行となるため、連結による直接的な省力化の効果はないが、将来的には連結地点までセミトレーラーを運転してきたドライバーが、反対方向から来たフルトレーラーの後部を引き取ることで日帰り運行の実現など、働き方改革につなげていく考えだ。
後部に連結する岐阜支店の車両は、連結時以外はセミトレーラーとして運行されるため、今回「ドーリー」と呼ばれる連結機能を持った中間台車が用意された。
連結時は、セミトレーラーのヘッド部分を外してドーリーを装着し、前部車両と接続する。
実験に先立って小牧支店で行われたフルトレーラーの報道公開で小森紳司常務は、ネットワークの維持が同社の使命であるとの考えの下、国交省の実験に参加したと説明。実験を重ねて課題点を抽出した上で、課題を克服し、物流業界で深刻化する労働力不足対策として役立てていくとの考えを示した。
25メートルフルトレーラーは、昨年10月に福山通運、11月にヤマト運輸が実証実験への参加を開始しており、西濃運輸で3例目。
他社との混結運行の可能性について小森常務は、「他社とのネットワーク構築についてイメージは持っているが、現段階では具体的ではない」とし、まずは自社の車両による実験を通じて、課題点の抽出や解決方策の検討などに注力していく姿勢を強調した。