自動車運転者の時間外労動上限年960時間、働き方改革実行計画 政府
政府は3月28日、首相官邸で働き方改革実現会議を開き、罰則付き時間外労働の上限規制導入などを盛り込んだ「働き方改革実行計画」を決定した。計画では、現行制度で時間外労働の上限規制の適用除外となっている自動車運転者について、「罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、年960時間(=月平均80時間)以内の規制を適用することとし、かつ、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする」としている。
計画では、「同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善」や「賃金引上げと労働生産性向上」とともに、「罰則付き時間外労働の上限規制導入など長時間労働の是正」が盛り込まれている。
長時間労働の是正については、いわゆる36協定でも超えることのできない罰則付きの時間外労働の限度を具体的に定める法改正が必要であると指摘。原則として、時間外労働の上限を「月45時間かつ年360時間」とし、違反には罰則を課す。
また、特例として労使協定を結ぶ場合には、時間外労働の上限を「年720時間(=月平均60時間)」とし、一時的に事務量が増加する場合に最低限上回ることのできない上限を設ける。
現行制度で時間外労働の上限規制の適用除外となっている自動車運転者については、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に年960時間(=月平均80時間)以内の規制を適用することとし、「5年後の施行に向けて、荷主を含めた関係者で構成する協議会で労働時間の短縮策を検討するなど、長時間労働を是正するための環境整備を強力に推進する」と記述している。