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2018年2月12日付 2689号

海コンの増加に対応 今後の特車許可制度「走行時重視」へ、車載型荷重計測システム導入も  社整審道路分科会基本政策部会

社会資本整備審議会道路分科会基本政策部会は5日、東京都千代田区の経済産業省で第65回会合を開き、2日に閣議決定され国会に提出された道路法等の一部改正案について報告を受けるとともに、国際海上コンテナの増加などにより審査期間の長期化などの問題が顕在化している特車通行許可制度の今後のあり方について審議。OBW(車載型荷重計測システム)によるモニタリング強化など、新技術を活用した新たな許可制度について検討を進める方針を固めた。

同部会が昨年8月に取りまとめた建議などを基に国会に提出された道路法等の一部改正案については、特別な構造基準を満たした道路として指定された区間の特車許可を不要とする「重要物流道路制度」創設などを盛り込んでいることを国交省の担当官が説明。制度創設により、2016年度約30万台となっている国際海上コンテナ(40フィート背高)の特車通行許可台数を10年後におおむね半減させるとの目標が、1月末に決定された総合物流施策大綱の推進プログラムにも記載されている。

特車通行許可制度については、国際海上コンテナの増加などにより13年には約26万台だった許可件数が17年には約37万件と1.4倍に増加。これにより、平均審査日数が1ヵ月以上を要しており、急な輸送需要に対応できないなどの弊害が発生している。

また、審査に時間がかかるため、許可を待たずに輸送する車両の増加などにより約3割が過積載になるなど、制度への信頼を揺るがしかねない状況にある。

さらに、過積載の取り締まりは、道路管理者が限られたマンパワーで対応しており、荷主に対する責任追及も十分には行われていない。

こうした状況に対処するため、オーストラリアで用いられているモニタリングシステムなどを参考に、新技術を活用した新たな許可制度について検討していくとの方向性が示された。

示された今後の許可制度のイメージ案では、地方道を含む道路の情報を国や地方自治体などの道路管理者がデータ化し、それらのデータを基に国が一元管理するシステムで審査を自動化・簡素化、トラック事業者はオンラインで迅速な許可取得が可能になるというもの。

このほか、車両にOBWを搭載して、荷主と連携した過積載防止を図るとともに、走行中にも常時経路や重量を計測して、違反者への警告・取り締まりを効果的・機動的に行う「走行時重視」のイメージが示された。

OBWは、車軸に装着されたセンサーで車軸のひずみを計測し重量を算出するものが主流となっており、EUでは21年5月までにOBWをはじめとする自動重量計測機を用いた過積載車両の検知体制を導入するよう各国に要請、15年時点で新車(トラクター)の約半数にOBWが装着されている。

また、オーストラリアでは、重量緩和制度を利用する場合には、OBWやGPS車載器を装着した上で、重量・経路データをサービス事業者に常時提供するモニタリングシステムが採用されている。

わが国でも「走行時重視」の許可制度に転換するためには、OBWなどの装着が不可欠となるが、OBWとセットで装着されることの多いエアサスペンションの形式がEUのものと異なることやコスト(8千ユーロ~)などの問題があり、装着義務化などには慎重な検討が必要となる。

通期業績を上方修正 宅配単価6%増に、取扱個数も1%増  SGHD第3四半期

SGホールディングス(町田公志社長)は2日、2018年3月期第3四半期連結決算を発表するとともに、通期業績予想と配当予想を上方修正した。

第3四半期連結業績については、適正運賃収受活動などにより平均単価が前期末比で5.6%増加し540円となったこと、宅配便の取扱個数が前年同期比1.1%増の9億8300万個となったこと、チャーターサービスやオフィス移転などが好調で28億円(6.3%)増を記録したことなどにより増収を確保し、新卒初任給や冬季賞与の引き上げなど人件費負担が152億円増加したことや、路線便・傭車の増車および委託単価の見直しなどで外注費が232億円増加したことなどの費用増加分を上回り、増益を達成した。

通期については、単価が前期末比7.0%増の547円まで上昇し、取扱個数も前年同期比4.0%増の13億3千万個に上ると想定。これらを踏まえ、売上高で当初予想を400億円上回る1兆400億円に、営業利益を30億円上回る610億円に、経常利益を35億円上回る635億円に、親会社株主に帰属する当期純利益を20億円上回る350億円に、それぞれ上方修正した。

また、1株当たりの年間配当についても、当初予定していた32円を1円上回る33円(前期比では3円の減配)に修正している。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集・運輸労連結成50周年
    ☆四文字 『免許の種類「路線3種」』

  • ☆総合物流施策推進プログラムの指標一覧
    ☆通運連盟が全国大会開催、31フィートコンテナのランドユース推進など生産性向上に積極姿勢
    ☆全日通が中央委で18春闘方針決定、賃上げ要求1万1千円など
    ☆ヤマトアジア、ミャンマーにフォワーディング事業などを行う合弁会社設立
    ☆ヤマト運輸、和歌山電鐵の電車を利用した「客貨混載」開始へ
    ☆日本郵便、イノベーションプログラムの成果発表会で最優秀賞に人工知能を使った配送効率化策を選定
    ☆フジテックス、物流現場の省人化セミナー開催
    ☆北陸地方大雪で物流に大きな影響
    ☆東ト協、ロジ研・青年部会・婦人部会の3組織合同セミナー開催
    ☆JIFFA、最新ITセミナー開催
    ☆物流各社の第3四半期連結決算

今週のユソー編集室

  • ▼和歌山電鐵といえば、猫の駅長「たま」で有名だ。社長代理まで勤めていた初代駅長はすでに亡くなり、現在は「ニタマ」が貴志川駅長に、「よんたま」が伊太祈曽駅長に就任している。
    ▼同社のホームページには初代「たま」駅長の就任のいきさつなども紹介されているが、何かと“炎上”する話題の多いこの時代に、よくぞこれほどほのぼのとした発想ができたものだと感動する。
    ▼ヤマト運輸は今週から、その和歌山電鐵で「客貨混載」事業を開始するという。和歌山電鐵の小嶋光信社長は、ホームページの代表メッセージで、「ヤマト運輸さんからご依頼があり、素晴らしいアイデアで、すぐにご協力することに決定した」と述べている。
    ▼同社は猫をモチーフにした「たま電車」も運行しているが、これが「客貨混載」用の電車になる日もあるようだ。「クロネコヤマトがネコ電車で荷物を運ぶ」わけで、ぜひともこの目で見てみたい気もする。

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