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2015年1月12日付 2548号

物流施策大綱推進プログラムで、労働者育成・確保など新たな施策追加  関係省庁による推進会議

 内閣府、国土交通省、経済産業省等関係省庁による総合物流施策推進会議が昨年12月25日に開催され、「総合物流施策大綱(2013~2017)」の総合物流施策推進プログラムに掲げる取り組みの実施状況の検証結果を報告するとともに、13年9月以降の取り巻く状況の変化を踏まえ、プログラムを見直し改定した。各施策が着実に実施されていることを確認し、新たな施策を追加した。

 追加した主な施策は次のとおり。
 ①日中韓でのパレットリターナブル利用の実証実験、ASEANでのパレットの普及等を含め、わが国海外物流システムの海外展開に向け課題に応じた政策対話を進展させる。
 ②農産物等輸出促進のため関係省庁の連携により、複数事業者間の情報共有の仕組みの構築、海外販路拡大に向けた取り組みを開始する。
 ③インターネット通販市場の拡大に伴う宅配便再配達の増加懸念を踏まえ、再配達の削減に向けた取り組みを開始する。
 ④過疎地等における宅配サービス維持のため、「地域を支える持続可能な物流システムのあり方に関する検討会」を設置し、共同輸配送、NPO等との連携、貨客混載などを検討する。
 ⑤物流業界における労働力不足の状況を踏まえ、「物流政策アドバイザリー会議」「物流問題調査検討会」を設置し、対応方策を検討する。あわせて中継輸送の導入や女性の活躍のための環境整備をはじめとする制度改善に総合的に取り組むこととした「自動車運送事業等の人材確保・育成対策」を策定するなど、労働者の育成・確保を推進する。

物流業界で初の「ファクタリングサービス」提供開始  セイノーHD

 セイノーホールディングスは8日、グループのセイノーフィナンシャルが貸金業登録を完了したことから、物流業界では初となる「ファクタリングサービス」を含めた企業向け金融サービスを、輸送グループの顧客を対象に13日から開始すると発表した。企業向け金融サービスは、これまでの代金引換や売掛金回収サービスに、「後払い決済サービス」「売掛金担保融資」「売掛金買取サービス」の新たな3商品を加えた“フルライン”のサービス。

 「売掛金買取サービス」は、顧客の売掛金を買い取るもので、顧客の販売先への告知が不要なことから既存の取引に影響なく売掛金を資金化できる物流業界初のファクタリングサービス。また、「後払い決済サービス」は、個人向け通信販売の決済手段として普及が進んでいるコンビニエンスストアでの後払い・回収前に代金を立て替える決済サービス。これらの金融サービスを取り扱うことで、代金回収や資金調達をワンストップで提供できる体制を整え、輸送サービスの一層の付加価値向上を図っていくとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆各界の年頭あいさつ
    ☆物流業界の新年会
    ☆物流界昨年のトピック
    ☆アベノミクス物流にとって『吉』か『凶』か(30)

  • ☆警察庁の免許見直し有識者懇談会が議事概要公表、初任運転者教育の充実など国交省・全ト協が総合安全対策示す
    ☆全ト協、『Gマークラッピングトラックを探そう!』キャンペーン実施
    ☆日貨協連、創立50周年記誌発刊
    ☆ミャンマー日通、1日から営業開始
    ☆日通、『NEX-SPEED マッハ!香港』発売
    ☆JR貨物労使が新春フォーラム、「鉄道黒字化は可能」と田村社長が強調
    ☆ニチユ、リーチ型バッテリーフォーク『プラッター』をフルモデルチェンジ
    ☆日立物流、京田辺市内に物流センター開設
    ☆日通総研の2015年度国内貨物見通し、建設関連除く一般貨物は1.6%増
    ☆12月のWebKITは荷物登録件数が3月に次ぐ規模に
    ☆15年度税制改正大綱決まる、ASV税制特例に車両安定性制御装置を追加して延長
    ☆JR貨物が1日付組織改正、マーケティングセンターを新設
    ☆いすゞ、小型ディーゼルトラックで燃費ナンバー1『エルフ』を改良発売
    ☆物流連、物流環境大賞を公募

今週のユソー編集室

  • ▼年が明けて2015年がスタートした。本号では、各界トップの年頭あいさつや、すでに開催された各団体等の新年会の記事を掲載している。
    ▼それらを総合してみると、本年の景気動向は、やはり「不透明」の一語に尽きるのではないか。経済成長を掲げるアベノミクスは総選挙で一定の信任を得た形になるが、景気回復への期待よりも、所得格差拡大への懸念の方が強いように思う。
    ▼少子高齢化による労働力不足の問題は言うに及ばず、物流業界も社会全体も、例年どおり山積する課題の解決に向けて、悪戦苦闘する年になりそうだ。気を引き締め、未来に希望を持って、着実に歩んでいきたい。
    ▼一方気になるのは、年々荒々しさを増していく天候だ。豪雪、豪雨、台風、いずれも規模が巨大化し、大きな被害が発生している。そうした中でも事故防止を心がけ、運転業務に従事するドライバーの方々のご苦労を思うとともに、今年1年の交通安全を祈る。

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