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2016年11月7日付 2631号

鉄道・内航で相互利用可能な新コンテナを開発、帯広~大阪間で12フィートハイブリッドコンテナ試験輸送  日通

 日本通運は10月26日、新開発の鉄道・内航船双方の輸送に対応した「12フィートハイブリッドコンテナ」の第1回試験輸送(帯広~大阪間)を行った。
 
 このコンテナは、鉄道と内航船両方の輸送に対応した緊締が可能で、荷物を積み替えることなく鉄道と内航船の輸送を相互にシフトできるのが特徴。従来、北海道地区では生野菜や青果物の収穫時期に通風コンテナが不足していたことから、今回開発したハイブリッドコンテナは通風型とした。また、災害時の列車運休などによる緊急対応(BCP対策)としての利用が可能。

 特長は◎鉄道・内航船双方にそのまま積載可能な緊締装置(JRアンカー緊締・ツイストロック緊締)◎JR貨物コンテナ番号と内航船用番号を併記◎通風機能(回転ダイヤル式のベンチレーター8個付属)◎両横側開き―で、コンテナ仕様は◎内寸W3642×D2277×S2303ミリメートル◎内容積19.1立法メートル◎最大積載量5千キログラム。

 試験輸送は①集貨=顧客から集貨し苫小牧港までトラックで持ち込み②海上輸送=苫小牧港から東京港まで③移送=東京港~東京貨物ターミナル駅までトラックで移送③JR輸送=東京貨タ駅から吹田貨物ターミナル駅まで④配達=吹田貨タ駅から顧客までトラックで配達―の行程で行われた。

 11月末までに145基の導入を予定。

山形県内に日本海側東北主要拠点の庄内支店オープン、ロジ事業も開始  第一貨物

あいさつする武藤社長 1日にオープンした庄内支店

 第一貨物(武藤幸規社長)は1日、山形県三川町に「庄内支店」をオープンさせた。
 
 酒田支店・鶴岡支店を統合し、両支店の中間地点に位置する立地を生かして配送リードタイムの短縮等従来以上のサービスを提供する日本海側ネットワークの主要拠点として位置付けるとともに、北東北地区と中京地区をつなぐ中継基地として活用する。また、一時保管庫を設け新たにロジスティクス事業を開始する。さらに大規模災害発生時の日本海周りの危機管理事務所としての機能を有する。
 
 新施設は敷地面積1万8664平方メートル、鉄骨造2階建て(準耐火建築物)、延べ床面積5千平方メートル(荷捌場1800平方メートル・一時保管庫680平方メートル・事務棟920平方メートル)の規模。冬季の風雪対策としてインドア部は1600平方メートルが確保され、施設側面に防雪柵が設置されている。従来蛍光灯に比べ最大70%の省エネ効果がある長寿命LEDを採用するとともに、仮眠室にはリサイクルを意識しアルミ製で分解が可能なカプセルベッドを導入するなど、環境に配慮した施設となっているほか、夜間対応を含め30台のデジタル監視カメラを設置してセキュリティーを確保している。
 
 10月28日に行われた竣工式には来賓含め約100人が参加。冒頭あいさつした武藤社長は、新支店では127人のドライバーが活躍し、17の運行便で500社の顧客の荷物を扱い、全国1千社からの荷物を配送する日本海側・東北の主要物流拠点となると述べ、今後一層サービスを充実させ顧客を物流面から支援し地域の経済発展に貢献していきたいと語った。
 
 竣工式終了後、記者団のインタビューに応じた武藤社長は「庄内支店の開設は、効率化に向け永年取り組んできた拠点統廃合計画の最後の案件。“念願”を果たせたことは、土地取得をはじめ地元自治体や関係者の協力があってこそ」と謝意を述べた。また、労働力不足問題については、全国700校以上の高校等を訪問し、採用活動を強化していると述べ、社内の学校制度のおかげで採用競争力はあると自負しており、人材確保に引き続き努めていく姿勢を示した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(69)『民進党のマニフェストを読んで驚いた(その6)』
    ☆四文字 『大型車の規制「交通公害」』

  • ☆交政審青函共用走行技術検討WG、青函トンネルの新幹線高速走行は2019年度以降に延期
    ☆JR新宿駅東口で荷捌集約化の社会実験
    ☆物流連、来年1月実施の学生向けセミナーは前回上回る規模に
    ☆埼玉ト協・埼玉県警、路上寝込み者の保護など交通事故防止協定を締結
    ☆全ト協・日貨協連、10月WebKITは荷物情報が5ヵ月連続で増加
    ☆佐川急便・北越急行、貨客混載事業でトライアル開始へ
    ☆SGHD決算会見、日立物流との提携で今後の展開に期待感
    ☆JR貨物決算会見、鉄道事業の黒字化へ「最大限努力する」
    ☆ヤマトHD決算会見、新商品の伸長が増収増益決算の要因に
    ☆佐川急便と岡山市が包括連携協定締結
    ☆東ト協が環境委開く、グリーンエコプロジェクトの仕組み等見直しへ
    ☆近畿運輸局・大阪労働局、トラック過労運転防止等で荷主関係212団体へ発注条件など配慮を要請
    ☆データテック、ドラレコ・デジタコ一体型車載器をアサヒロジスティクスの車両600台に導入
    ☆日本郵船・商船三井・川崎汽船、定期コンテナ船事業を統合
    ☆自民党倉庫議連が総会、関係団体からヒアリング実施
    ☆東ト協、代々木公園で初のトラックフェスタ開催
    ☆物流各社の2017年3月期第2四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼交通政策審議会の青函共用走行区間技術検討ワーキンググループはこのほど、青函トンネルにおける新幹線の高速走行実施時期見込みについて、従来の2018年から1~2年遅らせる案を示した。
    ▼保守作業に想定以上の時間がかかることなどが原因だが、最も重要な安全が関係する話だけに、事実上の高速走行の延期決定と受け取れる。貨物列車に与える影響を最小限にとどめる配慮もなされており、まずは歓迎できる話といえるかもしれない。
    ▼ただ、新幹線の高速走行を求める声は、依然として根強く存在する。今回の事実上の延期決定に対するいら立ちが、どういう形で噴出するか分からない。ネット上には「貨物を昔のように青函連絡船に移そう」といった声もみられる。
    ▼北海道経済の2本柱は農業と観光で、鉄道貨物輸送は農業を支える大動脈だ。安易な“JR貨物悪者論”に陥らないよう、そうした事実を粘り強く訴えていく必要がある。

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