7割の事業者が3月の輸送量前年比増、運賃上昇も3割に 全ト協が国交省の検討会で物流動向実態調査結果公表
全日本トラック協会(星野良三会長)は12日開催された国土交通省の「第2回物流問題調査検討会」で、輸送量や運賃など物流動向に関する実態調査結果(速報版)を発表した。今年3月の輸送量が昨年3月、今年の2月に比べ増加したとする事業者が約7割、車両の稼働率も上昇したとする事業者が5割超に及んだ。また3月の運賃が上昇している事業者が約3割、4月の運賃が3月よりも上昇する見込みとした事業者が約2割いた。調査は4月22日から5月7日までの回答分482サンプルを集計した。
3月の輸送量が昨年3月および今年2月と比べ、「増加」したとする事業者が27%、「やや増加」が41%だった。今年4月の見通しは3月と比較して「減少」「やや減少」とした事業者が約6割だった。
車両の稼働率の動向については、3月は昨年3月および今年2月と比べ、「上昇」「やや上昇」とした事業者が5割超となった。4月の見通しは3月と比較し「下落」「やや下落」とした事業者がほぼ半数を占めた。稼働率が上昇した場合の対応では、「利用運送事業者に委託する」を挙げた事業者が68%、「運送依頼を断っている」42%、「求荷求車情報ネットワークを利用する」19%、「増車して対応する」16%と続く。
運送依頼を断ったと回答した事業者の中で、輸送量増加や車両稼働率の上昇等により、運送依頼を断った実績については、今年3月は昨年3月と比較し、「増加」「やや増加」とした事業者が約8割に及び、今年2月との比較でも約6割いた。4月の見通しは3月と比較して「減少」「やや減少」とした事業者が約4割、「横ばい」とした事業者や「増加」「やや増加」とした事業者も約3割あった。
運賃動向については、今年3月の運賃が昨年3月に対し上昇している事業者が約3割、4月の運賃が3月よりも上昇する見込みとした事業者も約2割いた。運賃動向は今年3月の実績、4月の見通しにおいても「横ばい」が最も多い。消費税の転嫁状況については、約9割の事業者が「税率引き上げ分を適正に転嫁できている」としたが、一部に転嫁拒否されている運送がある事業者もいた。消費税引き上げに伴い、約9割の事業者が「不利な条件等の押しつけはない」としているが、一部に「無償で付帯作業等、不利な取引条件を押しつけられた」とする事業者もあった。
一方、今年3月のドライバーの不足感は、「非常に不足している」「やや不足している」とした事業者が約7割。4月の見通しもにおいても、引き続き不足する見込みの事業者が約6割だった。ドライバーの募集方法は、「ハローワークへの求人」が8割、「ドライバー仲間の紹介」5割、「新聞・雑誌等への広告掲載」4割と続く。