宅急便に2つの新商品、小さな荷物拡充し増加するネット通販に対応 ヤマト運輸
ヤマト運輸(山内雅喜社長)は3日、宅急便の新商品「宅急便コンパクト」と「ネコポス」のサービス内容を発表した。現行の宅急便最小サイズ(60サイズ)を下回る二つの商品を用意し、今後も成長が見込まれるネット通販の小物商品に対する利便性を向上させることが狙い。また宅急便の全国一律料金・投函サービスを新設することで、本年度末で廃止となるクロネコメール便の代替的な利用も可能になる。宅急便のサイズ拡充は21年ぶり。発売は4月1日。
同日東京都千代田区の国土交通省で会見した山内社長は、「新商品は、増え続ける小さな荷物を、より便利・確実・リーズナブルに送るために開発したもの」と述べ、先日発表した「クロネコDM便」がメール便の代替サービスの性格を持っているのに対し、今回発表した新商品はリードタイムなどサービス水準を宅急便レベルまで向上させ、ネット通販貨物のさらなる取り込みを狙っている点を強調した。新商品の概要は次のとおり。
【宅急便コンパクト】
◎荷送人=法人・個人を問わない。
◎利用条件=直営店・取扱店で販売する箱状の「専用BOX」か、封筒状の「専用薄型BOX」でのみ取り扱う。BOX料金は1枚65円。
◎料金=地帯別の宅急便コンパクト運賃に専用BOX料金を加算。個人客にはクロネコメンバー割、デジタル割、持ち込み割の割引サービスがある。関東発着の場合、割引なしだと659円、割引がすべて適用になると419円。現行最小60サイズと比較すると、97~337円割安。
◎発送・配達=発送はSDによる集荷または直営店・取扱店への持ち込み。夏前にはコンビニでの取り扱いも開始する予定。配達は一部を除き全国翌日で、原則SDが対面して行う。時間帯指定や店頭受け取りサービスが利用可能。
◎その他=荷物追跡、各種メール通知サービスが利用可能。着払い、クール、コレクトは今後対応を検討する。
【ネコポス】
◎荷送人・内容物=同社と契約した法人、団体、個人事業主。または同社と契約のある個人間取引サイトを利用した個人。内容物は通販関連商品やサンプル品、サイトで取引した商品などの物品。
◎利用条件=法人等については事前の契約、同社が提供する送り状発行システムと専用の送り状ラベルが必要。個人間取引はサイト上での送り状発行等が必要。
◎料金=全国一律。法人等については数量により相対。上限は税込み378円で、月間100個程度発送する場合は200円台半ば。個人間取引はサイトにより異なる。
◎発送・配達=発送はSDによる集荷または直営店への持ち込み。法人等はコンビニでは取り扱わない。個人間取引はコンビニでも取り扱えるよう拡大する予定。配達は一部を除き全国翌日で、原則SDが投函する。事前に送り主が登録した場合、受取人へ投函完了メールが届く。ポストに入らない場合は持ち戻る。時間帯指定は行えない。
◎サイズ・重量=サイズは角型A4サイズ以内、厚さ2.5センチ以内。重量は1キログラムまで。
◎その他=荷物追跡、各種メール通知サービスが利用可能。