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2014年10月20日付 2538号

配達時の手待ち時間60分以上が25%など『過剰な輸送サービス』浮き彫りに  路線連盟が荷主庭先の実態調査

 日本路線トラック連盟(北野耕司会長)は10日、今年4月から5月にかけて会員特積み事業者等を対象にアンケート調査した「荷主庭先実態調査」結果を発表。集荷配達時における「長時間の手待ち」や「付帯サービス」等料金の収受を伴わない過剰な輸送サービスの提供により、“見えないコスト”部分をトラック運送事業者が負担している実態が明らかになったとしている。

 アンケートは29社180事業所からの回答を得、配達業務767件、集荷業務309件の合計1076件の調査票を回収した。

 それによると、配達先に到着してから荷役開始までの手待ち時間は、767件中、60分以上というものが24.5%を占め、なかには5~6時間手待ち発生の事例も見られたとしている。この中では時間指定があるものが8割前後にも及ぶ。集荷先に到着してからの荷役時間までの手待ち時間は、60分以上が7.4%となっているが、配達に比べ手待ち時間は短い傾向にある。
 60分以上の手待ち時間が発生する割合の高い荷主業種は、配達では「飲食料品卸売業」「各種商品小売業」「運輸業」「飲食料品小売業」など、集荷では「食料品製造業」「運輸業」など。

 配達時の荷役時間は60分以上というものが18.4%、集荷では、54.0%と半数以上を占める。仕分や検品作業が荷役時間を長くする要因ともなっていると指摘。配達時における付帯作業は「仕分」と「検品」のいずれも7割近くが『ある』としており、集荷では「仕分」52.4%、「ラベル貼り」37.5%の順で『あり』とする割合が高く、集配送ともに「仕分」の付帯作業が多い。

 付帯作業について、契約上の書面化が行われているのは、「ラベル貼り」が最も多く7.1%で、「仕分」5.7%、「検品」5.1%、「荷役機械利用」「納品場所整理」各4.4%、「棚入れ」3.7%と続き、いずれも1割にも満たない。料金を収受できているのは、「荷役機械利用」「棚入れ」「納品場所整理」はいずれも1件もなく、「仕分」で1.2%、「検品」で1.4%、「ラベル貼り」が3.6%にとどまる。また書面化されていない場合は、料金の収受なく付帯業務を行っているケースがほとんど。

 集荷時の付帯作業について、書面化が行われているのは、「商品梱包」が23.5%で最も多く、次いで「仕分」の12.3%、「棚出し」11.6%、「ラベル貼り」9.5%、「荷役機械利用」4.7%。書面化の割合は配達に比べて高いものの、書面化はほとんど進んでいない。料金収受ができているのが、「ラベル貼り」8.6%、「商品梱包」5.9%、「仕分」2.5%、「荷役機械利用」0.8%で「棚出し」は1件もない。また書面化されていない場合でも、ほとんどが料金の収受を伴わない付帯作業が行われている。

 事業者からの意見では配達・集荷ともに「時間指定」「受付時間」「手待ち時間」など時間に関する改善を望む声が多く、全体の半数を占めた。特に「配送センター」について、配達では5割超が、集荷でも4割弱が改善を求めている。

日本マニュファクチャリングサービスと業務提携し物流と製造を一括提供  日通

 日本通運(渡邉健二社長)と日本マニュファクチャリングサービス(nms、小野文明社長)は14日、国内外の製造業務と物流業務を組み合わせた新サービスの構築に向け、業務提携契約を締結したと発表した。

 市場ニーズの多様化と製品のライフサイクルの短縮化により、市場ニーズに柔軟に対応できる生産体制の構築と、部品調達や完成品を納品するグローバルなロジスティクス機能が必要とされているとして、製造業の過程手順を熟知しているnmsと、ロジスティクスに関連する機能をグローバルに提供する日通が連携し、共同で販売、サービスの構築を進めるもの。

 nmsは、製造派遣・請負事業、EMS事業を主要事業領域として、開発・設計から製造、検査、修理までの全工程をワンストップで提供する人材サービスとモノづくりサービスを日本、中国、東南アジア地域で展開。

 両社は今後、日本国内での製造・検査、修理といった製造に関わる業務とロジスティクスをパッケージで提供し、製造業の資産の軽量化戦略を支援する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集、全ト協全国トラックドライバー・コンテスト
    ☆人物ウィークリー、全日通商事労組・木村信一郎中央執行委員長

  • ☆総務省、特定信書便見直しの方向性等について意見募集
    ☆ファーストリテイリングと大和ハウス工業が共同物流事業開始へ
    ☆データテック、セーフティレコーダ約10万台が稼働し交通安全に貢献
    ☆運輸労連が運輸問題研究集会開く、2015春闘は引き続き格差是正を
    ☆東ト協が経営者実務セミナー開く、残業代未払い請求対策等学ぶ
    ☆JR貨物の2014年度上半期実績、農産物等好調でコンテナ3%増
    ☆JR貨物、台風による東海道線不通は16日に運転再開
    ☆佐川急便、飛脚特定信書便に時間指定と高セキュリティの2オプション追加
    ☆日倉協、名古屋で「倉庫業を変革する」フォーラム開催へ
    ☆国交省、モーダルシフト等推進事業8件を認定
    ☆全ト協、引越事業者優良認定制度運営委員会が発足
    ☆JR貨物の秋冬繁忙期対策、例年以上の需要予測し延べ464本を追加運転

今週のユソー編集室

  • ▼ユニクロを運営するファーストリテイリングは14日、衣料品ネット通販の即日配達を実現させるために、大和ハウス工業と物流事業を開始すると発表した。
    ▼テレビや一般紙でも大々的に報じられたが、東京都江東区に大規模な物流施設を建設し、通販では現状3~6日程度かかっている配達完了までの時間を、最短で当日にまで大幅に削減するという内容だ。
    ▼ところがファーストリテイリングのプレスリリースを見ても、「ネット通販の最短即日配達」の文言はない。配送コストと時間を大幅に削減する、という記述があるだけだ。一部報道で名前の挙がったヤマトホールディングスは、「まだ何も決まっていない」とコメントしている。
    ▼ドライバー不足が叫ばれる昨今、一連の発表の流れが、「即日配達」の困難さを物語っていると見るのは、うがちすぎだろうか。現状で代金5千円以上は無料となる、同社ネット通販の配送料がどうなるのかも、気になるところだ。

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