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2014年6月2日付 2521号

会員19社と協力して9月に合同インターンシップ開催  物流連

 日本物流団体連合会(物流連、川合正矩会長)は1日から、「第1回合同企業インターンシップ」への参加を希望する学生の募集を開始した。

 合同インターンシップは、学生に物流を広く理解してもらうことを目的に、物流連とその会員企業19社が協力、今年9月8日から12日までの5日間実施する。学生は初日と最終日に東京・千代田区の海運クラブで物流連のイベントに参加し、中間の3日間は各物流企業を訪問する内容。大学生、大学院生、高等専門学生、短大生、専門学生の全学年を対象としており、合計で100人程度を募集する。

 募集の締め切りは7月31日を予定しているが、募集状況によって締切日が前後にずれることもある。申し込みは就職情報サイトから行う形で、希望する業種やその理由、訪問したい具体的な社名などを記入させる。このほか告知のため、関東近県の大学などを対象に、リーフレットを配布する予定。

 物流連がプログラム全体をコーディネートしており、あらかじめ参加企業の意向に添って複数コースを準備し、学生が希望する実習内容とのマッチングを図って振り分ける。学生への呼びかけや契約関係の手続き、保険の加入等についても物流連が窓口で対応する。

 業界団体がインターンシップの前面に立つことは珍しく、物流連では参加する学生について、企業訪問を通して普段目にすることがない物流現場の最前線を見学・体験し、物流業の重要性や先進性について理解を深め、職業意識の育成を図ることができるとしている。
 インターンシップのプログラムと参加19社は、次のとおり。

【プログラム】
◎9月8日(月)
 『オリエンテーション』=物流業の社会的役割について学べる講演会の開催、業界で働く若手社員の代表者たちの紹介等。
 『合同企業セミナー』=物流企業19社が一堂に集まった会場で自由に業界研究。
◎9月9日(火)~9月11日(木)
 『各企業訪問』
◎9月12日(金)
 『グループ活動』=4日間で学んだことを仲間と共有。
 『座談会』=若手社員との交流の場。

 【参加企業(50音順)】
上野トランステック、栗林商船、佐川急便、佐川グローバルロジスティクス、山九、商船三井、西濃運輸、東陽倉庫、トナミ運輸、ニチレイロジグループ本社、日通商事、日本貨物鉄道、日本通運、日本郵船、日本パレットレンタル、日本ロジテム、日立物流、丸運、ヤマト運輸。

シンガポール、台湾向けの『国際クール宅急便』年内に  ヤマト運輸とANA Cargoが連携強化

ラッピング機の模型の前で握手する山内社長(左)と岡田社長(右)

 ヤマト運輸の山内雅喜社長とANA Cargoの岡田晃社長は5月30日、東京・港区のANA Cargo本社で会見し、沖縄国際物流ハブを中心とした両社のパートナーシップ関係について、今後さらに強化していくと発表した。

 ポイントは、今年中に展開する新サービスと、今後の検討事項の2点。

 新サービスについては、この5月14日にANA Cargoの沖縄~シンガポール線が就航したことにより、ヤマト運輸が、①日本発シンガポール向けの『国際クール宅急便』②日本・香港・上海・台湾発シンガポール向け『国際宅急便』の翌日配達(現状は翌々日配達)―の2つを今年中に展開する。また、沖縄~台北線を利用した、日本発台湾向けの『国際クール宅急便』についても、今年中に実現させる。

 今後の展開については、◎国内各都市間における昼間時間帯の旅客航空機ベリースペースを利用した航空モーダルシフトの実現◎海外からの旅行者の手荷物輸送サービスの共同開発や、現状国内または海外着空港までとなっている「手ぶらサービス」の海外配送・海外発国内向けサービス展開◎1個で冷蔵と冷凍の2温度帯に対応できる航空機用コンテナ等の共同開発―を検討していく。

 これによりヤマト運輸では、国際クール宅急便を利用した日本の農水産品の国際ネット通販拡販や、沖縄に設置したパーツセンターの拡大など、近年取り組み始めた各種ビジネスモデルを拡充していく考え。

 会見で山内社長は、「当社が掲げる『バリュー・ネットワーキング』構想の中心的事業の1つが、沖縄ハブを利用した国際クール宅急便などのサービス。これからもANAグループとの連携を強化し、新たなビジネスモデルを生み出すことで、日本の成長戦略を支えたい」と強調。岡田社長は、「ヤマト運輸とのパートナーシップをさらに強化し、ネットワークとノウハウを拡充していくことで、より良いサービスを提供するとともに、沖縄県の発展にも貢献していきたい」と述べた。

今週掲載トピック一覧

  • ☆特集・日通グループ全国ドライバー・フォークリフトオペレーターコンテスト
    ☆四文字『議論の課程の「運賃制度」』
    ☆道『ドルとオイルショックと車社会』(4)
    ☆人物ウィークリー、ヤマトロジスティクス・金森均社長

  • ☆物流連が物流環境大賞発表、大賞にヤマト運輸
    ☆国交省が第3回アドバイザリー会議、モーダルシフトの促進へ改善パッケージ示す
    ☆コラボデリバリー、超高層ビルの館内物流でやむなく受託解約へ
    ☆環境優良車普及機構、中小トラック運送事業の車両代替補助7月1日に受付開始
    ☆セイノーHDが中期経営計画策定、売上高目標5603億円に
    ☆国交省が第4回安全対策会議、海コン安全輸送ガイドラインは事業者の9割が認知
    ☆JR貨物、経営統括本部の設置など本社組織改正
    ☆エコモ財団、事業者リーダー対象にグリーン経営講習会開催
    ☆ボックスチャーター、2019年度までに販売本数200万本へ
    ☆鉄道貨物協会が総会、エコレールマークへの協力でブルボンを特別表彰
    ☆全ト協引越部会が総会、14年度事業計画で優良事業者認定制度周知へ
    ☆日本ロジテムがベトナム進出20周年、現地で記念式典開催
    ☆SBSセンツウ、3温度帯対応の川口営業所開設
    ☆テルウェル東日本アメニティフォーラムが年次総会、NTT再編に伴い7月に第2の繁忙期
    ☆日本興亜損保、テルウェル総会で引越荷物事故の講演
    ☆ヤマトHD、今年も全国10都市で音楽宅急便
    ☆運輸システムEXPO開催、デジタコやドラレコなど最新製品を展示

今週のユソー編集室

  • ▼米国とフィリピンは先月、新たな軍事協定に署名し、米軍のフィリピンへの駐留が22年ぶりに再開されることとなった。南シナ海での勢力拡大を図る、中国をけん制するのが狙いだ。
    ▼最近アジアの海がきな臭い。この緊張劇の“主役”を務める中国は、ベトナムとの間で南シナ海の石油掘削を巡って衝突し、漁船を転覆させるという事態に至っている。日本も尖閣諸島で中国とは対立関係にある。
    ▼先日、中国に拠点をもつ物流企業の決算会見で、記者から中国の地政学的リスクに関する質問が出た。衝突すら辞さない中国の振る舞いが、国内の不満を転移させるため意図的に行っているものならば、愚かとしか言いようがない。
    ▼資源確保に突き進む中国は、もはやはっきりと近隣諸国の脅威になっており、アジアの成長そのものに暗い影を落としている。この地域の成長を最重要視している日本も、そして日本の物流業界も、安穏としてはいられない。

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