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2014年3月10日付 2511号

荷物情報前年の3倍に、求荷1件に求車15件  3月WebKIT実績

 全ト協と日貨協連による求荷求車情報ネットワークシステム・WebKITの車両を求める荷物情報登録件数が3月に入って急増している。

 昨年のほぼ2倍弱となっている2月の荷物情報件数(速報値)だが、3月1日から5日までの各日の登録件数は前年同月同曜日対比で2.5倍から3倍前後で推移している。その一方で、荷物を求める車両情報登録件数が前年を下回る形で推移し、車両と荷物情報件数の格差は15倍から16倍前後にまで達し、求荷1件に対し15件の求車が来ているという厳しい状況となっている。

 3月4日(火)の荷物情報件数は5498件で、前年同月同曜日の3月5日(火)の1853件の2.97倍。3月5日(水)は6508件で前年同月同曜日の3月6日(水)の2265件の2.87倍となっている。

 車両と荷物情報件数の格差をみると、3月4日(火)は荷物情報5498件に対し車両情報が367件で、情報件数格差は14.98倍。翌3月5日(水)は荷物情報6508件に対し車両情報414件で、情報件数格差は15.72倍にまで拡大している。

 今月の中旬から下旬に向けて今後一層の荷物需要の増加に伴い、車両不足が一段と顕著になり、車両と荷物の情報件数格差が拡大していくものとみられる。

メーカーの流通コスト削減へ、京浜島トリニティーセンター(京浜島RTC)開設  ヤマトパッキングサービス

京浜島RTCの外観

 ヤマトパッキングサービス(YPC、江頭哲也社長)は7日、東京・大田区に「京浜島流通トリニティーセンター(RTC)」を開設し、開所式を開催した。

 YPCでは従来、輸出梱包事業などを展開してきたが、主要顧客である中堅メーカーのニーズを踏まえ、製造の前段階となる工場荷受けの業務について、あらかじめ開梱してからの納品や簡易加工納品、廃材処理、最適時供給を行うことで効率化し、工場が生産に特化できる環境を提供する取り組みを進めていた。

 「RTC」は、この構想を具現化する施設で、すでに鳥取と秋田で試験的に稼働している。「京浜島RTC」はそこで得られた知見をもとに、施設内の生産性をさらに向上させる工夫を加え、「現状での理想形(江頭社長)」として開設したもの。
 東京都大田区京浜島1―3―5に所在し、敷地面積は4005平方メートル、建物が鉄骨造り3階建て延べ床面積5526平方メートルの規模。1階には搬出入エリア、開梱・梱包作業場、段ボール・木材加工場を設け、15トンから2.8トンまで3基の天井クレーンが備わっているほか、540平方メートル弱の保税蔵置場を確保。2階は輸出仕分作業場と少量危険物蔵置所、3階は輸入納品代行作業場となっている。

 動線の一方通行化や床面の表示など、メーカーの工場をイメージした生産性向上策に加え、施設内の移動に自社制作の台車を利用し、フォークリフト使用を極力抑えるといった工夫が施してある点が特徴。

 「京浜島RTC」ではこのほか、午後8時までの夜間荷受や土日作業の実施で、荷主出荷時の輸送時間短縮も実現させている。YPCの既存サービスである、WEB発注システム「EASY」や、振込手続き事務の一括受託を併用することで、中堅メーカーでも大手メーカー並みの生産性向上が図られるとしており、鳥取では、仕入原価が最大8%削減できたケースもあるという。

 YPCでは工業製品や部品、産業機械メーカーなどを中心に、2014年度中に10社以上の獲得を目指していく。

 同日行われた開所式には、顧客企業、自治体、協力会社関係者など約150人が出席。冒頭、木川眞ヤマトホールディングス(YHD)社長が主催者あいさつし、YHDが掲げる「バリュー・ネットワーキング構想」ともからめ、「京浜島RTCを、至近地にある羽田クロノゲートともうまく融合させ、メーカーや商社の物流改革に寄与していきたい」と語った。引き続き江頭YPC社長が施設のコンセプトを説明。来賓あいさつでは、顧客関係者として野田勝鶴見製作所取締役米子工場長が、鳥取における自社のRTC利用例などを紹介した。

今週掲載トピック一覧

  • ☆インタビュー、物流連会長・川合正矩氏『物流連の果たすべき役割』(下)
    ☆ウオッチ『中国の物流データ』
    ☆道『宿命の課題「営自問題」』

  • ☆国交省が第1回物流政策アドバイザリー会議、複数荷主の積合せ等次世代モーダルシフト推進を
    ☆社整審・交政審環境部会、14年~20年を期間とする環境行動計画案示す
    ☆日通商事、東京LPガス事業所が竣工
    ☆国交省・農水省、農林水産物・食品輸出の物流高品質化は情報共有が不可欠
    ☆データ・テック、ドラレコメーカー初のISO39001取得
    ☆埼玉ト協、無事故の達人大使にガッツ石松さん委嘱
    ☆建交労首都圏トラック部会、東京でトラックパレード実施
    ☆日通、ラオスの運輸大臣が伊豆研修センターを見学
    ☆センコー、アスファルトタンカー就航
    ☆試験センター、13年度第2回運管試験は2万7千人が受験
    ☆西濃運輸、食品物流の安全管理研修
    ☆SGUSA、米国発国際通販貨物の自社取り扱い開始
    ☆日貨協連、WebKIT書面化で成約メールなどの改良様式4月か運用へ
    ☆埼玉ト協が物流セミナー、書面化「ぜひ実行を」

今週のユソー編集室

  • ▼その昔「琉球王国」として、日本をはじめアジア各国と盛んな交易を展開していた沖縄。今、同県では、「21世紀の万国津梁(世界の架け橋)」を目指し、かつての姿を取り戻そうとしている。
    ▼本紙2月24日付号でもとりあげた沖縄国際貨物ハブを中心に、物流で日本とアジアを結ぶ構想だ。アジアの成長力を取り込もうとする、日本の成長戦略とも合致しており、注目を集めている。
    ▼当然のことながら、沖縄県の“本気度”は高い。インフラ整備はもちろん、昨年11月に個別商談会としては国内最大級の海外バイヤーを招き、「沖縄大交易会プレ交易会」を開催した。そこで取り扱われたのは、沖縄県はもとより、日本全国の食品類である。
    ▼「沖縄に来れば日本全国の名産品が手に入る、アジア各国に売り込める、といった交易会にしたい」。関係者の一人は、そう目を輝かせる。今年開催される「本大会」に向けて、ウチナーンチュの大きな夢は、今始まったばかりだ。

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