第17回物流環境大賞を発表、大賞に川崎近海汽船他 記者会賞に濃飛倉庫運輸他 物流連
日本物流団体連合会(工藤泰三会長)は26日、第17回物流環境大賞の受賞者を発表した。大賞には日本気象協会、ネスレ日本、川崎近海汽船の案件が選ばれた。また、今回から新設された日本物流記者会賞には、濃飛倉庫運輸、しまむら、JR貨物・インターナショナル(現日本フレートライナー)の案件が選ばれている。
表彰式は6月27日の物流連定時総会で行われる。各賞の受賞者と受賞テーマは次のとおり。
【物流環境大賞】
◎日本気象協会、ネスレ日本、川崎近海汽船『需要予測の精度向上・共有化による省エネ物流(モーダルシフト)プロジェクト』
【物流環境保全活動賞(2件)】
◎センコー『酒類販売チェーン店向け集積センター設置による混載集荷および鉄道輸送の取り組み』
◎ヤマト運輸『路線バスを活用した宅急便輸送「客貨混載」』
【物流環境啓蒙(けいもう)賞(1件)】
◎グローバル・ロジスティック・プロパティーズ『世界最高水準の環境とBCPに配慮した物流施設の開発と普及』
【物流環境負荷軽減技術開発賞(4件)】
◎井本商運『540TEU型国内最大内航コンテナ船“なとり”(世界初の球状船首・省エネ型コンテナ船)就航』
◎オーシャントランス『大幅省エネ効果が認められる大型カーフェリー船4隻の代替建造』
◎日東電工、日東ロジコム『「GENEQ SHIELDロジスティクスシステム」を使用した「Hybridコンテナ」によるCO2削減』
◎日本郵船、京浜ドック、ウィングマリタイムサービス『日本初のLNG燃料船「魁」の竣工が導くLNGへの燃料転換』
【物流環境特別賞(2件)】
◎日本コンテナ輸送『コンテナラウンドユースによるCO2排出量の削減』
◎日本通運『空コンテナ輸送の削減によるC^nO2削減、安定的な輸送戦力の確保、コスト削減への取り組み~「日通コンテナマッチングセンター」設立によるコンテナラウンドユースプロジェクト~』
【日本物流記者会賞(1件)】
◎濃飛倉庫運輸、しまむら、ジェイアール貨物・インターナショナル(現日本フレートライナー)、日本高速輸送『「同一の海上コンテナ」による「国内転用」と「ラウンドユース」を組み合わせた取り組み』
このうち大賞を受賞した川崎近海汽船の事例は、要旨次のとおり。
ネスレ日本は自社製品のペットボトルコーヒーの消費量が気温に大きく左右されることから、日本気象協会が昨年来開発した「2週間先の気温情報」を活用することで、輸送計画の早期かつ綿密な策定が可能となり、その結果、内航海運を活用した出荷計画が立てやすくなり、モーダルシフトの増量が可能となった。
海上輸送を担う川崎近海汽船も船舶の運航に高精度・高解像度の気象海象情報を活用し、当日の気象海象に合わせた最適な航路を選択することにより、経済的な運航を実現した。これらにより船舶使用頻度を向上させ、CO2排出量削減を達成、環境負荷軽減に貢献する仕組みを確立した。