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2014年10月27日付 2539号

自民党トラック議連総会に星野会長らが出席、旧暫定税率廃止など業界の最重点要望事項の実現求める  全ト協

議連総会であいさつする星野会長(中央立ち姿)

 全日本トラック協会(星野良三会長)は24日、東京都千代田区の自民党本部で開催された自民党トラック輸送振興議員連盟(細田博之会長)の総会で、トラック運送業界からの最重点要望事項として、①軽油引取税の旧暫定税率廃止等税負担の軽減②高速道路料金における大口・多頻度割引の継続③自動車税における環境性能課税(環境性能割)に係る軽減―の3点の実現方を求めた。

 総会には全ト協側から星野会長をはじめとする正副会長らが出席。
 冒頭あいさつで細田会長は燃油高騰で苦しんできたトラック業界が一転打開を図るため、高速道路、免許、運賃問題もあることから、時宜を得た総会と思う。税制や財政など政策が動く時期であり、議連と業界が一致結束し頑張っていこうと呼び掛けた。

 次いであいさつした星野会長は205万人の署名が集まり、1500人が出席した全国大会では総意として旧暫定税率の廃止、高速道路料金の引き下げなどを政府に求めていくことを決議したとして、税制改正や予算に反映させていただきたいと述べた。重点要望の一つ高速道路料金の大口多頻度割引については来年度以降も最大割引率50%の継続を求めた。
 環境性能課税に係る軽減については、自動車取得税は消費税10%時に廃止される予定となっているが、その代替措置として自動車税の取得時課税として検討されている環境性能課税について、自家用に比べ営業用トラックの軽減などを求めた。

大型商業施設の「スマート納品」開始、事前作業で入荷効率化へ  佐川急便

 佐川急便(荒木秀夫社長)は21日から、大型物流施設や大規模ショッピングモールなどを対象としたサービス、「スマート納品」を開始した。

 「スマート納品」は、顧客の調達(仕入れ)から入荷(入庫・検品)までの業務改善を推進するサービス。大型物流施設や大規模ショッピングモール、展示会場、商業施設などを対象に、深夜・早朝を含む時間帯別納品や、商品カテゴリー別、ロケーション別の事前仕分など、顧客の要望に応じて、佐川急便が無償で提供する同社大型物流施設内で必要な作業を終えてから、効率的に納品する。

 佐川急便ではこれにより、これまで荷物の形態に合わせて複数の配送業者を使用していた顧客は、配送を同社に指定することで、納品時の業務工数を削減することができるとしている。

 佐川急便はサービス開始に当たり、本年6月から三菱地所・サイモン(山中拓郎社長)が経営する国内のプレミアム・アウトレット9店舗の施設内でトライアル運用を実施。100~200店舗に及ぶテナントをゾーン分けし、それぞれのゾーンに専用コードを付与することで、現地納品前にあらかじめゾーン別仕分を行い、スムーズな納品を実現。配送時間の大幅短縮が可能となり、店舗オープン前の午前9時半にはすべてのテナントへの配達が完了するまでに至るなど、高い評価を得たとしている。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か(27)
    ☆四文字『近代化の歩み「中小企業」』
    ☆道『ドルとオイルショック、車社会』(13)
    ☆日中ビジネスワンポイント『紀伊半島周遊(その1、伊勢神宮)』

  • ☆交運労協、燃料費高騰是正求め11月14日に千人規模の総決起集会
    ☆JIFFA、実用英語通信文講座の成績優良者修了証授与式
    ☆自動車事故対策機構、安全マネジメントセミナー開催
    ☆交通政策審議会自動車部会小委でヤマト運輸などヒアリング、貨客混載など検討へ
    ☆日本ロジスティクス研究会、創立20周年祝う
    ☆ヤマト運輸がマレーシアの民間教習所と包括契約、「安全運転」輸出へ
    ☆物流連が施設見学会、虎ノ門ヒルズなど館内物流テーマに
    ☆ヤマトシステム開発・インフォマート、食品の商品規格書のデータ連携開始
    ☆運輸労連の秋闘始まる、大手要求ほぼ出そろう
    ☆千葉ト協が適正化評議委開く、A・B評価が大幅に増加
    ☆CBREの賃貸物流施設の市場動向、需要は依然根強いが人手不足に懸念も
    ☆ヤマト運輸が熊本県、肥後銀行と協定、県産品の輸出支援
    ☆JILS、ロジスティクス全国大会開く
    ☆日通総研の短観9月調査、10~12月期国内貨物見通しは小幅ながら改善へ
    ☆東京都、危険ドラッグ排除で日本郵便に協力要請
    ☆早稲田大学等、天然ガス自動車の普及戦略シンポジウム開催
    ☆ヤマトフィナンシャル、ネット通販決済サービスに2つの機能追加
    ☆佐川急便、リバリューと提携し返品商品の再流動化をワンストップで提供

今週のユソー編集室

  • ▼「業界の常識は社会の非常識」などと言われることが多いトラック運送業界。日本路線トラック連盟がこのほど発表した、「荷主庭先実態調査報告書」が、その言葉を裏付けている。
    ▼配達時に60分以上の手待ち時間が発生するケースが全体の4分の1を占め、5時間以上となる事例もある。付帯作業の料金収受はほとんどできておらず、「見えないコストをトラック運送事業者が負担している」構図が浮かび上がる。
    ▼荷役の改善は、今後への極めて大きな課題となっている。報告書が示しているコスト負担の問題はもちろん、非効率や手荷役や荷台からの転落事故など、労働環境にも大きな影響を与えているからだ。
    ▼現在の労働力不足の実態は、もはや従前の商慣行が成立しがたい状況にあることを教えてくれている。例えば、「真夏のトラックに冷房なしで1時間以上待たせ、100本以上の実入りの一斗缶を手卸する仕事」に、若者が魅力を感じるとは思えない。

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