多摩ニュータウンで一括配送や家事代行などのくらしサポート開始 ヤマトHD
ヤマトホールディングス(山内雅喜社長)は4月28日、都市再生機構(UR都市機構、上西郁夫理事長)と東京都多摩市(阿部裕行市長)と連携し、地域のコミュニティーづくりや他社商品まで含めた宅配便の一括配達・買い物代行・家事サポートなど、多摩ニュータウン(諏訪・永山・貝取・豊ヶ丘エリア)居住者の生活利便性向上を目指す、くらしのサポートサービスを開始した。
昨年7月に国土交通省の「地域を支える持続可能な物流ネットワークの構築に関するモデル事業」の対象5地域のうちの一つに選定されたことを受けて、9月に関係者による協議会を設立、サービス内容など具体的な検討を進めてきたもの。
対象となったのは、1971年から始まった多摩ニュータウンの第1次入居が行われた地域で、団地が大部分を占めており、約2万2千人が暮らしている。住民の高齢化が進み、買い物や外出の困難など、初期に開発された近郊都市特有の課題も顕在化しつつあった。
ヤマトHDは貝取と永山に二つの拠点「ネコサポステーション」を設け、市や地域の情報を発信するなど、地域住民のコミュニティー拠点として機能させるほか◎宅配便の一括配送◎買い物代行・買い物品配達◎家事サポート―などのサービスを提供する。「ネコサポステーション」の設置はヤマトHD初の試みで、ビルなどの館内物流を除く都市内の宅配便の一括配送は、業界初の試み。「ネコサポステーション」の営業時間は午前9時~午後6時で、受付や一括配送のスタッフには、地域住民を積極的に活用していく方針。
一括配送は、ヤマト運輸のほか佐川急便・日本郵便の宅配荷物が対象。該当エリアの配達荷物を「ネコサポステーション」に集約し、ここから一括して配送する。豊ヶ丘エリアと永山エリアの一部で開始し、貝取・諏訪エリアに順次拡大させていく。各社が荷送人に向けて提供する配達完了情報は、実際の配達完了時に反映できるようシステムを連携させている。
このほか「ネコサポステーション永山」の前にはオープン型の宅配ボックスを設置し、時間外でも荷物が受け取れるようになっている。宅配ボックスの利用にはヤマトグループの会員制サービス「クロネコメンバーズ」への登録が必要なことから、利用は宅急便のみに限られる。
買い物代行は、ヤマト運輸が電話・ウェブ・拠点での対面で注文を受け付け、購入品を店舗から集荷、ヤマト運輸の多摩支店で仕分した上で「ネコサポステーション」を経由し自宅まで配送する仕組み。5月9日から「コープみらい貝取店」を対象にサービスを開始し、当面は注文の翌日配達を基本とする。料金は商品1点当たり税込み20円。将来的にはドラッグストアやホームセンターなどへ拡大させていく考え。
買い物品配達は、地域の小売店から自宅まで、購入品を当日中に配達する。
家事サポートは、ヤマトグループのヤマトホームコンビニエンスが提供する掃除などのサービスのほか、UR都市機構グループの日本総合住生活が提供する修繕・リフォーム・生活支援サービスJSリリーフの紹介も行い、両グループが連携して生活支援を展開していく構え。
このほか、ヤマト運輸と多摩市は「多摩市地域見守り活動に関する協定」と「道路損傷等による危険箇所の情報提供の協力に関する協定」の二つの協定を締結。居住者の元気確認や道路損傷の報告を行い、生活の安心サポートを行っていく。