高校新卒等の人材確保対策でPR活動など促進、助成事業も実施 全ト協通常総会
全日本トラック協会(星野良三会長)は6月30日、東京都港区の第一ホテル東京で通常総会を開催し、貸借対照表・正味財産増減計算書等2015年度計算書類(決算)を承認するとともに、15年度事業報告書や準中型免許導入に伴う高校新卒者等の人材確保対策などについて報告した。人材確保対策では準中型免許の取得・高校へのPR活動・業界への啓発活動の促進を図る。
冒頭あいさつで星野会長は熊本地震での緊急物資輸送、義援金募金への協力方に感謝の言葉を述べた上で、人手不足が今後とも続くとして、人手確保に向け荷主に対する強気な経営姿勢を求めるとともに、ドライバー等の待遇改善を図り、若い人が大勢入ってくるような業界となるよう、皆さんとともに頑張っていきたいと述べた。高校新卒者等の人材確保対策は、来年3月中旬にも施行予定の準中型免許取得を促進するため、全ト協が高校生向けPRパンフレットを作成・配布するほか、準中型免許取得に対する助成を実施する。
また高校生へのPR活動促進では都道府県ト協が行う人材確保支援事業に対する助成、事業者が行うインターンシップに対する助成を実施。さらに全ト協でのインターンシップ募集サイトの整備、全ト協や都道府県ト協による初任運転者に対する充実した教育訓練やPRの実施、国土交通省、都道府県ト協による運転者不足解消に向けた高校への協力要請などに取り組む。
募集サイトの整備は「インターンシップ受入事業者募集サイト」として3月に開設。高校新卒者等の採用促進を図るための一助として、物流業界への理解とイメージアップを図ることを目的に、全ト協ホームページに高校生や大学生へのインターンシップ受け入れが可能な企業に対し、募集サイトを開設したもの。この登録サイトを利用し、高校以上の教育機関からインターンシップを3日間以上受け入れた企業に対し、期間に応じて9万円から13万円を助成する。また高校以上の教育機関に、物流出前授業や業界説明会、物流施設見学会など人材確保に関する支援事業を実施する都道府県ト協に対し、50万円を上限にその経費の一部を助成する。ともに4月に募集を開始した。6月からは全国高等学校長協会・全国自動車教育研究会加盟校に対し、募集サイトの周知や高校生向けPRパンフレットを配布している。
トラック業界への啓発活動では全ト協、都道府県ト協による人材確保セミナーの実施、スマホ対応のホームページの整備や労働条件の見直し・環境整備などを推進していく。役員改選期ではないが、都道府県トラック協会の代表変更等に伴う理事・監事の選任等では、所属ト協会長を退任した坂本克己、嶋田康子の両副会長は、星野会長推薦により、引き続き副会長を務めていく。また齋藤直也常務理事が退任し、新常務理事に永嶋功審議役が選任された。
報告事項では、熊本地震の熊本、大分両トラック協会における被害状況や全ト協との対応、各ト協に募った義援金・見舞金が当初目標の5千万円を大幅に上回る9300万円が寄せられ、会場で両ト協に目録が贈呈された。