労働力不足対応等でモーダルシフトに「本腰」 国交省がアドバイザリー会議設置
国土交通省はきょう3日、物流業界を取り巻く課題や対応策を検討し物流政策に反映させるため、有識者や物流事業者、荷主企業担当者らによる「物流政策アドバイザリー会議」を設置、第1回会合を開く。当面の議題は、トラックをはじめとする物流業界で深刻化する労働力不足問題。会議を設置した加藤由起夫物流審議官はモーダルシフトを有効な労働力不足対応策として挙げており、専門アドバイザーにJR貨物や内航海運、通運関係者らを据え、モーダルシフト推進に向けた議論を開始する。
2月26日の会見で、アドバイザリー会議について説明した加藤審議官は、「交通政策基本法が成立し、今後は交通政策基本計画を策定する必要がある。物流は経済活動そのものであり、策定にあたっては官の視点だけでは対応できないため、アドバイザリーボードが必要だと思っていた」と設置の理由を述べた。
会議は、「常任アドバイザー」として、顧問に杉山武彦成城大教授、座長に野尻俊明流通経済大教授を迎え、委員には坂口琢也みずほ銀行産業調査部次長、宿谷肇物流連事務局長、徳田雅人JILS専務理事、中村次郎JIFFA・JAFA会長、広瀬茂広トヨタ自動車生産部品物流部長、根本敏則一橋大教授らが参加し、幅広いテーマを扱っていく。
また、テーマごとに「専門アドバイザー」が招集され、第1の議題となる労働力不足問題では、稲田浩ブルボン製造保証本部製造管理部業務管理課課長、大野泰ファミリーマート物流・品質管理本部物流企画部長、齋藤充日本通運常務執行役員、真貝康一JR貨物総括執行役員、鈴木喜一佐川急便常務、辰巳順長距離フェリー協会業務委員会委員(オーシャントランスフェリー常務)、野崎哲一内航大型船輸送海運組合会長(近海郵船社長)、森日出男ヤマト運輸常務執行役員がモーダルシフト推進について議論する。
加藤審議官はモーダルシフトについて、これまでの環境対策に加え、労働力不足対策としても有効な手立てであるとの考えを強調。「“腰を据えて”モーダルシフト推進に取り組む」と述べた。