運行記録計装着義務拡大は車両総重量7~8トンで決着 国交省
新たな運行記録計装着義務付けは車両総重量7トンクラスで決着。
国土交通省は26日、東京・霞が関の同省で「トラックにおける運行記録計の装着義務付け対象拡大のための検討会」の第4回会合を開き、2011年から検討を行ってきたトラックの新たな運行記録計装着義務付け対象を車両総重量7~8トン(最大積載量4~5トン)とすることを決定した。いったんは、「3.5トン以上でデジタコ」との案が示された義務付け対象拡大だが、トラック事業者からの反発などもあり、「事業用自動車総合安全プラン2009」で示された当初案の内容に落ち着いた。
一方で、国交省は、「7トン以下に対策が不要なわけではない」(自動車局安全政策課)としており、今後もさらなる義務付け対象拡大について検討を行う。また、ヘルスケアやドラレコとの連携などが可能な次世代型運行記録計の検討に着手する。
装着義務付け拡大は、「プラン2009」に盛り込まれた7トンクラスへの装着義務化の方針を受け、検討を開始。11年11月に開かれた第1回会合では、「3.5トン以下でデジタコ」との案が示された。しかし、この基準では市街地配送の主役である最大積載量1.5~2トンを含むほぼすべてのトラックが対象となる上、導入実績のない事業者にもデジタコの導入が求められることになり、費用負担やオペレーション上の問題が生じるとして主に中小事業者から強い反発の声が出た。
こうした声を受け12年1月の第2回会合では、第1回で示した案を白紙に戻し、事業者や労働組合からの意見聴取を行うとともに、運行記録計の実態把握を行うことを決め、局内に勉強会を設置して、ヒアリングや調査を行ってきた。
調査の結果、死亡事故発生率(車両数に対する事故発生件数)は、すでに装着義務のある車両総重量8トン以上の0.048に対し、7トンクラスで0.042、6トンクラスで0.024、5トンクラスで0.018と、7トンクラスが8トン以上とほぼ変わらないことが分かった。また、重軽傷事故率では、7トンクラスが8トンクラスをわずかに上回っている。これは、トラック全体の約3割(約30万)を占める7トンクラスが8トン以上と同じように主に長距離輸送に使用されていることなどが背景にあるものとみられる。
こうした状況から、7トンクラスへの装着義務化を急ぐこととし、中小事業者で主流となっているアナログ式でも安全上問題がないことから、「車両総重量7~8トンでアナログまたはデジタル式」に決めた。
14年度のできる限り早期に公布し、15年4月以降新車購入に適用。16年4月以降に使用過程車にも順次適用する。