第21回全国トラック運送事業者大会を開催、諸課題の解決に向け業界の英知を結集 全ト協
諸課題に勇気と英断をもって果敢に対応―。
全日本トラック協会(星野良三会長)は6日、鳥取県米子市の米子コンベンションセンター・文化ホールで第21回全国トラック運送事業者大会を開催。会員ら約1200人が参集し、分科会での事例報告などを通じて交通安全や人材確保・育成についての方策を学ぶとともに、取引環境改善や長時間労働の短縮、原価管理に基づく適正運賃収受などを盛り込んだ大会決議を採択した。
冒頭あいさつで星野会長は、トラック業界が最重要項目として要望していた高速道路料金の大口・多頻度割引率最大50%の延長について、2016年度第2次補正予算案に105億円が計上され、ETC2.0搭載車は18年3月末まで継続される見込みとなったことを報告。
トラックの生産性向上促進事業についても4億円が盛り込まれたとして、「アベノミクスの一層の加速に期待する」と述べた。
また、2年目を迎えた国土交通省・厚生労働省の「トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会」について、各地で順次パイロット事業が進められていることを説明し、「長時間労働の抑制や適正運賃収受をはじめとする取引環境の改善に向けて、着々と準備が進んでいる」とした。
第21回事業者大会については、交通安全対策と人材確保・育成の二つのテーマの分科会を設けていることを紹介。「業界一丸となり、積極的に取り組むため一致結束する絶好の機会」であるとの考えを強調するとともに、「トラック業界の明るい未来を自らの手で切り拓くため、業界の英知を結集し頑張ろう」と呼び掛けた。
会長あいさつの後、議長団選出などを経て、分科会に入った。
各分科会のテーマ、コーディネーター、パネリストは次のとおり。
【第1分科会】テーマ=「トラック業界の交通安全対策の推進について」◎コーディネーター=高柳勝二プロデキューブ社長◎パネリスト=清野敏彦ジャスト・カーゴ社長、飯田勇一高井戸運送社長、堂坂佳延コフジ物流社長
【第2分科会】テーマ=「トラック業界の人材確保及び育成について」◎コーディネーター=小坂真弘日本PMIコンサルティング主席コンサルタント◎パネリスト=菅原茂秋ティスコ運輸社長、川北辰実カワキタエクスプレス社長、實光広宣広島急送社長
分科会終了後、山口県内で日本酒「東洋美人」を醸す澄川酒造の澄川宜史社長による記念講演会を開催。
講演会後、全体会議を再開し①取引環境改善・長時間労働縮減②高速道路料金大口・多頻度割引最大50%の恒久化実現③参入基準の厳格化など規制緩和の見直し促進④原価管理に基づく適正運賃収受⑤交通・労災事故の防止と環境・省エネ対策の積極的推進⑥準中型免許の導入に伴う高校新卒者等の人材確保―などを盛り込んだ大会決議を採択した。
来賓からは、国土交通省の藤井直樹自動車局長らがあいさつ。藤井局長は、「トラック業界は課題が山積し厳しい環境にあるが、安全の確保に努め、日本の経済を支える使命を全うしてほしい」とした。
来賓あいさつの後、東北六県トラック協会連合会の須藤弘三会長が次回事業者大会は2017年10月3日に宮城県仙台市で開催予定であることを報告。最後に鳥取県トラック協会の菅埜元晴副会長の音頭で参加者全員による「ガンバローコール」を行い、閉会した。