トラックの安全強化へ、準中型免許創設にらみ運転者教育の充実など総合的対策示す 国交省・全ト協
国土交通省と全日本トラック協会は連名で6月26日、準中型免許の創設を含む改正道路交通法が6月11日に成立したことなどを踏まえ、運転者指導・監督の強化や教育の充実などを盛り込んだ「貨物自動車の総合安全対策」を策定した。
対策メニューは①交通事故の実態分析を踏まえた機動的な対策の実施②車両安全対策③運行管理用等機器普及拡大④トラック運転者への指導・監督の強化および教育の充実等―。
実態分析を踏まえた機動的な対策では、事業用トラック1万台当たりの死亡事故件数(死亡事故率)が4.0(全国平均は3.0)を超える自治体を中心に全ト協が年度ごとに重点自治体を定めて死亡事故率の低い自治体の対策を水平展開するとともに、全国統一の死亡事故率目標2.0の達成に向け各種対策の推進を図る。
また、これまで全ト協が1年単位で集計していた事故情報を4半期ごとに集計することにより、年度途中で発生状況の変化を踏まえた機動的な対策を打ち出す。さらに、昨年6月に発足した「事業用自動車事故調査委員会」から再発防止策の提言を受け、必要な対策を行う。
車両安全対策については、衝突被害軽減ブレーキの装着義務の対象拡大を進めるとともに、車両安全性制御装置、車線逸脱警報装置などについても補助制度や税制特例による早期普及を促進する。
運行管理用等機器普及拡大については、運行記録計について、最大積載量4トン以上のトラックでは使用過程車を含め2017年4月までに装着義務化し、生体センサーやクラウドなどを活用した「次世代運行管理・支援システム」についても検討する。
また、ドライブレコーダー(ドラレコ)から得られたデータの安全指導への活用を進めるため、全ト協が手引やマニュアルなどの活用ツールを作成し、必要に応じてセミナーなどを開催する。
トラック運転者への指導・監督の強化および教育の充実については、国交省で初任運転者向けマニュアルを新たに作成するとともに、全ト協でテキストやドラレコ映像を用いた教育ツールを整備し、運行管理者などによる運転者教育のさらなる向上や運転者の自主学習の促進を図る。