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2017年5月29日付 2657号

営業所新設に関する台数規制の見直しを、第1次答申に盛り込む  規制改革推進会議

 23日に首相官邸で開かれた第18回規制改革推進会議では、第1次答申が取りまとめられ、この中で「地方の需要に応える貨物運送事業規制改革」として、貨客混載に関する運用や貨物自動車運送事業の営業所新設に関する車両台数規制の見直しが盛り込まれた。

 貨客混載の運用見直しでは、「人口減少・少子高齢化の中、地域の旅客運送と貨物運送の双方を効率的に充実させるには、旅客自動車運送事業者が旅客運送用車両で貨物運送を行うことができる条件を明確にして、貨物運送の一翼を積極的に担うための環境整備が必要」とし、2017年上半期に検討を行った上で結論を得て、措置を講じるべきとしている。

 具体的には、一般乗合旅客自動車運送事業者による少量貨物運送に関する規制を、「貨物軽自動車運送事業者が運送できる貨物の重量を上限値として、それを超える場合は個別に判断する」としていた現在の法運用を改め、事業者が乗り合いバスの構造などに応じて柔軟に事業を行えるよう条件を明確化し、事業者が自ら判断できるようにする。

 貨物自動車運送事業者の営業所新設における車両台数規制については現在、島しょでの輸送など一部を除いて事業用自動車を5台以上保有することが通達で一律に義務付けられているが、人口の少ない過疎地域では営業所の新設が難しいとの指摘があることから、最低車両台数のあり方について関係者と調整した上で、検討し結論を得ることとしている。

 輸送の安全を確実に担保しつつ地域の実情に応じた合理的規模で事業拠点が整備できるようICT(情報通信技術)の活用などにより適切な運行管理が実施されるなど一定の条件を満たすことを条件に、広域で事業を展開している事業者による追加新設の場合と、中小企業が営業所を新たに設ける場合について17年に検討を行い、結論を得るべきとしている。

ミャンマー・タイ~日本・中国間で複合物流サービスを開始、リードタイム半減  日新運輸

 日立物流グループの日新運輸は25日、ミャンマー・ヤンゴン~タイ・バンコク間を陸路で結び、タイ~日本・中国間を海路でつなぐ複合物流サービス(Smart My Road)を開始したと発表した。

 同サービスは、ヤンゴンとバンコクを自社トラック・コンテナを活用して陸上輸送し、バンコク~日本・中国間は海路を使って輸送することで、従来の海路のみを利用した輸送に比べて、リードタイムを60日から30日に半減させることが可能になる。これにより、中国からタイ経由でミャンマーに資材を送り、ミャンマーで加工、製品を日本や中国に発送する場合などに、従来よりも非常に短い期間で輸送が可能となる。

 また、ミャンマーとタイは、国境規制により同一トラックで通過することができないため、貨物の積替が必要となるが、同社は現地法人のNisshin(Myanmar)がミャンマー側国境のミャワディに積替拠点を整備、タイ側は日立物流グループ会社のHitachi Transport System Vantec(Thailand)が受け持つことで、自社グループ運営による高品質輸送を実現するとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、2017年度日通グループ 全国安全衛生大会
    ☆特集 2017年度日通グループ全国ドライバー・フォークリフト大会
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(82) 『為替の行方は?(その4)』
    ☆四文字 『世界支配へ「石油事情」』

  • ☆ボックスチャーターが株主総会開催、15の優良事業所を「ゴールドマイスター」として初認定
    ☆YLCがカーディナルヘルスジャパンと医療機器供給の基幹システムまで含む国内トータルサポートの提携を結ぶ
    ☆日通が17年3月期の海外・航空・海運業績発表、アフリカやイランへの進出検討 非日系へのアプローチ強化
    ☆国交省の奥田鉄道局長が「未上場のJR3社の中では貨物が上場に近い」との見解、「引き続き経営努力を」とエール
    ☆JR貨物が6月21日付で組織改正、東京レールゲート推進室と技術企画部を新設
    ☆鉄貨協が17年度定時社員総会開催、新理事長に瀬山氏
    ☆佐川急便が山口県と地域活性化包括連携協定締結、地域防災や地域活性化など含む12項目
    ☆日本通運が8月31日まで引越キャンペーン実施中、ディズニー・オン・アイスに千人招待
    ☆自動車技術会が「人とくるまのテクノロジー展2017」開催、国内外562社の技術が集結
    ☆千葉ト協が理事会開催、ETC2.0普及促進など16年度事業報告案承認

今週のユソー編集室

  • ▼気象庁気象研究所の研究によれば、今後も地球温暖化が進行すると、九州西部や北陸で梅雨時の降雨量が増え、北日本の日本海側では豪雨が増加するという。
    ▼また、温暖化の進行によって大気中の水蒸気の量が増えると、風速毎秒70を超える「スーパー台風」が日本を襲うようになるとも言われている。ちなみにこの「スーパー台風」、2013年にフィリピンを襲い、壊滅的被害をもたらしたことで有名だ。
    ▼あらためて言うまでもないことだが、気候の変動は人々の生活や社会経済に極めて大きな影響を与える。一方で短期的には変化の度合いが少ないことから、対策が遅れがちになるようだ。
    ▼米国のトランプ大統領はパリ協定からの離脱を叫んでおり、協定は骨抜きの危機に瀕している。先月環境省が発表した14年度の日本の温室効果ガス排出量は、1990年を7%上回る13億6千万トンとなった。風速70メートルが来襲する前に、何とか対策を進めたい。

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