請願書と署名185万筆、衆参副議長らに手交 働き方改革関連法案見直しを 運輸労連
運輸労連の難波淳介委員長は1日、昨年から取り組んできたトラックドライバーの過労死防止に向けた請願署名活動について、衆参両院の副議長らに請願書と署名を手交するとともに、東京都千代田区の厚生労働省で記者会見を行った。
働き方改革関連法案において、自動車運転業務の時間外労働上限規制が、休日労働を含まず年間960時間(月80時間)とされたことについて、同労連は「過労死基準を大幅に上回る時間外労働を国が容認する」と強く反発。法案の見直しを求め、昨年7月から請願署名活動の取り組みを進めていた。
具体的な請願項目は①年間の時間外労働の「上限規制720時間以内」の適用②休日労働を含めた「2~6ヵ月平均80時間以内」「単月100時間未満」の適用③長時間労働の改善に際して生活できる賃金の確保に向けた施策の展開―の三つで、連合加盟単組の協力も得て、最終的に当初目標の100万筆を大きく超える、185万4423筆の署名を集めた。
このため同労連では1日の午前中、難波委員長と世永正伸副委員長が、赤松広隆衆院副議長と郡司彰参院副議長、同労連議員懇談会所属の衆参議員を訪ね、請願書と署名を手交した。
同日厚生労働省で行った記者会見には、難波委員長・世永副委員長のほか、杉山豊隆副委員長らも出席。難波委員長は請願署名提出に至った経緯やトラック運輸産業の実態などを説明した上で「請願署名活動の最大の目的は、物流を止めてはならないということ。産業の魅力を広めて、若い人たちに、この産業に入ってきてもらいたい」と心情を吐露した。
また“ヤマトショック”の影響で、適正運賃収受の動きが進んでいることを説明し、そうした動きが賃金引き上げにどのように反映されるかが課題になるとの認識を示すとともに、今後も連合の中で産業の実態を訴えて理解を促進し、労働組合の立場から他産業の要望も聞き、事業者側に伝える役割を果たしていきたいと語った。