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2016年1月25日付 2595号

マレーシア宅配大手GDEX社と提携 ネットワーク早期構築へ  ヤマトHD

 ヤマトホールディングス(山内雅喜社長)は21日に開催した取締役会で、マレーシアの大手宅配企業「GD Express Carrier」(GDEX社、テオン・テック・リーンCEO)と業務・資本提携することを決めた。
 
 GDEX社はセランゴール州に所在し、マレーシア証券取引所に上場する、マレーシア宅配市場で売り上げシェア2位の運送事業会社。マレーシア全土のデリバリーネットワークを保有しており、国内の企業間の小口配送に強みを持っている。従来からマレーシアヤマト運輸(YTM)が展開するロジスティクス事業の委託先となっていたが、全国配送網と品質の面から評価され、資本・業務提携に至ったもの。
 資本金は6181万6千マレーシアリンギット(RM、約16億5600万円)、2015年6月期の売上高は1億9700万RM(約52億7800万円)、営業利益は3100万RM(約8億3千万円)の規模。
 
 具体的な提携の内容は次のとおり。
 【業務提携】
 ①YTMの未カバーエリアにおけるGDEX社の全国ネットワークとの連携による切れ目のないサービス提供。
 ②マレーシア国内の幹線輸送の共有化による両社の経営効率の向上。
 ③シンガポール・マレーシア間のクロスボーダー物流における連携。
 ④マレーシアを起点とする東南アジア各国への展開拡充に向けた補完的な協力。
 【資本提携】
 ヤマトアジアが、GDEX社が2月に実施する第三者割当増資を引き受ける。効力発生後、既存株主から株式を取得し保有比率を23%まで引き上げ、早期に持分法適用関連会社とする予定。第三者割当増資の引受価額総額は2億1731万5千RM(約58億円)、引き受け後の保有比率は9.1%。ヤマトアジアからGDEX社へ取締役1人を派遣する。
 YTMはマレーシア国内で、クール宅急便や宅急便コレクトなど付加価値商品を含む宅急便サービスを展開しているが、サービスエリアは西海岸の主要都市に限られ、人口でみると50%弱のカバー率となっている。今回の提携では宅急便の配達業務も委託され、マレーシア全土をカバーする配送網が確立される。一方で全国配送網確立の時期や付加価値商品の委託については、現段階では未定としている。
 
 ヤマトグループは10年からアジア各地に宅急便サービスを展開し、アジア地域での事業を拡大している。東南アジアではTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の大筋合意やAEC(ASEAN経済共同体)の発足により、貿易の活発化や域内物流の飛躍的な拡大に期待が集まっている。ヤマトHDでは、この地域全体をつなぐラストワンマイルを強みとした物流サービスで確固たる地位を早期に確立するため、業務提携やM&Aを積極的に実施する方針を掲げており、今回の資本・業務提携はその一環と位置付けている。

ゆうパック配達などSGローソンに委託 7月まで試行的実施  日本郵便

 日本郵便(髙橋亨社長)は26日から、東京都世田谷区の世田谷郵便局受け持ちエリアの一部で、SGローソン(野辺一也社長)にゆうパック配達等の委託を試行的に実施する。SGローソンがローソンの店舗を拠点として台車等でゆうパックを配達する。不在で持ち戻った場合、利用者の申し出によりローソンの店舗で24時間受け取ることが可能となる。
 
 試行期間は7月31日までで、エリアは東京都世田谷区駒沢4丁目、店舗はローソン駒沢公園通り店(東京都世田谷区駒沢5の25の7)。100サイズ以下を対象とし、代引きや保冷等は対象外。
 
 店舗受け取りの専用コールセンターを設置し、不在票に連絡先を添えて電話で受け付ける。不在により持ち戻った翌日の「2日目配達」以降、8日間コンビニ店舗で保管し、9日目までに受け取りがない場合は差出人に返還される。

 日本郵便では1日40個程度の委託を見込んでおり、世田谷郵便局受け持ちエリアで配達する6~7割に相当する。同社では配達チャネルの一つとして選択肢を増やし、利用者の利便性向上につなげていく方針。

今週掲載トピック一覧

  • ☆運輸・交通両労連委員長に聞く 2016春闘展望
    ☆アベノミクス物流にとって「吉」か「凶」か(51)『原油価格の行方は?』
    ☆四文字『今は昔?「燃料問題」』
    ☆日中ビジネスワンポイント『申年の祝福語』
    ☆道『国際化に至る道半世紀』(16)
    ☆物流業界の新年会

  • ☆交通労連、中央委開催 16春闘方針決める「労働力不足解消のためにも、組合員の期待に応える」
    ☆陸災防、フォークリフト荷役技能検定結果発表 全国で96人が受験し2級合格率は48%
    ☆物流連、第2回物流業界研究セミナー開催 学生800人が参加し会員34社が概要説明
    ☆佐川急便、「GOAL」の新サービスとしてコンサル業務開始 物流の全体最適提供
    ☆全ト協、「引越事業者優良認定制度」でACAPから「消費者志向活動章」受章
    ☆中企庁、下請等中小企業の取引改善調査実施 大企業は2月中旬までに回答を求める
    ☆全ト協、引越繁忙期対策強化し安心マーク事業者優先利用や分散引越呼びかけ
    ☆センコー、バルクコンテナ輸送強化のため千葉県袖ケ浦市にケミカル物流の新拠点開設
    ☆日立物流ファインネクスト、茨城県古河市内に首都圏ケミカルセンターを開設 内陸型危険物取り扱い物流施設で国内最大級
    ☆東ト協、第6回理事会開催 組織統治など再点検のためのガバナンス小委員会設置
    ☆SBSHD、グループのGマーク認定事業所が116事業所に増加 取得率83%に向上
    ☆SG佐川ベトナム、ベトナム・ドンナイ省に大型物流施設を起工 延べ床2万9千平方メートル
    ☆ヤマト労組が春闘討論集会、チェック機能強化の取り組みを各支部に要請
    ☆国交省・秡川貨物課長、日貨協連の新春講演会で業界の現状と課題について講演
    ☆ヤマト運輸・ANACargo・三重県、県産品の販路拡大協定締結 18日に調印式行う
    ☆国交省、広域物資拠点認定の倉庫等に非常用発電設備等補助 3度目の募集開始
    ☆佐川急便が「スマート納品」で配達情報サービスを開始、到着荷物を事前通知
    ☆訃報・大髙一夫東京都トラック協会会長

今週のユソー編集室

  • ▼産業能率大学が、このほど従業員6~300人の中小企業経営者に対して行った「2016年中小企業の経営施策」の結果が、日本の人材不足の深刻さを浮き彫りにしている。
    ▼「16年の経営活動に影響しそうな要因」という設問では、「人材の不足」との回答が35%で最多となり、業種別では「運輸業」が59%で突出して多く、2位の「飲食業・宿泊業」を12ポイントも引き離している。
    ▼その2業種以外に「人材不足」を回答に挙げた割合が高い業種は「サービス業」の46%、「医療・福祉」の43%、「情報通信業」「建設業」の42%、「金融・保険業」の39%となっており、13に分類されている業種のうち、実に7業種が「人材不足」を強く感じているようだ。
    ▼「運輸業」が突出して高いという結果は、残念ながら想定の範囲内だろう。今後さらに激しさを増していく「人材確保」の闘いの中で、「運輸業」の労働条件改善の取り組みの重要性が、一層クローズアップされている。

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