トラックの運賃・料金、国による下限運賃の提示 事業者アンケートで求める声と「支障あり」両方で上位に 国交省
国土交通省は20日、東京都千代田区の同省で第3回トラック運送業の適正運賃・料金検討会を開き、昨年12月から今年1月にかけてトラック事業者を対象に実施した運賃・料金に関するアンケート結果を報告。効果的な運賃・料金の収受につながる方策については、下限運賃の設定や付帯作業・高速料金の別建て、過剰に安く運送を請け負う事業者の排除などが回答の上位を占める一方、下限運賃については「支障あり」との回答も多かったことが分かった。
アンケートは、各地方トラック協会の役員・青年部会会員や、全日本トラック協会が実施しているトラック運送業の景況感調査回答企業など1776者を対象に、郵送とウェブサイトで調査票を昨年12月に送付し、今年1月に回収。30.7%に当たる545事業者から回答を得た。回答事業者の実運送の売上高が一番高い輸送品目についての取引上の立場は、元請け61.8%、1次下請け31.4%、2次下請け6.3%、3次下請け0.2%などとなっている。
質問項目は、最も売上高の多い品目についての運送委託者(真荷主・トラック事業者・利用運送事業者など)や、燃料サーチャージ・車両留め置き料・付帯作業料などの費用の収受状況、契約書への別建て料金の記載の有無など。
また、運賃・料金の収受に効果的な項目について、「国が目安となる標準運賃を示す」「国が目安となる下限運賃を示す」「別建て料金の収受」「事前チェックの厳格化」「法令遵守できない業者への取り締まり等強化」「価格交渉など取引交渉のスキル向上」など10数項目について、「とても効果あり」「効果あり」「少し効果あり」「全く効果なし」「支障がある」まで5段階で回答してもらい、「支障がある」については、特に支障のある2項目について理由を尋ねている。
このうち、「とても効果あり」との回答割合が高かったのは、「過剰に安く請け負う業者がいなくなる」で38.7%、次いで「国が下限運賃を提示して、違反があった場合に変更命令審査を行う」が35.3%、以下、「法令遵守できない業者への取り締まり等強化」30.6%、「付帯作業・高速代別建て」29.9%などとなっている。
特に支障がある方法については、「国による下限運賃の設定」が最も多く、以下、「業界の下請けを3次等に制限する」「国による標準運賃の設定」などの順となっている。
検討会では今後、アンケート結果を踏まえつつ、現在は明確化されていない運賃や付帯業務、車両留め置き料などの範囲について検討を行う。次回検討会は4月に開催の予定。