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2014年3月31日付 2513号

運行記録計装着義務拡大は車両総重量7~8トンで決着  国交省

 新たな運行記録計装着義務付けは車両総重量7トンクラスで決着。
 
 国土交通省は26日、東京・霞が関の同省で「トラックにおける運行記録計の装着義務付け対象拡大のための検討会」の第4回会合を開き、2011年から検討を行ってきたトラックの新たな運行記録計装着義務付け対象を車両総重量7~8トン(最大積載量4~5トン)とすることを決定した。いったんは、「3.5トン以上でデジタコ」との案が示された義務付け対象拡大だが、トラック事業者からの反発などもあり、「事業用自動車総合安全プラン2009」で示された当初案の内容に落ち着いた。

 一方で、国交省は、「7トン以下に対策が不要なわけではない」(自動車局安全政策課)としており、今後もさらなる義務付け対象拡大について検討を行う。また、ヘルスケアやドラレコとの連携などが可能な次世代型運行記録計の検討に着手する。

 装着義務付け拡大は、「プラン2009」に盛り込まれた7トンクラスへの装着義務化の方針を受け、検討を開始。11年11月に開かれた第1回会合では、「3.5トン以下でデジタコ」との案が示された。しかし、この基準では市街地配送の主役である最大積載量1.5~2トンを含むほぼすべてのトラックが対象となる上、導入実績のない事業者にもデジタコの導入が求められることになり、費用負担やオペレーション上の問題が生じるとして主に中小事業者から強い反発の声が出た。

 こうした声を受け12年1月の第2回会合では、第1回で示した案を白紙に戻し、事業者や労働組合からの意見聴取を行うとともに、運行記録計の実態把握を行うことを決め、局内に勉強会を設置して、ヒアリングや調査を行ってきた。

 調査の結果、死亡事故発生率(車両数に対する事故発生件数)は、すでに装着義務のある車両総重量8トン以上の0.048に対し、7トンクラスで0.042、6トンクラスで0.024、5トンクラスで0.018と、7トンクラスが8トン以上とほぼ変わらないことが分かった。また、重軽傷事故率では、7トンクラスが8トンクラスをわずかに上回っている。これは、トラック全体の約3割(約30万)を占める7トンクラスが8トン以上と同じように主に長距離輸送に使用されていることなどが背景にあるものとみられる。

 こうした状況から、7トンクラスへの装着義務化を急ぐこととし、中小事業者で主流となっているアナログ式でも安全上問題がないことから、「車両総重量7~8トンでアナログまたはデジタル式」に決めた。

 14年度のできる限り早期に公布し、15年4月以降新車購入に適用。16年4月以降に使用過程車にも順次適用する。

上海郵政EMSと提携し中国向け個人輸入配送開始  ヤマトグローバルロジスティクスジャパン

 ヤマトグローバルロジスティクスジャパン(YGL、小杉武雄社長)は1日、日本から中国の消費者に通販商品をスムーズに届ける配送サービス、「ヤマトチャイナダイレクト」を発売する。中国での輸入通関と配達業務について、中国郵政集団傘下の上海郵政速逓物流(上海郵政EMS)と業務提携契約を締結。日本国内から上海市内まで最短3日で届けることが可能になるという。

 日本国内の通販事業者は、YGLが中国の個人輸入規則に則った情報を提供することにより、販売できる商品が明確になる上、受注時点で通関上の諸条件を満たせることでスムーズな販売が実現でき、返品率低下とリピート率向上が見込めるとしている。中国の消費者に対しても、購入した商品を宅配便で受け取ることができることに加え、購入時に輸入通関の可否を確認するため、輸入不可となるリスクを大幅に低減できる。

 サービスを利用できるのはYGLと契約した法人顧客で、出荷の際にすべての商品が中国で輸入可能な商品か確認を行い判定する。荷物のサイズは、最大で胴回り・最長辺の合計300センチメートル以内かつ最長辺150センチメートル以内、40センチメートルまで。複数商品購入の場合、合計1千人民元(1万5千円相当)を上限とし、送料は契約に基づき決定する。

今週掲載トピック一覧

  • ☆物流にとってアベノミクス『吉』か『凶』か(18)
    ☆四文字『必要なサービス「運送責任」』
    ☆道『規制緩和時代の幕開け』(29)
    ☆主な物流企業の2014年度新卒新入社員数

  • ☆国交省、先進環境対応ディーゼルトラック補助申請期間を延長
    ☆日通、輸出生鮮食品対象の新保険代理販売開始
    ☆関運局、管内5台割れ営業所の運行管理者未選任1割超
    ☆国交省が高速各社の料金案認める、4月以降の高速料金で大口・多頻度割引拡充へ
    ☆西濃運輸、入社歴浅いドライバー対象に東北エリアで研修会
    ☆全ト協調査、今後導入したいIT機器はドラレコ
    ☆関運局が千葉輸送パートナーシップ会議開く、燃料高騰と書面化推進へ
    ☆全ト協の14年度事業計画、運賃指数化情報提供など
    ☆全日通とヤマト運輸労組の春闘妥結判断
    ☆運輸労連大手の春闘妥結、ヤマト運輸が大幅アップ
    ☆全通・杉野社長が会見、13年度鉄道コンテナは5年ぶり900万トンに
    ☆物流連・川合会長が会見、モーダルシフト促進へアピール活動展開
    ☆日通、日本発ウラジオストク向け一貫輸送海上混載サービス開始
    ☆SGHD、組織改正
    ☆セイノーHD、輸送グループ再編
    ☆全ト協12年度経営分析、約6割が営業赤字
    ☆ヤマト運輸、組織改正
    ☆埼玉ト協、2病院に車両1台ずつ寄贈
    ☆日通総研と東急リバブル、物流不動産取引で提携

今週のユソー編集室

  • ▼年度末繁忙期に引越繁忙期、さらに消費増税による駆け込み需要が重なり、多くの物流事業者にとって今月は、「嵐の3月」だったのではないだろうか。
    ▼各輸送機関の具体的な実績数値は、今後の発表を待たなければならないが、一方で、この繁忙期を大きく特徴づけたのは、本年度下半期からの景気の回復傾向を背景にした、物流事業者の人手不足感の顕在化だ。
    ▼一部の大手荷主が、十分な輸送力の確保を条件に、値上げに積極的に応じているとのうわさ話も漏れ聞こえており、需給バランスの変化が輸送コストに影響を及ぼし始めていることは、間違いなさそうである。
    ▼ともあれ明日から始まる新年度が、どのように推移していくのか。消費増税の影響は、どのように出てくるのか。そして、そうした中で、物流事業者の労働力不足感はさらに強まっていくのか、それとも一時的にせよ解消されてしまうのか。さまざまな観点から注目していきたい。

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