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2015年4月6日付 2559号

災害に強い物流システム構築で14年度の民間物資拠点は全国1203施設をリストアップ  国交省

 国土交通省はこのほど、災害に強い物流システムの構築に向けた2014年度の取り組み概要を公表。民間物資拠点のリストアップは約1年間で34施設増加の1203施設となったほか、都道府県とトラック協会・倉庫協会との物流専門家派遣協定も8件増えて55件となった。

 国交省では、東日本大震災を踏まえ、地域ごとに地方自治体、有識者、事業者団体などの関係者からなる協議会を開催し、民間物資拠点のリストアップや官民の協力協定締結促進など、災害に強い物流システムの構築に向けた取り組みを行っている。14年度は、これまでの取り組みに加え、地方自治体の災害担当職員などを対象とした「災害物流研修」を実施したほか、荷主と物流事業者が連携したBCP(事業継続計画)策定促進のための検討や支援物資物流に関する広域的訓練などを実施した。

 2月末現在、民間物資拠点のリストアップは1203施設で、最も件数の多いブロックは関東の255施設。以下、中部の212施設、北海道の175施設、近畿の140施設、九州の137施設、東北の117施設、北陸信越の84施設、中国の41施設、四国の34施設、沖縄の8施設の順。

 また、各都道府県とトラック協会との輸送協定は46件が締結済みで、このほかに1件締結に向けた協議を進めている。倉庫協会との保管協定は31件で、加えて11件が締結に向け協議中。

ボンバルディア社から新型航空機の主翼輸送を受注、日系企業では初  英国日本通運・カナダ日本通運

 日本通運は3月27日、英国日本通運(野田健司社長)とカナダ日本通運(佐竹陽一社長)がカナダの航空機企業ボンバルディア社から、新型航空機Cシリーズの主翼部分の輸送を日系物流企業として初めて受注したと発表した。

 今回受注したのは英国・北アイルランドベルファストの主翼製造工場からカナダ・ケベック州ミラベルの最終組み立て工場までの一貫輸送業務。Cシリーズは、最新技術を導入した経済性の高い中型航空機として各国の航空会社から注目され、すでに量産が始まっている。最終組み立てはカナダのミラベルの同社工場で行われており、発地は英国日通が、着地はカナダ日通が担当。一貫輸送による最適な輸送方法、輸送時間、コストモデルを提案し、日通グループのグローバルロジスティクスのノウハウと輸送品質、提案内容が高く評価され、今回の受注が実現したとしている。

 日通グループは、航空機輸送のノウハウをさらに充実し、航空機産業の高品質物流サービスを提供していく方針。

今週掲載トピック一覧

  • ☆インタビュー、日通商事・澁澤登社長『日通商事の国際事業戦略』
    ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か(36)、『ピケティはアベノミクスを批判しているのか』
    ☆日中ビジネスワンポイント『上海家族との九州の旅』(2)

  • ☆国交省の田端自動車局長が会見、貨客混載の試行は本年夏ごろ目途に開始
    ☆全ト協、燃料供給施設補助の申請受け付けは5月29日まで延長
    ☆東ト協連の運賃動向調査、トラック運転者は6割超が「不足」と回答
    ☆ヤマトシステム開発・NTTデータ、地方自治体向けにマルチバンク対応のネット講座振替契約サービス開始
    ☆全国通運の杉野社長が会見、31フィートコンテナ増備し元請け事業さらに強化へ
    ☆全ト協調査、ドライブレコーダー普及への課題は低下価格化など
    ☆日通総研の2015年貨物輸送見通し改定版、一般貨物は堅調と予想
    ☆メキシコ日通商事、1日から本格的営業開始
    ☆国交省・全ト協がトラック重大事故のデータ集計、左折時の死亡事故は左方自転車が約7割に
    ☆東ト協が公認支部発足式、支部を内部組織化し名実とも一体運営に
    ☆試験センター、第2回運管試験・貨物の合格率は前回14%から37%に回復
    ☆SBSHD、星光堂の物流子会社と業務受託など合意☆
    ☆物流連、大規模施設建築への提言書を国交省・羽尾物流審に提出
    ☆全ト協・日貨協連、3月WebKITは荷物情報が前月比30%増

今週のユソー編集室

  • ▼ヤマト運輸は1日、横浜市にある複合コンベンション施設のパシフィコ横浜に、館内物流の総合マネジメントを行うセンターを設けた。ここでは梱包資材の一時預かりなど国内初のサービスも提供するという。
    ▼同様のサービスは佐川急便でも行っており、東京スカイツリータウンなど大型複合施設を中心に、すでに複数の案件を手がけている。さらに同社では、館内どころか東京都心の物流コーディネートも行っている。
    ▼一方で、物流に配慮がない施設が多数存在することも事実だ。そうした施設では、館内の高さ制限で貨物車が入れない、駐車スペースが足りないなど、さまざまな不具合が生じ、周辺の交通環境を悪化させている。
    ▼日本物流団体連合会は先ごろ、設計段階から物流関係者が関与するよう、大規模建築物に関する提言を行った。東京五輪を迎えようとする今だからこそ、館内物流の効率化はハード・ソフト両面で進めることが求められている。

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