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2014年8月11日付 2530号

環境省補助を利用しベトナムでエコドライブ促進へ  日本通運

 日本通運(渡邉健二社長)はマレーシアに続き、ベトナムでデジタルタコグラフを活用したエコドライブを推進していく。

 ベトナム日通(長嶋敦社長)が取り組むエコドラプロジェクトがこのほど、環境省の二国間クレジット制度(JCM)を利用したプロジェクト設備補助事業に採択されたもので、途上国の温室効果ガス削減と、JCMを通じたわが国の削減目標達成に活用される。

 ベトナムのホーチミン、ハノイで使用するトラック130台にエコドラ啓発システムを装備し、燃料供給量、走行距離、運転行動などのデータを収集・分析する。ジャイロセンサーを搭載し、急加速、急減速、急ハンドルなどの運転行動も感知する。年間、310トンのCO2削減効果が見込まれ、輸送品質の向上も期待される。

 同社ではマレーシアで同様のシステムを導入済みで、2013年にはCO2を年間6%削減し、自動車事故発生件数を10分の1に低減するなどの効果をあげている。同社では今後も成長・発展を物流面からサポートし、低炭素型のサプライチェーン構築を目指すとしている。

宅急便単価が上昇、04年度の公表開始以来初めて  ヤマトHD

 昨年秋から宅急便の品質改善に取り組み、サイズに見合った適正運賃収受施策を展開しているヤマト運輸。このほどヤマトホールディングス(木川眞社長)が発表した資料で、2014年度第1四半期の宅急便単価が前年同期を16円上回り、適正運賃収受が一定の効果をあげていることが明らかとなった。

 資料によれば、14年度第1四半期の宅急便単価は587円で、前年同期を16円(2.8%)上回った。単価が上昇に転じたのは、04年度第1四半期の数字を公表して以来初めてとなる。当時の単価は670円となっていたが、その後ネット通販の広がりなどによって年度全体の個数は56%増加したものの、単価は一貫して下落を続け、13年度第4四半期時点で14%下落していた。

 ヤマト運輸では、昨秋に発覚したクール宅急便の品質問題を受けて、原因の1つに荷物のサイズが実際よりも小さくシステム上に登録されているケースが、大口顧客を中心に頻発していたことを挙げ、配達店所の機材手配をより適切に行うために、荷物のサイズに合わせた適正な料金を収受し、登録を正しく行う施策を展開してきた。

 単価の上昇は、こうした施策の結果が反映されたもので、単価上昇率を市場別に分解すると、もともと適正運賃を収受しやすい環境にある個人市場ではほぼ前年並みとなっているのに対し、小口商流市場では7.7%増、大手ネット通販など法人市場では0.8%の増になっているという。

 ヤマトホールディングスでは「プライシング戦略の基本的な考え方に変化はない」としており、今後も荷主との交渉を着実に継続していく考えを示し、年度末の単価は587円の13円(2.3%)増を予想している。

 一方で、こうした適正運賃収受施策の影響や、消費税増税に伴う反動減の影響が想定以上に長引いていることから、年度全体の宅急便取扱個数を17億個の2.0%増と予想。本年度期首時点に予想していた3.5%増から下方に修正した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆ウオッチ『中国の「物流業発展中長期企画」と「過積載」モデルの見直し』
    ☆四文字『厳しい時代「廃業倒産」』
    ☆道『ドルとオイルショック、車社会』(8)
    ☆運輸労連、夏季一時金妥結状況
    ☆人物ウィークリー、国交省関東運輸局・長谷川豊次長

  • ☆全ト協、軽油引取税の旧暫定税率廃止などを求めて100万人の署名活動
    ☆全ト協、内閣府から災害対策基本法に基づく指定公共機関に指定受ける
    ☆日貨協連がネットワークKIT事業委開く、全ト協からのWebKIT移管問題など協議
    ☆日通中村副社長が会見、日本発着の売上高を海外会社が上回る
    ☆沼尻産業、圏央道整備を受けて埼玉・八潮に首都圏物流センター開設
    ☆羽尾国交省物流審議官が会見、失敗恐れずチャレンジを
    ☆関東ト協が事故防止対策検討会初会合、委員長に江森東ト協副会長
    ☆国交省、数値目標を盛り込んだ交通政策基本計画の中間まとめ案を審議
    ☆NASVAが業務概要説明会、安全指導業務の民間参入など3つの課題への取り組み状況を説明
    ☆瀧口国交省総合政策局長が会見、地方創生へ意欲示す
    ☆国交省、江差線脱線貨物列車事故受けて積荷の編積対策の検討会開く
    ☆カンダHD、障害者への雇用機会提供で特例子会社を設立
    ☆日立物流、静岡県にドラッグストア向け物流センター開設
    ☆全ト協が7月のWebKIT成約運賃指数発表、スポット運賃の上昇傾向続く
    ☆JR貨物がグループ社長会議開く
    ☆物流各社の第1四半期決算

今週のユソー編集室

  • ▼国土交通省は5日、交通政策基本法に基づく交通政策基本計画の中間とりまとめ案を公表した。6月に発表した素案について、各施策の数値目標などを加えたものだ。
    ▼その中には、道路運送事業に従事する女性労働者数を2020年度までに倍増させることが盛り込まれている。先に行われた「トラック産業における健全化・活性化に向けた有識者懇談会」でも同様の目標が設定されており、足並みをそろえた形である。
    ▼女性トラックドライバーを2万人から4万人に、女性自動車整備士を2400人から4800人に、一口に倍増というが、その目標は野心的とさえ言えるほどに高く感じられる。
    ▼女性の就職・就労意識に関しては、さまざまな機関で調査が行われているが、おおむね男性よりも労働条件や人間関係を重視する傾向が強い。行政と事業者が一体となってそうした点を積極的に改善し、目標を上回るほどの女性労働者を確保していきたい。

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