16年監督実施のトラック事業場 83%で労基関係法令違反、改善基準告示違反67% 厚労省
厚生労働省が9日に公表した自動車運転者を使用する事業場に対する2016年の監督指導・送検等の状況によると、監督を実施したトラック事業場の83.3%で労働基準関係の法令違反が認められた。
16年は「トラック」「バス」「タクシー・ハイヤー」「その他」を合わせ4381事業場に監督を実施し、このうち82.9%で労働基準関係の法令違反が認められた。
トラックでは、監督を実施した3105事業場の83.3%に当たる2585の事業場で違反が認められ、このうち1842事業場(監督実施事業場数に対する割合59.3%)で労働時間に関する違反が認められた。
トラックの改善基準告示違反事業場数は2088事業場で監督を実施した事業場の67.2%。
改善基準告示の主な違反項目は、「最大拘束時間」が1588事業場(51.1%)で最も多く、次いで「総拘束時間」1358事業場(43.7%)、以下、「休憩時間」1191事業場(38.4%)、「連続運転時間」987事業場(31.8%)、「最大運転時間」622事業場(20.0%)などとなっている。
労働基準監督官が指導監督したものとして、1日の拘束時間が24時間となる日が2日連続するなどにより1ヵ月の拘束時間が最長400時間程度となっている運転者がいることに加え、時間外・休日労働が月100時間を超える運転者が複数存在したトラック事業者の例を挙げている。
16年に労働基準関係法令違反で送検したトラック事業場・管理者の件数は54件で15年比2件増加。
送検したトラック事業場・管理者の例として、36協定の限度を超えて1ヵ月で最長120時間程度の時間外労働をさせ運転者に脳疾患を発症させた事業場・営業所長の例などを示している。