9月1日にベトナムでクール宅急便スタート、現地企業と荷主契約 3ヵ月で3千個見込む Yamato365
ヤマトグループの東南アジア地域統括会社ヤマトアジア(リチャード・チュア・キン・セン社長)と、ベトナムの「BA SAU NAM TRADING LOGISTICS」(365エクスプレス、ディン・ヴィン・クオン代表)による合弁会社「Yamato 365 Express」(松田弘代表)は9月1日から、ベトナムでクール宅急便事業を開始する。
多数の日系企業が進出し、中国やタイに次ぐアジアの製造拠点に発展しつつあるベトナムでは、中間所得者層の拡大などにより、日本の食材などに注目が集まると同時に、食の安全に対する意識も高まっている。反面、国内の保冷配送の仕組みやネットワークが十分整備されていないことが課題だった。
ヤマトグループはその課題を解決するため、365グループと合弁会社を設立し、同グループが持つベトナム国内での配送ノウハウや貿易物流機能等と、ヤマトグループのクール宅急便のノウハウを組み合わせ、ベトナムにおけるクール宅急便事業の展開を通じて、保冷宅配市場の拡大や、ベトナム国民の豊かな食文化の実現に貢献していくとしている。
ベトナムでのクール宅急便は、0~10度の冷蔵帯と、マイナス15度以下の冷凍帯を取り扱い、利用対象者は契約荷主のみ。料金は契約荷主との相対契約により決定する。事業開始時の提供エリアはホーチミン市内のみで、戦力はトラック2台とバイク5台を用意し、順次増備を図る。
利用シーンは、ベトナム向け輸入高級生鮮食材や、ベトナム国内で生産された海産物・農産物等の小売店・レストランなどへの店舗向け冷蔵・冷凍配送を想定しており、事業開始に当たってベトナム進出企業向けにコンサルタント事業を展開する、タイソンホールディングス投資コンサルティングと契約を締結した。2017年(9~12月)の取扱個数は2千~3千個を見込んでいる。
当初はクール宅急便のみの取り扱いとなるが、今後通常の宅急便についても取り扱いを検討していく。
18年1月を目途に、ダナン、ニャチャン、ダラットなどの農水産品の生産地からホーチミン市内への配送体制を構築し、19年にはハノイ市内への配送エリア拡大を目指す。また、ベトナム国内での日本産品販売を検討している日本企業向けに、物流面だけでなく、365グループの機能を生かしたサポートも行っていく考え。
22日にはホーチミン市内で記者会見を行い、ヤマトホールディングスから山内雅喜社長が出席した。