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2014年4月21日付 2516号

トラック運送事業新規参入許可手続きの厳格化や利用運送規制強化求める  全ト協が要望書

会見する福本理事長

 全ト協(星野良三会長)はこのほど、新規許可手続き、法令試験など現行要件等運用のさらなる厳格化と、法律改正を伴う利用運送事業規制の強化を求める「トラック運送事業の新規許可手続き要件の見直し等に関する要望書」をまとめ、「第2回トラック産業の健全化・活性化に向けた有識者懇談会」に提案するほか、国土交通大臣や与党トラック議連等の議員らに対し提出し、その実現方について要請していく。16日、福本秀爾理事長が専門紙誌記者との会見(細野高弘専務理事が同席)で発表した。
 
 同要望書は4月2日の物流政策委員会で承認され、翌3日の正副会長会議で了承されたもの。トラック運送業界が引き続き国民生活のライフラインとしての役割を果たし続けていくため、『新規参入規制の強化』と『利用運送事業規制の強化』を求めている。
 
 新規参入規制強化では、まず、「新規許可における手続きの厳格化」として、書類審査のみで行われる現行の新規許可は施設や車両等事業計画どおりか確認が不十分であるため、許可条件に適合しないまま事業開始するケースがみられ、輸送の安全確保等を阻害する一因となっていると指摘。運輸開始届は事前届出制とし、運輸局・運輸支局による現地確認を受けることを事業開始の要件とするよう要望。現地確認では、事業計画に定められた台数が確保されているかなど9項目について許可条件に適合するか否かを厳格に審査し、不適切な案件は許可取り消しか是正措置を講じるよう求めている。

 次いで、法令遵守と輸送の安全確保を徹底するため、年2回の法令試験実施と2回不合格の場合は受験資格を失うなど「法令試験のさらなる厳格化」を要望。そして「事業用自動車の要件強化」として、NOx・PM法等ディーゼル車規制条例の規制対象外地域では不適合車でも事業用車両にすることが可能なため、新規参入条件の公平性を保つため、新規許可時に配置する事業用車両は新車・中古車を問わず最新環境基準適合車に限定するよう求めている。

 また「事業用自動車の自己保有義務化」について、現行で認められているリース契約は契約解除による減車が容易で、5台割れ減車を助長する要因となっているとして、新規許可取得時の事業用車両は一定期間の自己保有の義務化を要請。さらに、5台割れ事業者には一定の猶予を付与し確実に是正させるとともに、改善されない場合は事業改善命令の発動など「5台割れ事業者の取扱の厳格化」を要望。

 利用運送事業規制の強化については、“専業水屋”と呼ばれる第一種貨物利用運送事業(自動車)は現行、貨物利用運送事業法で規制されていることから、実質的には行政による監査体制が整備されておらず、運行管理上問題のある輸送の安全運行を阻害する運送委託が後を絶たない状況にあるとして、貨物自動車運送事業法の適用対象事業にするよう法律改正を要望している。

東京・江東区新砂に15万平方メートルの新東京物流センター建設へ  日通

 日本通運は17日、東京・江東区新砂に延べ床面積15万平方メートルの同社最大級となる物流施設「新東京物流センター」を建設すると発表した。竣工は2016年4月予定。

 東京都心、主要高速道路、東京港、成田・羽田空港にアクセスしやすい立地を生かし、輸入貨物の増加に伴う高付加価値ニーズを見込み、多機能型物流施設を建設するもの。構造は5階建てで、免震構造、自家発電装置・災害用備蓄倉庫を設置する。同社では、1984年からペリカン便、アロー便のメインターミナルとして運用してきたが、宅配便事業のゆうパックとの統合、アロー便の特積み事業の日通トランスポートへの移管により、自動車ターミナルとして使用しなくなったことから、所有地(5万9507平方メートル)の有効活用を図るもの。

 同社は1月に竣工した市川市の原木インターナショナルロジスティクスタウンNO2をはじめ、大井NO1・NO2貨物センター、品川トランクルーム、東東京流通センターなど、東京都に77棟、神奈川県に42棟、千葉県に61棟、合わせて180棟・150万平方メートルの物流拠点を東京湾岸エリアで運用しており、新センターの建設により国内・国際物流、調達・販売物流の取り扱いを加速させていく。

今週掲載トピック一覧

  • ☆日通関西警送支店、大阪市浪速区に「なんばセンター」竣工

  • ☆全ト協が運行管理者のあり方提言、トップの責務強化など求める
    ☆東京都の14年度貨物輸送評価制度、5月7日受付開始
    ☆国土交通政策研究所、中国物流の調査研究報告書まとめる
    ☆西濃運輸、新入社員に登山研修
    ☆低炭素社会創出促進協会、JR31フィートコンテナ導入等への助成の公募開始
    ☆全ト協、7月の引越事業者優良認定制度申請開始に向け全国で説明会
    ☆三菱商事都市開発、川崎市高津区の用地5万4千平方メートルを取得
    ☆NTTロジスコ、千葉物流センタ新B棟を竣工
    ☆JR貨物の田村社長が会見、13年度コンテナ実績は5%増で新年度期首も順調
    ☆関東運輸局の又野局長が会見、「悪質な物流事業者は市場から撤退すべき」
    ☆各労連本部集約の4月17日現在春闘妥結状況
    ☆政策投資銀行、鈴与グループの航空事業に100億円のシンジケート・ローン組成
    ☆佐川急便、3センターで物流業界初のCO2排出ゼロ認証取得
    ☆押入れ産業、鹿児島と宮城にトランクルームの新拠点
    ☆全ト協の14年度Gマークの申請受け付け、7月1~14日に
    ☆日通、5月1日付で横浜・静岡ブロックの廃止など支店改廃
    ☆国交省、交通政策基本法に関する基本計画の検討開始
    ☆全ト協が13年調査版賃金・労働時間データ集発行、10人以上規模のトラック運送事業の賃金は増加に
    ☆エコモ財団、全国10ヵ所でグリーン経営認証のリーダー研修会

今週のユソー編集室

  • ▼総務省が15日に発表した、2013年10月1日現在の人口推計によると、外国人を含む日本の総人口は1億2729万8千人となり、前年を21万7千人下回った。
    ▼日本人人口をみると、1億2570万4千人の25万3千人減となっており、減少幅は総人口のそれを上回っている。15歳から64歳までの生産年齢人口は、7901万人の116万5千人減で、32年ぶりに8千万人を割った。
    ▼これまでの統計からも十分に予想できた内容とはいえ、やはり現実にこうした数字をつきつけられると、ドライバー不足が顕在化しつつある物流業界などは、今後も労働力確保に頭を悩ませる日々が続くのかと暗い気分になる。
    ▼政府は当面、移民としての外国人労働者には頼らない方針だという。ならば、生産年齢人口の半分を占める女性や、4人に1人を占める65歳以上人口の活用を図っていくしかない。労働環境をさらに改善・整備していく以外に、道はない。

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