自動車CANデータをデジタコに活用を 国交省の次世代運行管理・支援システム検討会
国土交通省は23日、東京都千代田区の同省で「次世代運行管理・支援システムについての検討会」の第2回会合を開き、事業用自動車向けの次世代運行記録計開発に関するデジタルタコグラフメーカーに対するアンケート結果などを報告。現在、自動車メーカーが整備以外で提供を行っていない自動車CAN(コントローラエリアネットワーク=速度やエンジン回転などの自動車の制御情報に関する転送規格)データをデジタコに活用できれば機器の取り付け工賃が低減する可能性があるとの指摘が得られたことが分かった。
現在のデジタコは、速度では車軸の回転数を基にパルスによって機器に転送・入力するなど、パルスによる情報入力が主流となっているが、自動車に搭載されているCANデータをデジタコに直接活用できれば、情報の精度が高まるとともに、機器や取り付け工賃の低減が見込まれる。
しかし、自動車メーカーは、安全面への配慮などを理由にCANへのアクセスは整備目的に限るとの立場を取っている。これは、安全面の理由のほか、燃費など自動車ごとのマーケット情報が含まれていることも大きな理由であるとの見方もある。加えて、CANデータの規格が自動車メーカーごとに異なっていることも、デジタコへのCANデータ活用の障害になるとみられている。
欧州ではすでに2001年、車両メーカー4社で車両データの共通プロトコルに合意。02年に2社が加わり、多くの車両で、CANとは別に「FMSコントロールユニット」を設置し、限定された車両情報を取り出すことができるようになっている。
検討会では来年度、アンケート結果などを踏まえ、CANデータ取得の実現可能性やデジタコ技術基準の見直し、データの送信方法などの検討を行う。6月に第3回会合を開き、10月には第4回会合で課題に対するあり方の素案を提示、来年2月に取りまとめを行う計画。