日本通運などが集荷するパイロット事業実施、インドでの貨物鉄道利用促進へ 国交省
国土交通省は20~26日、「物流パイロット事業」の本年度事業として、インドのデリー~バンガロール間約2200キロメートルで貨物鉄道利用促進実証事業を実施する。現地での集荷などについては日本通運とインドの物流会社が共同で行う。
インドでは、増大する貨物需要に対応すべく貨物専用鉄道建設計画が進行中で、西回廊(デリー~ムンバイ間)建設事業などが、日本の円借款により進められている。
一方、インドでは貨物鉄道は運行ダイヤが存在せず、定時性がないなど、進出が進む日系企業にとって、物流ニーズに対応した貨物鉄道による輸送効率化は大きな課題となっている。このため、日本側から貨物鉄道ダイヤの設定をインド鉄道省に働きかけたことにより、昨年6月からデリー~バンガロール間で週1回の定時運行が実現、従来同区間で7~10日程度だった所要時間が3日以内に短縮された。
実証運行にあたっては同区間で、現行のダイヤに加え、新たに貨物列車1編成(80TEU分)を借り切り定時運行を行う。また、初の試みとして、20フィートコンテナの一般貨物だけではなく、45フィートコンテナによる完成車の輸送も同じ編成で併結して実施する。
実証事業を通じ、効果や課題などを具体的に調査・分析し、同区間での定期運行の実現を含め、インドにおける貨物鉄道輸送効率化やモーダルシフト促進を図る。