運転従事者脳MRI議員立法案、問題多く引き続き議論へ 自民党3議連が全ト協等3団体からヒアリング
道路運送事業者等に脳MRI検診等による運転者の健康管理を義務付ける超党派の議員連盟による議員立法化の動きが具体化しつつある中で、自民党のバス議員連盟、ハイヤー・タクシー議員連盟、トラック輸送振興議員連盟は10日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で3議連役員合同会議を開催。全日本トラック協会、日本バス協会、全国ハイヤー・タクシー連合会から問題点などについてヒアリングしたが、意見交換の中では種々問題点があるとして次回引き続いて議論していくこととした。
ハイ・タク議連の金子一義会長に続きあいさつしたトラック議連の木村太郎幹事長は、対象が「なぜハイ・タク、バス、トラックだけなのか、またなぜ脳だけなのか」と疑問点を示し、脳に特化した視点で議論するのではなく、幅広い視点から議論していくべきと述べた。
「運転従事者の健康と安全を守るための脳MRI検診推進超党派議員連盟」の福井照副幹事長から議員立法案の説明を受けた後、事業者団体からのヒアリングでは全日本トラック事業政治連盟の坂本克己会長ら3団体の代表が問題点等を述べた。3団体では、運転者の健康起因事故防止の法制化にあたって次の3項目を要望した。◎厚労省含め医学的知見を踏まえた調査研究を行い、健康起因対応について必要なスクリーニング項目の検証および脳MRI診断、心臓ドック、人間ドックのガイドライン作成◎動脈瘤(りゅう)等疾患が発見された場合、自動車運転者雇用事業主としてのとるべき対応のガイドライン◎補助・助成制度についての厚労省交えた検討、例えば脳MRI診断、心臓ドック診断等二次健康診断の検査項目の対象に。
国土交通省、厚生労働省の考えも聞いた上で、意見交換を行った。この中では脳MRI検診でどこまで分かり、問題ある人が出た場合、それがどの程度の事故につながるのか、など医学的知見がどこまであるのか、助成費用等どうするのか、などの問題点が指摘された。
議員立法案(道路運送法及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律案)では、「事業用自動車の運転者が疾病により安全な運転ができないおそれがある状態で事業用自動車を運転することを防止するために必要な措置を講じなければならない」等の条文を新たに盛り込む予定。