物流・輸送の専門紙、輸送新聞はこれからも輸送産業の発展に貢献してまいります。

文字サイズ

2016年5月30日付 2611号

第17回物流環境大賞を発表、大賞に川崎近海汽船他 記者会賞に濃飛倉庫運輸他  物流連

 日本物流団体連合会(工藤泰三会長)は26日、第17回物流環境大賞の受賞者を発表した。大賞には日本気象協会、ネスレ日本、川崎近海汽船の案件が選ばれた。また、今回から新設された日本物流記者会賞には、濃飛倉庫運輸、しまむら、JR貨物・インターナショナル(現日本フレートライナー)の案件が選ばれている。

 表彰式は6月27日の物流連定時総会で行われる。各賞の受賞者と受賞テーマは次のとおり。

 【物流環境大賞】
 ◎日本気象協会、ネスレ日本、川崎近海汽船『需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流(モーダルシフト)プロジェクト』

 【物流環境保全活動賞(2件)】
 ◎センコー『酒類販売チェーン店向け集積センター設置による混載集荷および鉄道輸送の取り組み』
 ◎ヤマト運輸『路線バスを活用した宅急便輸送「客貨混載」』

 【物流環境啓蒙(けいもう)賞(1件)】
 ◎グローバル・ロジスティック・プロパティーズ『世界最高水準の環境とBCPに配慮した物流施設の開発と普及』

 【物流環境負荷軽減技術開発賞(4件)】
 ◎井本商運『540TEU型国内最大内航コンテナ船“なとり”(世界初の球状船首・省エネ型コンテナ船)就航』
 ◎オーシャントランス『大幅省エネ効果が認められる大型カーフェリー船4隻の代替建造』
 ◎日東電工、日東ロジコム『「GENEQ SHIELDロジスティクスシステム」を使用した「Hybridコンテナ」によるCO2削減』
 ◎日本郵船、京浜ドック、ウィングマリタイムサービス『日本初のLNG燃料船「魁」の竣工が導くLNGへの燃料転換』

 【物流環境特別賞(2件)】
 ◎日本コンテナ輸送『コンテナラウンドユースによるCO2排出量の削減』
 ◎日本通運『空コンテナ輸送の削減によるC^nO2削減、安定的な輸送戦力の確保、コスト削減への取り組み~「日通コンテナマッチングセンター」設立によるコンテナラウンドユースプロジェクト~』

 【日本物流記者会賞(1件)】
 ◎濃飛倉庫運輸、しまむら、ジェイアール貨物・インターナショナル(現日本フレートライナー)、日本高速輸送『「同一の海上コンテナ」による「国内転用」と「ラウンドユース」を組み合わせた取り組み』

 このうち大賞を受賞した川崎近海汽船の事例は、要旨次のとおり。
 ネスレ日本は自社製品のペットボトルコーヒーの消費量が気温に大きく左右されることから、日本気象協会が昨年来開発した「2週間先の気温情報」を活用することで、輸送計画の早期かつ綿密な策定が可能となり、その結果、内航海運を活用した出荷計画が立てやすくなり、モーダルシフトの増量が可能となった。

 海上輸送を担う川崎近海汽船も船舶の運航に高精度・高解像度の気象海象情報を活用し、当日の気象海象に合わせた最適な航路を選択することにより、経済的な運航を実現した。これらにより船舶使用頻度を向上させ、CO2排出量削減を達成、環境負荷軽減に貢献する仕組みを確立した。

関連会社3社を合併し香港ヤマト運輸設立 海外事業の成長加速  ヤマトHD

 ヤマトホールディングスは6月1日、香港の関連会社3社を合併し、「香港ヤマト運輸」を設立する。海外事業の成長加速に向けた経営の効率化やワンストップサービスの提供が狙い。

 現在、香港には宅急便事業の「香港ヤマト運輸」、フォワーディング・ロジスティクス・国際引越の「香港ヤマト国際物流」、決済事業の「香港ヤマトペイメントサービス」の三つのヤマトホールディングスグループ関連会社がある。

 合併は、アジア有数のビジネスハブである香港で、顧客のニーズにタイムリーにグループ各社の機能をワンストップで提供することなどを目的に実施するもので、香港ヤマト国際物流を存続会社とする。

 社長は久家大四郎現香港ヤマト国際物流董事長で、資本金は9420香港ドル(約14億4100万円)。合併は6月1日で、各種手続き完了後、6月8日に香港ヤマト国際物流を「香港ヤマト運輸」に社名変更する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集 2016年度日通グループ全国ドライバー・フォークリフト大会
     高い技術・知識披露 ドライバー49選手、フォークオペレーター56選手が出場
    ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か(59)「マイナス金利政策の功罪(その3)」
    ☆日中ビジネスワンポイント『言葉遣いの変化』
    ☆人物ウイークリー、ヤマトオートワークス・江頭哲也代表取締役社長

  • ☆鉄貨協、16年度定時総会を開催 エコレールマークが県立高校入試で出題されたことなど報告
    ☆トナミ労組、結成70周年を記念し9月に式典開催 「トナミの森」事業など計画
    ☆エコモ財団、グリーン経営リーダー研修会を開催 実践事例として往復輸送や21メートルフルトレーラーをサントリーロジ・日梱が発表
    ☆JIFFA、15年度下期国際輸送実績 輸入が7期連続プラスに
    ☆厚労省が15年の労災発生状況を公表、陸運事業の死亡・死傷災害ともに減少に転じる
    ☆千葉ト協、13~15年度3年間で237社が新規に入会 入会促進活動の成果
    ☆千葉ト協理事会、会長候補に角田副会長 15年度の会員数は過去最高1822社に
    ☆通常総会を開催、樋口支部長を再任
    ☆物流連、本年度1回目の海外戦略WT開く
    ☆ヤマト運輸・楽天、「ラクマ定額パック」のファミマでの発送受付を開始
    ☆ヤマト運輸・宮崎交通、「客貨混載」第2弾として新たに2路線で開始
    ☆日通NECロジ、タイ法人の5拠点が品質国際認証を取得
    ☆日本ロジテム、カンボジアに現地法人を設立へ
    ☆日立物流、戦略的資本業務提携に基づき佐川急便株20%取得へ
    ☆国交省が首都圏の新高速料金制度実施1ヵ月の効果公表、渋滞による損失時間1割減
    ☆自動車技術会、人とくるまのテクノロジー展で最新技術をアピール

今週のユソー編集室

  • ▼先週は三重県でG7伊勢志摩サミットが開催され、米・英・仏・独・伊・加の各国首脳およびEU首脳が来日し、世界経済などについて話し合いが行われた。
    ▼サミットではアウトリーチ会合も開催され、ベトナム・インドネシアなどのアジア諸国や、アフリカ連合議長国であるチャドの首脳らも招待された。日本でのサミット開催は、2008年の北海道・洞爺湖サミット以来8年ぶりのことだ。
    ▼世界中で頻発するテロへの警戒から、日本でも大規模な交通規制が敷かれ、ヤマト運輸・佐川急便・日本郵便など宅配各社が、荷物の配達遅延などの影響が予想されることを、ホームページ上で訴えていた。
    ▼G7の日本以外の各国は、いずれも移民・難民問題で悩みを抱えている国々だ。せっかくなのだから、将来的に移民・難民の受け入れを拡大せざるを得ない人口減少社会の日本で、どのような取り組み・気構えが必要なのか、しっかりと聞いておいてほしい。

戻る