第2回「荷主との連携共同化による生産性の向上ガイドライン策定WG」を開催、年明けに手引策定 国交省
国土交通省は11月30日、東京都千代田区の同省で第2回「荷主との連携や事業の共同化等による生産性向上方策に関するガイドライン策定ワーキングループ」を開き、トラック事業の生産性向上方策に関する手引の内容について審議するとともに、来年2~3月に開催を予定しているセミナーで手引を配布して荷主とトラック事業者の生産性向上に関する意識啓発を図る方針を固めた。
手引は①トラック事業の現状と課題・解決方策②トラック事業者における生産性③荷主・トラック事業者による生産性向上のための取り組みの方向性―で構成する案が示され、トラック事業の課題については、「経営全般」「運送」「積卸」の視点から、川上(調達)~川下(発・着荷主)~トラック業界内のそれぞれの問題点などを盛り込む予定。
「経営全般」では、長期的な市場縮小やドライバー不足への対応、契約書の存在しない業務などの課題・問題点について説明。「運送」では、長距離輸送の効率低下や繁閑格差への対応、休憩施設不足などについて解説する。
トラック事業における生産性については、費用や投入する人材、時間を下げることでトラック1台当たりの労働生産性が向上するとの考えの下、「トラックの稼働時間」「トラックの走行状況」「トラックの積載状況」などの場面ごとのKPI(Key Performance Indicator=重要業績評価指標)を定め生産性向上につなげるとの考え方を示す。
さらに、トラック事業者では解決が困難な「貨物の積卸における非効率的な待ち時間」や契約に記載のない付帯作業などが存在することについて触れ、これらの解消に努めなければ生産性の伴わない時間は無くならないことも指摘する。
こうした説明の上、各課題ごとに荷主とトラック事業者の連携による解決方策を例示。
「ドライバー不足への対応」については労務環境の改善や賃金体系の向上、モーダルシフトなどの解決策を提示する。「繁閑格差への対応」では、異業種間の共同輸送やリース車両によるスポット対応車両の使用などの解決策があるとし、対応事例として引越シーズンのレンタカー利用などを紹介する。
委員からは、「荷主が現場の実態を理解していないケースもあるので、付帯業務の中身を詳細・明確化することが大事」「付帯作業についてはしっかり契約書に盛り込む必要がある」「トラック事業者は立場が弱いので、荷主に話をすることができる環境づくりなどの後押しをするべき」などの意見が出された。
次回は12月21日に第3回検討会を開き、手引の後半に盛り込む事例紹介などについて話し合い、来年1月の第4回検討会で最終的な内容確認や手引の周知方法の検討などを行う。