物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2016年10月3日付 2627号

従来型ETC搭載車に対する大口・多頻度の割引率引き上げ、ETC2.0の普及踏まえ経過措置は年内終了  東日本・中日本・西日本高速

 東日本・中日本・西日本の各高速道路会社は9月29日、従来型ETC搭載車両に対する大口・多頻度割引の車両単位割引率引き上げの経過措置を年内で終了すると発表した。経過措置は、今年4月にETC2.0搭載車両に限って車両単位割引の割引率を10%引き上げる制度がスタートした際、従来型ETC搭載車両にも同様の割引率を半年程度を目途に適用してきたもの。

 10月以降の経過措置については、ETC2.0車載器の普及状況などを踏まえ、12月末で終了する。

 割引率は、車両1台当たりの1ヵ月の高速国道利用額によって異なり、例えば「3万円を超える部分」については、これまで従来型ETC搭載車両にもETC2.0搭載車両同様40%の割引率が適用されてきたが、来年1月以降は、従来型ETC搭載車両については割引率が30%となる。

アジア側の空港を利用したトルコ向け航空混載サービスを追加 配達日数・費用を削減  日通

 日本通運(渡邉健二社長)は9月27日、日本発トルコ・イスタンブール向けの航空混載サービスを、同国アジア側に位置するサビハギョクチェン国際空港を利用した「ANADOLU EXPRESS(アナドルエクスプレス)」として、9月からサービスラインアップに追加したと発表した。

 トルコにはボスポラス海峡を挟んで西のヨーロッパ側にアタチュルク国際空港、東のアジア側にサビハギョクチェン国際空港がある。自動車産業・医療機器製造業を中心に日系企業をはじめ世界各国のメーカーが進出し、その多くはアジア側の工業地区に拠点を構えているが、通常トルコ向け貨物は規模の大きいヨーロッパ側のアタチュルク国際空港に到着する。

 しかし、ボスポラス海峡周辺では交通渋滞が慢性的に発生し、アタチュルク国際空港到着以降の配達の定時制が保てないという課題が生じている。サビハギョクチェン国際空港を利用することで、緊急輸送や安定した輸送スケジュールが可能になるほか、空港到着以降の距離が短くなるので配達にかかる時間を最短で1日短縮し、配送費用を約20%程度削減することが可能となる。

 また、2016年6月にはアタチュルク国際空港での爆破テロが発生し、同空港向け直行便貨物が数日間受託停止となったが、サビハギョクチェン国際空港を利用した同サービスにより緊急貨物の納期内輸送を実現した。このようなBCP(事業継続計画)の一つとしての利用もあり得るとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、第31回全国フォークリフト運転競技大会
     優勝は渡辺選手(日通津運輸)、上位は僅差の接戦に
    ☆トナミ運輸労組が結成70周年、社会貢献や記念行事・福祉強化など各種記念事業を実施
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(67)『民進党のマニフェストを読んで驚いた(その4)』
    ☆四文字『問題の根深く「交通規制」』

  • ☆経団連が提言、農林水産物の輸出拡大には物流の高度化・効率化が不可欠
    ☆東ト協、教育研修施設開設や協会組織改善へ特別委の設置決める
    ☆茨城交通と常陸太田市が高速バスの貨客混載事業開始
    ☆物流連が講演会、気象予測活用した全体最適の取り組み 17年度事業化へ
    ☆厚労省が15年転職者実態調査、運輸業は65%が3年以内の転職者採用予定あり 全産業で転職者優先の割合最も高く
    ☆全流協が事故防止大会、MRI健診の講演会と各社の事例発表
    ☆全新潟運輸労組が定期大会、全16支部に女性執行委員配置へ
    ☆ヤマト運輸、バス3社と4路線で北海道でも貨客混載
    ☆ヤマトホームコンビニエンス、リサイクル法対象家電を全国一律料金で同社サービス利用時に同時回収する新サービスを提供開始
    ☆試験センター、本年度第1回運管試験の合格率は30%に
    ☆エコモ財団、リーダー研修会を開催
    ☆物流連が物流KPIセミナー開催、各社が先進事例など発表

今週のユソー編集室

  • ▼警視庁は9月16日、佐川急便の運転手が勤務中の駐車違反の身代わりで知人を出頭させた疑いがあるとして、道交法違反などの容疑で同社東京営業所などを家宅捜索した。
    ▼同社経営企画・広報部では「捜査に全面的に協力する」とコメントしているが、容疑が事実であれば弁解の余地はない。だが、一方で、駐車違反取り締まりの不条理さも、あらためて浮き彫りになったと感じる。
    ▼物流業界では以前から、この問題の改善を訴えてきた。「そもそも駐車スペースがない」「営業用車両を狙い撃ちにしている」「貨物用の駐車スペースに日常的に乗用車が止まっている」。事業者からは、そうした悲鳴にも似た声が挙がっている。
    ▼ネット上でのこのニュースに対するコメントを見ると、意外にも物流の重要性と取り締まりの問題点を指摘する声が、多数を占めている。物流業界は気後れすることなく、社会的インフラを担うものとして改善を訴えていくべきであろう。

戻る