吉野新体制が始動、組織強化など推進へ 通常総会・全国大会開く 日貨協連
日本貨物運送協同組合連合会は8日、鹿児島市の「鹿児島サンロイヤルホテル」で第53回通常総会を開き、研修テキスト販売収入の増加などにより大幅増収となった2016年度損益計算書案などを承認。任期満了に伴う役員改選では、退任した古屋芳彦会長の後任に吉野雅山副会長(愛知県貨物運送協同組合連合会会長)を選任した。また、総会後には第13回全国大会を開き、原口泉志學館大学教授による講演「大河ドラマ西郷隆盛」で知識を深めるとともに、吉野新会長の下、協同組合組織の強化対策推進や燃料価格の地域差是正などに向け一致結束していくことを確認した。
総会では、16年度事業報告の承認や17年度事業計画の決定、任期満了に伴う役員改選などを行い、16年度事業報告では「組合員事業者の事業コスト低減と協同組合の経営基盤強化に資する各種経済事業の推進」など7項目の重点施策を基本に各常任委員会で積極的な活動を実施したことを説明。組織見直し特別委員会からは、現行の7委員会を4委員会程度に再編・統廃合することなどを盛り込んだ最終答申案が示され承認された。
16年度損益計算書案では、保険事業での安定的な収入確保や研修テキスト販売収入を1億2141万円計上するなど、事業収益が拡大していることが示された。
17年度は、「連合会・協同組合組織の強化対策と政策的課題対策の推進」など、重点施策6項目を基本に「組織見直し特別委員会」の答申を踏まえた取り組みを推進する。
役員改選では、吉野会長のほか、副会長、専務理事らを選出した。副会長、専務理事、名誉会長の氏名は次のとおり(敬称略)。
【副会長】中川才助、奈良幹男、庄子清一、石川和夫、岩下勝美、西尾保幸、御手洗安、深田康氏【専務理事】村田省蔵【名誉会長】石川和昌、小笠原和俊、杉本守巧、古屋芳彦
総会後に関係者約440人参加の下で開かれた第13回全国大会であいさつした吉野会長は、「手をこまねいていては生き残ることはできない」と述べ、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)などを活用しながら人手不足への対応を行っていく必要があるとの考えを示す一方、実際に取り組みを進めることができるのは大企業などに限られると指摘。相互扶助の精神に基づき、全国の仲間とともに中小企業での課題解決に取り組んでいくとの姿勢を示すとともに、協同組合連合会が会員に役立つよう副会長をはじめとする役員らと「業界を盛り立てて頑張っていきたい」と抱負を述べた。