JR貨物で共同輸送 製品管理を日通が担当 アサヒ・キリン協業拡大
アサヒビール(平野伸一社長)とキリンビール(布施孝之社長)は7月27日、金沢市に共同配送センターを開設し、鉄道コンテナによる共同輸送を開始すると発表した。来年1月から石川県での配送を開始し、秋口目途に富山県へとエリアを拡大する計画。
共同配送センターは日本通運(渡邉健二社長)が運営し、両社の製品(ビール類、ノンアルコール・ビールテイスト飲料、清涼飲料水等)を管理、配送は両社の物流子会社が行う。配送センターまでは、JR貨物(田村修二社長)がアサヒビール吹田工場とキリンビール神戸工場で製造した商品を関西~北陸間の往復輸送量の差により発生する空コンテナを有効活用し、鉄道で輸送する。
今回の協業を通じて年間1万台相当の長距離トラック輸送を鉄道コンテナにモーダルシフトし、年間約2700トンのCO2削減を見込んでいる。
アサヒビールとキリンビールは2011年8月から首都圏での小口配送、茨城・埼玉・長野・静岡4県の一部地域での空容器の回収を共同で実施してきた。一方、愛知県・滋賀県にある工場から届け先まで、200~300キロメートルのトラック配送を行っていたが、ドライバー不足等により、現行のトラック配送に替わる新たな物流体制の構築が共通課題との認識を共有、物流分野における協業拡大に向けて今回、日通とJR貨物の協力のもと、新たな物流モデルを確立し、社会的課題の解決に積極的に取り組むもの。
今後も非競争分野で両社が協業することにより、さらなる環境負荷の低減と持続可能な社会の実現に貢献していくとしている。