石井国交大臣と全ト協幹部ら「働き方改革」で意見交換、大臣が思い切った取り組みを要請 業界は猶予期間求める
長時間労働の是正を目的に政府が進めている「働き方改革」に関連して、石井啓一国土交通大臣は7日、東京都千代田区の国土交通省でトラック、バス、ハイタクの各業界団体幹部と意見交換を行った。
トラック関係では全日本トラック協会の星野良三会長、坂本克己副会長、福本秀爾理事長の3人が出席。国交省からは石井大臣のほか末松信介副大臣、根本幸典大臣政務官、田端浩国土交通審議官、藤井直樹自動車局長、早川治大臣官房審議官(自動車)、加藤進自動車局貨物課長らが出席した。
冒頭あいさつした石井大臣は、政府が「働き方改革実現会議」を開催し、長時間労働の是正に取り組んでいるとした上で「日本全体の労働人口が減少する中で、自動車運送事業が魅力ある職場となり、女性や若年労働者を確保していくため、働き方の改革は不可欠」との認識を示し、各業界団体に協力を要請した。
また「自動車運送事業は経済と国民生活を支える重要な産業。特にトラックは全産業と比較して2割も勤務時間が長い厳しい労働環境にあり、近年人手不足が強まっている。この状態を打破して、今後とも国民の期待に応えていくため、長時間労働を改善していくことが必要だ」とあらためて改善の必要性を強調。「私自身の思い」としながら「自動車運転者は時間外労働の適用除外となっているが、魅力ある産業になるために、今の仕組みを見直した方がプラスになると思う。皆さんには、ぜひ思い切った取り組みを進めていただきたい」と語り、適用除外の見直しに対して理解を求めた。
一方で「働き方を見直すためには、荷主など関係者の理解と協力が不可欠であり、国交省としても関係省庁にも働き掛けて、必要な環境を整備したい」と述べ、行政として各団体の働き方改革実現を支援していく考えを示した。
これに対して全ト協は「働き方改革は人手を確保するために大切であり、業界としても一層努力していく」と前向きな姿勢を示しながら「荷主の理解と協力が必要」とも語り、次の3項目について国交省の支援を求めるとともに、後日あらためて要望を行っていく考えを示した。
①手待ち時間の削減や高速道路を利用できる運賃の収受など、荷主の協力を得るための必要な措置。
②荷主の理解や取引環境の改善のためには時間が必要なことから、罰則付きの制度とするならば一定の猶予期間を設けるなど段階的な措置をとること。
③災害時の対応にも支障が出ないようにすること。