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2017年12月11日付 2682号

物流用ドローンポートシステム ガイドライン年度内に策定、過疎地利用前提に  国交省

 国土交通省は6日、東京都千代田区の同省で第5回物流用ドローンポート連絡会を開き、9月と11月に長野県内で実施した実験結果を報告するとともに、ドローンポートシステム利用ガイドラインを年度内に取りまとめる方針を固めた。

 実験は、画像認識を用いた自動着陸を行った3月の第1回に続き、9月にはシステムを構成する全機能についての第2回実験を実施、11月の第3回実験では一般機体を利用した統合検証実験を行った。

 第2回実験では、道の駅~高齢者専用住宅間の往復約800メートルの輸送について、離着陸地点から離れた場所に監視地点を設置し、クラウドシステムのインターフェイスを通じて間接的にドローンポートの状況や離着陸動作を確認するとともに、ポートに人が侵入した場合や強風の際の離着陸待機指示などを検証。いずれも問題なく、輸送を行うことができた。

 第3回実験では、それまでのプロトタイプ機体から一般機体による飛行に切り替えた上で、湖の上をメインとした往復約4キロメートルのコースで野菜の輸送を行った。ドローンポートのマーカー検知カメラやドローンポートシステムと通信を行う小型コンピューターからなる「ドローンポートモジュール」を機体のフライトコントローラーと接続、携帯電話の通信回線やアプリケーションを通じて機体の位置情報をリアルタイムに確認しながら、リハーサルでは問題なく飛行することができたものの、本番飛行中に異常を検知して湖上に緊急着水した。異常の原因については、現在調査中だが、機体制御系に何らかのトラブルが発生したものとみられており、現在のところドローンポートモジュールとは無関係であるとしている。

 第3回実験で得られた課題について、実験を行ったブルーイノベーションと東京大学の共同チームは、「実験専用機とは異なる機体(フライトコントローラー)との接続調整や、一時的な電波受信状況悪化による通信途絶など、様々な事象が発生した」と報告。今後の展望については、「物流用ドローンポートシステム普及のためには、提供サービス、設置場所、使用する機体等によって、ドローンポートに求められる機能・性能が異なるため、サービス条件、環境条件、機体条件ごとの細かい実証が必要」としている。

 利用ガイドラインについては、過疎地をはじめとする山間地・離島などでの物流用ドローンポート利用を前提に、ドローンポートシステムの①概要②利用条件③利用方法―について解説するとともに、飛行経路の設定や物流での機体運用、事故発生時の対応などについて考え方や注意点などを盛り込む。

 来年2月に開催予定の次回連絡会で最終案を示し、年度内にガイドラインを策定する。

東京ランドブリッジ「NEX―NET」シリーズ第2弾発売  日通

 日本通運(齋藤充社長)は7日、「NEX―NET」シリーズ第2弾となる「NEX―NET:Sea&Rail東京ランドブリッジEastBound」を発売した。

 関西を主とした西日本地域から東京の鉄道貨物ターミナルまでの鉄道輸送と、東京港から苫小牧港釧路港までの海上輸送を組み合わせたもので、8月に発売したWestBoundと対になる輸送ルートを運行する。

 WestBoundと発着を逆転させたEastBoundの導入で、関西圏を中心とした西日本地域から北海道への輸送バリエーションが増え、ニーズに合わせた輸送サービスを幅広く提供でき、コンテナラウンドユースにも対応し空コンテナ回送の解消と環境負荷の軽減が期待される。

 新サービスの特長は◎WestBound同様、海上輸送と鉄道輸送を組み合わせた環境に優しいサービス◎コンテナの運用改善によって、より割安な輸送コストの提案が可能◎北海道・東北地方で災害等による列車輸送障害の影響を受けない◎鉄道輸送では青函トンネルを通過できない危険品の輸送が可能◎西日本の広範囲から東京発の海上輸送につなげることで輸送バリエーションが増え輸送力が増強できる。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウォッチ(79) 『現代版シルクロード「一帯一路」は構想から具体的展開へ(その5)~総括・大きな変化へのうねり~』
    ☆インタビュー フィブイントラロジスティクス(株) 取締役 池田晴一氏 『日通羽田空港貨物センターにクロスベルトソーター導入、品質・スピード・定時性向上へ』
    ☆人物ウィークリー、東電物流(株)・朝岡正裕代表取締役社長

  • ☆ニトリHD・ホームロジスティクス、大阪府の物流施設で国内初稼働となる無人搬送ロボットButler導入
    ☆三井倉庫HDの古賀社長が中計発表会見、規模より稼ぐ力強化し営業利益100億円達成目指す
    ☆運輸労連の「100万人請願署名活動」、署名総数181万筆に
    ☆全ト協・日貨協連、WebKIT11月の成約運賃指数は消費増税直前の高水準に
    ☆SGHDの株式上場、売り出し価格1620円に
    ☆YLCがフィリップスと協業で合意、健康ソリューションの提供など
    ☆センコー、広島PDセンターを竣工
    ☆JR貨物がグループ社長会議を開催、SWOT分析もとに戦略の討議など行う
    ☆アート、オリジナルの“ミニオン”加湿器が当たるプレゼントキャンペーン
    ☆全ト協・日貨協連、国交省石川道路局長に大口・多頻度割引の停止措置等で要望
    ☆取引環境・労働時間改善東京協議会、17年度パイロット事業は中継輸送など2件
    ☆物流連、第19回物流環境大賞の募集開始
    ☆LEVOの17年度物流分野CO2削減対策補助、4次公募で44件採択
    ☆ヤマト福祉財団、第18回小倉昌男賞の贈呈式
    ☆エコプロ2017開催、物流業界からも相次ぎ出展

今週のユソー編集室

  • ▼米国テスラ社が先月発表したEVトラック(トレーラー)は、弾丸をイメージしたという流麗なデザインもさることながら、発表された性能面でも驚きの内容だった。
    ▼最大積載量は36トン程度、フル充電の航続距離は最大で約800キロメートル、走行距離640キロメートル分を30分で充電可能。EV特有の整備コストの安さなどにより、ランニングコストはディーゼル車を下回るという。
    ▼生産開始は2019年を予定しており、実際の運用場面でどのような評価が下されるのかはまだ分からないが、こうした動きが刺激となって、長距離用の大型トラックでもEV化が進んでいくに違いない。
    ▼気になるのは動力費。一般的に税金の関係から電気の料金は化石燃料の料金より安い。日本では軽油等の税金が道路財源に充てられていることを考えれば、将来的にEV用の電気が増税される可能性は高い。EVトラックは果たして安いのか高いのかにも、事業者の注目が集まっている。

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